日経平均株価は前日比144円20銭高の2万2769円58銭、東証株価指数(TOPIX)は8.00ポイント高の1646.14と、ともに上伸した。
米企業業績の底入れ期待から米株式相場が上昇した。投資家心理が改善し、株価指数先物の買いが優勢になった。外国為替市場での円安・ドル高を背景に輸出関連株や景気敏感株が買われた。
上昇して始まった日経平均株価は一時、前日比150円近くまで上げ幅を広げ、ザラバベースでの年初来高値を更新した。その後も高値圏で堅調な値動きを続け、「好地合い」を印象付ける展開だった。
米中貿易摩擦問題は小康状態。英国の欧州連合(EU)離脱は、再び期限が延期される可能性が高まった。新規の買い材料が出たわけではない中で日経平均が上伸する強調展開に、市場関係者からは「投資家の前向きな心理状況がうかがわれる」との声が上がっていた。
前日の米株式市場では米建機大手のキャタピラーが低調な決算だったにもかかわらず、中国販売の底入れ見通しを示したことで同社株が上昇した。「景気敏感株の代表格であるキャタピラー株の値動きを受け、日本企業の決算発表でも先々の業績回復を見通せるとの思惑で中国関連株に買いが入った」との見方が出ていた。
JPX日経インデックス400は上昇した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8838億円、売買高は6億1121万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1156、値下がりは864、変わらずは133だった。
業種別株価指数(33業種)は、鉱業、ゴム製品、医薬品などが上昇し、下落は繊維製品、水産・農林業、小売業など。
個別では、米国でアルツハイマー型認知症治療薬の承認申請する方針を示したエーザイに連日で買いが集まり、1銘柄で日経平均を36円押し上げた。東京エレクトロン、SUMCOやファナック、アステラスが堅調、トヨタ自動車やヤマトHD、DMG森精機もしっかり。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも堅調。富士通も買われた。アイモバイルが急騰、日本ケミファは一時ストップ高に買われた。
半面、ソフトバンクグループが安く、ファーストリテイリングも冴えない。キーエンス、東レも安い。日本アジア投資が利食われ、LIFULL、シュッピンなども大幅安。エムスリー、高島屋や積ハウス、サイバーも売られた
東証2部株価指数は前日比19.31ポイント高の6840.15ポイントと3日続伸した。
出来高6019万株。値上がり銘柄数は200、値下がり銘柄数は180となった。
個別では、浜井産業が一時ストップ高と値を飛ばした。日本ケアサプライ、キーウェアソリューションズ、さくらケーシーエス、ニッキ、ユーピーアールなど6銘柄は年初来高値を更新。ビート・ホールディングス・リミテッド、ピーエイ、イクヨ、ヨネックス、ニチリンが買われた。
一方、石井表記、アクロディア、川澄化学工業、ウインテスト、イトーヨーギョーが売られた。
