NYダウ反発14ドル高、米製造業の景況感改善を好感

 
23日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反発し、前週末比14ドル92セント高の2万6949ドル99セントで終えた。
 
23日発表した9月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は51.0と、8月(50.3)から上昇し、4月以来5カ月ぶりの高水準となった。シカゴ連邦準備銀行が発表した8月の全米活動指数(CFNAI)もプラス0.10と、前月のマイナス0.41(改定値)から改善。堅調な経済指標を受けて米景気に対する楽観的な見方が広がり、消費関連株などに買いが入った。
また、アップルは同日、デスクトップ型パソコンの最上位機種「Mac Pro(マックプロ)」の新モデルをテキサス州オースティンで生産すると発表。トランプ政権が重要部品の関税免除を認めたことを受け、米国での生産継続を決めたという。発表を好感してアップルのほか、同社に部品を納めるエヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体株も買われ、相場の上昇を主導した。
 
個別銘柄でも景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株の上昇が目立った。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や飲料のコカ・コーラなどの生活必需品が買われた。米長期金利の緩やかな低下基調が続いており、不動産や公益事業など配当狙いで買われる銘柄に資金が向かった。
 
ただ、世界経済の先行きや米中貿易協議を巡る不透明感は根強く、上値は重かった。
午前は売りが先行し、ダウ平均は100ドルあまり下げる場面があった。ユーロ圏やドイツのPMI低下を受けて欧州株式相場が下落した流れを引き継いだ。前週の米中の事務レベルの貿易協議に目立った進展がなく、前週末には中国の代表団が農場視察を中止して帰国すると報じられていた。視察中止は米側の意向だったと一部で伝わったが、米中協議への不透明感が市場心理を冷やした。
 
セクター別では、耐久消費財・アパレルや半導体・半導体製造装置が上昇する一方で運輸やヘルスケア機器・サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、同5.212ポイント安の8112.462で終えた。日中は高く推移する場面が目立ったが、引け間際に下げに転じた。競合企業に「営業妨害と取られるような様々な圧力をかけていた疑いがある」と報じられたフェイスブックの下げが目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,949.99+14.92
S&P500種
2,991.78-0.29
ナスダック
8,112.462-5.212
NY金(ドル/トロイオンス)
1,531.50+16.40
NY原油(ドル/バレル)
58.49+0.40
円・ドル
107.52 – 107.53-0.40
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅続落した。
12月物は前週末比10円安の2万1785円で引け、20日の大取終値を125円下回った。
欧州の9月の製造業景気指数が低迷し、世界景気の先行き警戒感が広った。一方で米国の9月の製造業景気指数は改善し買いを支えた。
 
この日の12月物安値は2万1690円、高値は2万1960円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21785 ( -125 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21810 ( -100 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7326.08(-18.84)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前週末の終値に比べ18.84ポイント安の7326.08で引けた。
中国の代表団が米国の農家訪問を中止したことがきっかけとなり、米中貿易協議に不透明感が強まった。さらに、ドイツの9月の製造業PMI速報値が市場予想を下回り、欧州経済の減速懸念も広がった。株価は総じて上値が重く、マイナス圏で推移した。
構成銘柄の約7割が下落した。午後にやや下げ渋った。
 
個別銘柄では、今月に入り上昇していた総合ヘルスケアのNMCヘルスは7%超下がった。自動車・航空部品のスミス・グループも大幅安だった。前週後半に上昇が目立った銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)も売られた。
 
半面、英旅行会社のトーマス・クックが23日に経営破綻したことを受けて、激しい市場競争がやや緩むと期待され、競合のTUIは7%超上がった。金価格の上昇を背景に、関連のフレスニージョも3.5%と大幅高。ヒクマ・ファーマシューティカルズなど医薬品株も上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12342.33(-125.68)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前週末と比べて125.68ポイント安の12342.33だった。
この日発表された9月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)が6年3カ月ぶりの低水準だったことを受けて、景気減速の懸念が広がった。
 
個別では、ドイツ銀行が3%超下落した。自動車のダイムラーと医薬・農薬大手のバイエルの下げ幅も目立った。上昇したのは、電力のRWEなど5銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5630.76(-60.02)
フランスの株価指数CAC40の終値は前週末に比べて1%と下がった。

 

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