13日のNYダウ工業株30種平均は上昇し、前日比92ドル10セント高の2万7783ドル59セントで終え、2日ぶりに過去最高値を更新した。
朝方は売りが先行した。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が13日、「関税が米中の部分合意の妨げになっている」と伝え、ダウ平均は取引開始直後に104ドル安まで下げた。その後上昇に転じたが、午後に「中国が米国産農産物の購入をためらっている」と伝わると伸び悩む場面があった。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は議会上下両院合同経済委員会での証言で、「現在の金融政策が適切である公算が大きい」と述べ、利下げを当面休止する意向を示した。同時に、経済状況が変化した場合にはこうした対応を見直すとも発言した。
序盤は軟調に推移していた株価は、議会証言を好感してプラス圏に浮上した。市場では「タカ派的な発言が出ず、無難に通過した」との指摘が聞かれた。
さらに、ウォルト・ディズニーが7.3%上げ、1銘柄でダウ平均を68ドル押し上げた。前日開始した動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の登録者数が1000万件を突破したと発表。同社株が急伸し、取引中盤以降の株価押し上げに寄与した。
スポーツ用品のナイキの上げも目立った。ネット通販のアマゾン・ドット・コムでの販売を終了し、自社サイトでの販売に注力すると伝わった。
ナスダック総合株価指数は小反落し、前日比3.990ポイント安の8482.101で終えた。半導体株が総じて下げたほか、ディズニーと動画配信で競合するネットフリックスが大幅安となった。アマゾンの下げも目立った。
S&P500種株価指数は続伸し、前日比2.20ポイント(0.1%)高の3094.04で終え、過去最高値を更新した。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,783.59+92.10
S&P500種3,094.04+2.20
ナスダック8,482.101-3.990
NY金(ドル/トロイオンス)
1,453.70-3.40
NY原油(ドル/バレル)
57.38+0.58
円・ドル
108.78 – 108.79-0.28
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前日比140円安の2万3330円で引けた。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「関税撤廃が米中の部分合意の妨げになっている」と伝え、米中貿易協議に対する不透明感が再燃した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23330 ( +30 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23345 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7351.21(-14.23)
FTSE100種総合株価指数は投資家のリスクオフを背景に反落した。前日の終値に比べ14.23ポイント安の7351.21で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
米中貿易協議が進展するとの期待が後退し、売りが広がった。ただ、下げ幅は午後に縮まった。金融株の下落が株価指数の下げに大きく影響した。
個別銘柄では、香港の情勢が緊迫化していることから、アジアとの関係が深い銀行のHSBCホールディングスは2.5%安と下げが目立った。不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドは、厳しい市場環境が響いて上期に減収・減益となったことを受けて3.3%安と大幅安となった。メディアのITVは3%超下落した。
一方、医薬品株は買われた。飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングは6%超上昇した。新興市場での業績が好調で第3四半期の売上高が増加したことが手掛かりとなった。金相場が上昇し、関連のフレスニージョも大幅高となった。通期の業績見通しを据え置いた自動車・航空部品のスミス・グループも上がった。電力のSSEは、上期の増益を発表し上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13230.07(-53.44)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて53.44ポイント安の13230.07だった。米中貿易協議の進展期待が後退したほか、香港情勢の緊迫化が懸念され、欧州各国の株式相場はそろって下落した。
個別では、ドイツ銀行が大幅安と目立った。タイヤのコンチネンタルも下落した。一方で、アナリストが株価目標を引き上げた工業用ガスのリンデは買われた。電力のエーオンも上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5907.09(-12.66)
