NYダウ、4日ぶり反発、米中協議への期待

22日のNYダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発し、前日比109ドル33セント高の2万7875ドル62セントで終えた。
 
中国の習近平国家主席は22日、米中協議「第1段階」について「相互尊重と平等を原則に合意に努めたい」と述べ、合意文書の署名に前向きな姿勢であると報じられた。また、トランプ米大統領も同日の米テレビのインタビューで、第1段階の最終合意が「非常に近い」との認識を表明。停滞感が強まっている米中協議への投資家の過度な警戒感が後退した。
 
両国が協議で歩み寄るとの期待が強まり中国関連株を中心に買いが優勢となった。中国売上高比率の高い工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や航空機のボーイングのほか、中国での製品の生産・販売が多いスポーツ用品のナイキが上昇した。
 
同日発表された米経済指標が堅調だったことも相場の支えになった。IHSマークイットによる11月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は市場予想を上回り、7カ月ぶりの水準に改善。通商摩擦の長期化にも関わらず、米景気の底堅さを確認できたとして好感され、ダウの上げ幅は一時130ドルを超えた。
 
前日夕に決算を発表した百貨店のノードストロームが急伸し、小売株が総じて買われた。製薬のファイザーや医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も高い。
もっとも、過去最高値近辺で推移していることから、利益確定売りが出て、週間では5週ぶりに下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、同13.674ポイント高の8519.885で終えた。アマゾン・ドット・コムやフェイスブックなど主力株の一角が買われた。ただ、週間では8週ぶりに下落した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,875.62+109.33
S&P500種
3,110.29+6.75
ナスダック
8,519.885+13.674
NY金(ドル/トロイオンス)
1,463.60±0.00
NY原油(ドル/バレル)
57.93-0.65
円・ドル
108.62 – 108.63+0.05

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は4日ぶりに反発した。
12月物は前日比85円高の2万3165円で引け、22日の大取終値を35円上回った。22日の米中メディア報道を手掛かりに米中貿易協議の合意期待が広がり日経平均先物は米株とともに買われた。
米トランプ大統領が米テレビ番組で米中貿易協議について「合意は近い」と述べたほか、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の協議進展に肯定的な発言が報じられた。IHSマークイットが22日発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は7カ月ぶりの高水準となり、景気堅調を見込む買いも入った。
 
この日の12月物高値は2万3205円、安値は2万3030円。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日の終値に比べ88.26ポイント(1.22%)高の7326.81で引けた。
米中貿易協議の進展期待やポンド安を背景に、株価は寄り付きからプラス圏で推移。午後に入って米株高を眺めて一段高となった。構成銘柄の約9割が上昇した。
 
個別銘柄では、資源大手のグレンコア3.0%高、BHPビリトン2.4%高、リオ・ティント2.1%高、アントファガスタ2.1%高などがそろって値を上げた。前日に大幅高となったガス供給・販売のセントリカはこの日も3%超上昇した。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションの上げも目立った。医薬品株も堅調だった。
 
半面、上期の減益で前日に大幅下落した鉱業・化学のジョンソン・マッセイは、複数のアナリストがこの日株価目標を引き下げたことを受けて4%超下がった。鉱業のフレスニージョも6%超下落した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日と比べて26.18ポイント高の13163.88だった。
早朝に発表されたドイツとフランスのそれぞれの11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)はともに改善し、市場予想を上回った。これを受けて、欧州各国株式相場はそろって上昇した。ただ、その後に発表された11月のユーロ圏のPMI総合指数が市場予想を下回ったことから、各国とも上げ幅は縮まるか下げに転じた。
 
個別では、自動車のダイムラーと半導体のインフィニオンテクノロジーズが買われた。日用品のバイヤースドルフは下落した。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,893.13 +11.92     

 

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