NYダウ反発、初の2万8000ドル台

 
15日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比222ドル93セント高の2万8004ドル89セントと節目の2万8000ドルを初めて上回って2日ぶりに過去最高値を更新した。
S&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
 
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が14日のワシントンでのイベントで、米中協議は非常に建設的に進んでおり、合意に近づいているとの認識を表明。また、ロス米商務長官も15日朝の米FOXビジネスとのインタビューで、両国が電話による貿易協議を同日行うとの見通しを示した上で「第1段階」署名の可能性は「非常に高い」と指摘した。米高官が相次ぎ示した楽観的な見通しを受けて市場では米中対立の緩和期待が高まり、ダウはじりじりと上げ幅を拡大した。
中国売上高比率が高い化学のダウや建機のキャタピラー、中国で多くの製品を生産・販売するスポーツ用品のナイキなどが買われた。
 
米政府は午後、医療費に関連した新たな規則を発表した。病院が治療価格について患者に詳しい情報を伝えることなどを求めた。市場では規則内容について「警戒していたほど関連企業の収益を圧迫する内容ではない」と受け止められた。医療保険株のユナイテッドヘルス・グループが5%超上げ、1銘柄でダウ平均を約92ドル押し上げた。製薬のファイザーや病院運営のHCAヘルスケアなどヘルスケア関連全般が買われた。
 
市場では「12月15日に迫る対中関税第4弾の発動を回避するためには残された時間は多くない。来週中にも第1段階の合意の具体的な内容が固っていくことを期待したい」との声が出ていた。
今週のダウは連日のように最高値を更新。通商摩擦の長期化にも関わらず、底堅い米経済指標が相次いでいるほか、今年に入って3度の利下げを実施した米連邦準備制度理事会(FRB)が当面は利上げを検討しない方針を示していることが相場の安心材料となっている。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、同61.812ポイント高の8540.829と3日ぶりに過去最高値を付けた。アップルやアルファベット(グーグル)など主力株が上昇した。前日夕に好決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が急伸し、マイクロン・テクノロジーなど半導体株全般に買いが広がった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,004.89+222.93
S&P500種
3,120.46+23.83
ナスダック
8,540.829+61.812
NY金(ドル/トロイオンス)
1,468.50-4.90
NY原油(ドル/バレル)
57.93+1.16
円・ドル
108.83 – 108.84+0.09
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比215円高の2万3365円で引け、15日の大取終値は25円上回った。
米高官が米中貿易協議の進展を示唆する発言をしたことを受けて、NYダウ工業株30種平均が2日ぶりに最高値を更新した。投資家心理が改善し、日経平均先物も買われた
 

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23365 ( +25 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23380 ( +40 )
※( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日の終値に比べ10.18ポイント高の7302.94で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
 
米高官の発言報道を受けて米中貿易協議が進展すると期待され、欧州各国株式相場とともに買いが広がった。ただ、日中には下落に転じる場面もあった。資源と金融株の上昇が株価指数を押し上げた。
 
個別銘柄では、アナリストが投資判断と株価目標を引き上げたレジャー・外食のウィットブレッドは5%近く上昇した。鉱業のアントファガスタもアナリストによる株価目標引き上げが好感され、2.4%高と買われた。
 
一方、たばこ株は売られた。通信のBTグループも安くなった。英野党・労働党が、総選挙で勝利した場合、BTの一部ネットワークを国有化し、高速のフルファイバー・ブロードバンドを無料で提供する方針を示したことが材料視された。携帯電話サービスのボーダフォン・グループの下げも目立った。飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングは、過去2日間に大幅上昇した反動で、この日は売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日と比べて61.52ポイント高の13241.75だった。
 
米高官の発言報道で米中貿易協議の進展が期待され、欧州各国株式相場がそろって上昇した。ただ、日中に一部で下落する場面もあった。
 
個別では、自動車のフォルクスワーゲンが買われた。同社は15日、電気自動車(EV)やデジタル化など次世代技術への投資を約4割上積みすると発表した。半導体のインフィニオンテクノロジーズも買われた。米同業のアプライドマテリアルズが14日に第1四半期の堅調な業績見通しを示したことが材料視された。複数のアナリストが投資評価を引き下げた自動車のダイムラーは売られた。
 

■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて0.65%上昇し、終値ベースで2007年7月以来、約12年4カ月ぶりの高値水準で引けた。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次