NYダウ26ドル安、新型肺炎は重荷も下げ渋る

23日のNYダウ工業株30種平均は3日続落した。前日比26ドル18セント安の2万9160ドル09セントで終えた。新型肺炎の感染拡大が投資家心理の重荷となり、一時は200ドル超下げた。世界保健機関(WHO)が新型肺炎について、緊急事態宣言を見送ると急速に下げ渋った。
 
中国で新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大し、経済への影響が懸念される中、ダウ平均はほぼ終日マイナス圏で推移した。春節(旧正月)の連休を目前にした感染拡大で、観光や消費の落ち込みが危惧されている。
23日、シンガポールなどでも感染者が確認された。中国政府は23日に武漢市に加えて新たに2都市の交通機関の運行を停止し、経済的な悪影響が広がるとの見方から投資家心理が悪化した。
 
ダウ平均は朝方に一時219ドル安まで下げたが、午後に入って急速に下げ幅を縮めた。WHOが新型肺炎について「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」の宣言を見送ったと伝わり、過度な警戒感が後退した。これを受けて米長期金利が低下幅を縮め、金融株の下げ渋りにつながった。
 
この日発表された米企業の2019年10~12月期決算は、まちまちな内容。1株当たり利益は市場予想を上回った企業が多かったものの、個別の項目を手掛かりに失望売りを浴びた。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は10~12月期売上高が市場予想に届かなかった。決算が売り材料視された保険のトラベラーズが5%強下げ、ダウ平均の重荷となった。23日発表した2019年10~12月期決算で保険料収入が市場予想に届かなかった。中国での生産や販売比率が高いスポーツ用品のナイキや化学のダウも売られた。
 
一方、航空機のボーイングが3%近く上昇した。23日の取引終了後に決算を控えていた半導体のインテルも業績期待から先回りの買いが入った。
 
セクター別では、運輸や資本財が上昇する一方で耐久消費財・アパレルや電気通信サービスが軟調。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比18.710ポイント高の9402.478と17日以来3営業日ぶりに過去最高値を更新した。アナリストが投資判断を引き上げた半導体のウエスタンデジタルが大幅に上昇し、同業にも買いが波及した。動画配信のネットフリックスは7%強上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
29,160.09-26.18
S&P500種
3,325.54+3.79
ナスダック
9,402.478+18.7102
NY金(ドル/トロイオンス)
1,565.40+8.70
NY原油(ドル/バレル)
55.70-1.04
円・ドル
109.49 – 109.50-0.11

 


【シカゴ日本株先物概況】

23日のシカゴ日経平均先物は小幅反落した。
新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、中国政府が複数都市での移動制限措置を実施したことから同国経済減速への懸念が強まり、売りが先行した。

23日にはベトナムやシンガポールでも感染が初めて確認された。その後、世界保健機関(WHO)が新型肺炎について緊急事態宣言を見送り、下げ幅を縮めた。米ナスダック総合株価指数が23日に過去最高値を更新したことも下値を支えた。
3月物は前日比45円安の2万3795円で引け、23日の大取終値を45円上回った。
この日の3月物安値は2万3605円、高値は2万3885円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23795 ( +45 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23810 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7507.67(-64.25)
23日のFTSE100種総合株価指数は中国発の新型肺炎の拡大を嫌気して投資家のリスク選好が一段と後退し4日続落した。前日の終値に比べ64.25ポイント安の7507.67と、2019年12月中旬以来、約1カ月ぶりの安値(終値ベース)で引けた。構成銘柄の8割が下落した。
 
23日のアジア株安を受けて売りが優勢だった。午後に米国株式相場が大幅下落して始まると英国株も下げ幅を拡大した。
新型肺炎の感染拡大への懸念が投資家心理の重荷となり、売り圧力になっている。
新型肺炎の感染拡大が銅の最大消費国である中国で需要の減速につながるとの見方から売られた。
 
個別銘柄では、ロシアの鉄鋼大手エブラズが6.5%安とアントファガスタは4.8%安と大幅下落が目立った。航空株も安かった。インターコンチネンタル・ホテルズ・グループは中国の春節(旧正月)を前に、中国や香港などで宿泊キャンセルや変更を無料で対応すると発表した。業績への圧迫が懸念され同社の株価は3%超、下げた。銀行株は売りに転じた。ECBの低金利政策が長期化するとの観測が材料になった。
 
一方、石油のBPは買い戻され、小幅高となった。英保険大手のフェニックス・グループ・ホールディングスや住宅建設のテイラー・ウィンピーは上げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13388.42(-127.33)
23日のドイツ株式指数(DAX)は大幅続落した。終値は前日と比べて127.33ポイント安の13388.42だった。午後にかけて下げ幅を拡大した。
個別では、タイヤのコンチネンタルなど自動車株を中心に構成銘柄の8割近くが下落した。一方で、オンライン決済サービスのワイヤーカードは高かった。ドイツ銀行も買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5971.79(-39.19)

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次