NYダウ28ドル安と小反落、低調な一部企業決算で

  
24日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比28ドル42セント安の2万6805ドル53セントで終えた。
米主要企業の決算がピークを迎えており、決算を材料とした個別売買が中心だった。
24日は買い優勢でスタート。前日夕に発表されたマイクロソフトや米電気自動車(EV)メーカーのテスラ、オンライン決済サービス大手ペイパル・ホールディングスの7~9月期決算がいずれも堅調だったことを好感した買いが入った。特にテスラは「赤字を予想していた市場予想に反して黒字を確保したことが大きなサプライズとなった」という。
 
ただ、序盤の買いは続かずにダウはマイナス圏に沈んだ。相場の重しとなったのはダウ構成銘柄でもある工業・事務製品大手スリーエム。貿易摩擦のあおりで中国での販売が不振で、19年12月通期の利益見通しを下方修正した。
3Mは発表資料でマクロ経済環境の厳しさに言及し、12月期通期見通しも引き下げた。株価は4%下げ、ダウ平均を1銘柄で46ドル押し下げた。
 
広告収入の伸び悩みを背景に決算と見通しがともに市場予想に届かなかった短文投稿サービスのツイッターは急落。前日夕に中国市場の低迷などを理由に通期の営業利益見通しの下方修正を発表したフォード・モーターが大きく下げた。
 
さらに朝方発表の9月の米耐久財受注額は前月比1.1%減と市場予想(0.8%減)を上回る落ち込みとなり、米景気の先行き懸念から投資家心理を慎重にさせた。
 
一方、好決算銘柄が買われ、相場を支えた。好決算を受けてアナリストの目標株価引き上げが相次いだ半導体製造装置のラムリサーチが急伸し、半導体関連株に買いが波及した。
 
セクター別では、ソフトウェア・サービスや半導体・半導体製造装置が上昇する一方で自動車・自動車部品や電気通信サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、同66.003ポイント高の8185.796と9月17日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。マイクロソフトや半導体関連株が買われ、指数を押し上げた。
S&P500種株価指数は続伸し、7月末以来の高値で終えた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,805.53-28.42
S&P500種
3,010.29+5.77
ナスダック
8,185.796+66.003
NY金(ドル/トロイオンス)
1,504.70+9.00
NY原油(ドル/バレル)
56.08-0.15
円・ドル
108.60 – 108.61-0.09
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅ながら続伸した。
12月物は前日比20円高の2万2815円で引けた。ハイテク株比率の高い米ナスダック総合株価指数が約1カ月ぶりの高値をつけ、日経平均先物の買いを支えた。
一方、ダウ工業株30種平均は米企業決算を手掛かりに反落したため、上値は重かった。
この日の12月物高値は2万2865円、安値は2万2725円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22815 ( +35 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22825 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7328.25(+67.51)
FTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ67.51ポイント高の7328.25で引けた。欧州中央銀行(ECB)は24日の定例理事会で政策金利を据え置いたが、主要中銀の金融緩和による景気浮揚に期待感が広がった。決算発表を踏まえ、好業績銘柄を物色する動きもあった。指数構成銘柄全体の約6割が上昇。製薬株などが堅調だった。
 
個別銘柄では、医薬品のアストラゼネカは5%超上昇した。がん治療の新薬への堅調な需要増を背景に、通期の製品売上高の見通しを再度引き上げたことが好感された。前日に引き続き保険のM&Gは6.1%高とこの日も大幅高となった。1~9月期の増収を発表した出版のRELXの上昇も大きくなった。産業用ソフトウエアのアヴィバグループも上期の増収を受けて買われた。
 
半面、銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は大幅に下落した。支払保障保険(PPI)の不正販売問題をめぐる引当金の計上で第3四半期に赤字に転落したことが響いた。航空機エンジンのロールス・ロイスも売られた。航空機エンジン「トレント1000」のコスト増が今後の業績を圧迫する恐れがあるとして、アナリストが株価目標を引き下げたことが材料視された。ITVは配当権利落ちで下がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12872.10(+73.91)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて73.91ポイント高の12872.10と、終値ベースで2018年6月以来、約1年4カ月ぶりの高値で引けた。
 
個別では、自動車のダイムラーは3%超上がった。メルセデス・ベンツなど乗用車部門の販売増が寄与して7~9月期の売上高と利益が増加したことが好感された。半導体のインフィニオンテクノロジーズも大幅高となった。
一方で、アナリストが投資判断を引き下げたドイツテレコムは売られた。不動産のボノビアも下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5684.33(+30.89)

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