「免罪符」

「免罪符」
 
NY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。
NYダウとS&P500は反落。
NASDAQは続伸し5日連続で終値ベースの過去最高値を更新。
フェデックスが10.0%の大幅安。
コスト上昇やアマゾンとの輸送契約打ち切りなどが響き2020年度の利益見通しを引き下げたことを嫌気した。
ダウ輸送株指数は0.9%安。
一方、小型株中心のラッセル2000指数は14カ月ぶりの高値水準に上昇。
「ウクライナ疑惑」を巡るトランプ大統領の弾劾訴追決議案採決については反応薄。
ドイツのIFO景況感は市場予想を上回り着地し6カ月ぶりの高水準。
NY連銀のウィリアムズ総裁は「景気支援に向けてFRBの金融政策は良好な状況」とコメント。
2020年について楽観的な見通しを示した。
10年国債利回りは1.922%と上昇。
2年国債利回りは1.634%。
1月のFOMCでの利下げ確率は2.2%、3月は4.3%、4月は11%。
金利が来年末まで現行水準にとどまるとの見方は52.9%。
ドル円は109円台半ば。
香港ドルは対米ドルで5カ月ぶり高値を更新。
 
 
火曜の日経平均の寄り付き43円安、終値131円安。
日足は3日連続の陰線。
12月メジャーSQ値23895円に4勝。
NY株は史上最高値を更新したが、日経平均は3ケタ下落。
ちぐはぐな展開。
「恒例の節税売りが出始めたかの印象」という声もある。
東証1部の売買代金は2兆1719円。
前日と同じ売買代金というのも珍事。
値上がり528銘柄、値下がり1522銘柄。
新高値127銘柄と10日連続の3ケタ。
新安値8銘柄。
騰落レシオは105.16。
NTレシオは13.77倍。
サイコロは7勝5敗で58.3%。
25日線(23423円)からは2.18%、200日(21778円)からは9.90%のプラスかい離。
5日線(237880円)は右肩上がり継続でサポート状態。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲14.875% 。
買い方▲6.555%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲4.335%。
買い方▲13.854%。
売り比率は37.2%で5日連続の40%割れ。
空売り規制なし銘柄の比率は5.5%。
日経HVは12.0、日経VIは13.54。
Quick調査の12月13日時点の信用評価損率は▲11.42%。
5週連続の改善。
12月13日時点の裁定売り残は1635億円減の7555億円。
3週ぶりの減少。
当限は1532億円減の5301円。
翌限以降は102億円減の2254億円。
同裁定買い残は685億円増の7152億円。
2週ぶりの増加。
当限は729億円増の6930億円。
翌限以降は43億円減の222億円。
裁定に売り残買い残がようやく拮抗してきたことは吉兆。
日経平均採用銘柄のPERは14.43倍。
EPSは1658円。
PBRは1.17倍。
BPSは20456円。
ドル建て日経平均は218.68。
東証単純平均株価は2336円(昨年末2077円)。
シカゴ225終値は大証日中比65円高の23875円。
高値23990円、安値23805円。
気学では「変化注意日」。
金曜は「弱体日。戻り売り方針良し」。
月足陽線基準は23338円。
年足陽線基準は19655円。
水曜のボリンジャーのプラス3σが24250円。
昨日もここで止まった。
プラス2σが23974円。
プラス1σが23699円。
年末でも売買エネルギーが変わらないのは仕組債の跳ね返りの売りなのかも知れない。
もっとも売買エネルギーの不変は日米共通だ。
高値恐怖症が勝った格好だ。
 
フツーに読んでいれば気にはならない。
だが細かいことを気にすると興味深かったのが日経朝刊「スクランブル」。
見出しは「ジリ高相場に死角。膨らむ株価急落リスク」。
下落の翌日は弱気コメント、上昇の翌日は強気コメントだからわかりやすい。
経験上、記者というのは取材をして他人の意見をまとめるのが自分の仕事だから致し方ないのかも知れない。
「26週線からのかい離の8%超」は大きいのか小さいのか。
常識論は大きい、のだが罫線論者は過去の延長線上での思考なので常に警戒感になる。
だからフツーの相場でないときには相場観が役にたたないことが多い。
相場は確かに過去の延長線だが、そうでないときがある。
現在がそうか否かを決めることの方が先のように思える。
あるいは・・・。
「裁定買い残から売り残を差し引いたネット残高は6月以降売り越しだったのが足元ほぼ拮抗。
ここから買い進むには追加の材料が必要」。
裁定残動向に関係なく買い進むには常に追加の材料が必要だろう。
確かに2兆超の裁定売り残が1.3兆円減少し裁定売りの解消が行われたことが9月以来の3000円高の原風景。
しかし、裁定売り残が裁定買い残を上回っていることの方が異常事態だった。
これで買い残が増加し売り買い逆転になるのならそれは異常事態の終焉。
だったらむしろ好材料ととらえたいところだ。
「日経ダブルインバースの残高増加」。
これは警戒感の表現であるとともに買戻し期待への導線でもある。
「期待先行の株高で売りのマグマも膨らんでいる」。
株式市場は常に期待先行。
期待先行でない上昇はあり得ないだろう。
実態重視の株高などめったにお目にかかれないと思う。
「急落リスクに目配りしておくのが無難」。
目配りしてどうするのか。
投資家さんなら常に目配りしている筈。
「目配り」で急落を回避できるのならそんな楽なことはない。
「注意しましょう、警戒しましょう」という市場関係者の免罪符と同じ言葉だ。
市場では「思惑的な売り」とか「思惑的な買い」という言葉も横行する。
これとて「株価はすべて思惑の産物」。
逆に思惑のない売買がどれだけあるのかを問うてみたい気がする。
 
 
NYダウは27ドル安の28239ドルと6日ぶりの反落。
NASDAQは4ポイント高の8827イントと6日続伸。
S&P500は1ポイント安の3191ポイントと反落。
ダウ輸送株指数は99ポイント安の10779ポイント。
SOX指数は0.09%下落。
VIX指数は12.58。
3市場の売買高は77.2億株(過去20日平均は69.5億株)。
225先物CME円建ては大証日中比65円高の23875円。
ドル建ては大証比日中比90円高の23900円。
大証夜間取引終値は日中比50円高の23860円。
ドル円は109.53円。
10年国債利回りは1.922%と上昇。
2年国債利回りは1.634%。
 
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
オンコリスバイオ(4588)・・・動兆
 
オンコリスバイオファーマに注目する。
同社は腫瘍溶解ウイルス技術を使うがん治療薬、がんマーカー開発が中核。
重症感染症治療薬も対象。
がんのウイルス療法「テロメライシン」のライセンス契約にかかわるマイルストーンを達成したと発表。
今後の展開に期待感。
 

(兜町カタリスト櫻井)
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次