9月30日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比96ドル58セント高の2万6916ドル83セントで終えた。
米財務省報道官が中国企業の米株式市場での上場廃止を検討しているとの先週の報道を否定し、買いが先行した。中国政府が10月の米中高官協議の具体的な日程に言及したほか、同国企業に対して米国産大豆を報復関税なしに購入することを認めたことが伝わり、米中貿易摩擦を巡る懸念が後退し、終日堅調推移となった
ナバロ米大統領補佐官はテレビのインタビューで、米政権が中国企業の米国での上場廃止などを検討しているとの報道を否定され、先週下落した中国オンライン小売のアリババ・グループ(BABA)、中国の検索大手バイドゥ(BIDU)などが買い戻された。
中国商務省の高官が29日、米中の閣僚級協議を10月第2週に開くことを明らかにした。中国政府が具体的な日程に言及したことで交渉に前向きと受け止められ、協議が進展するとの見方につながった。
アップルは、ダウ指数構成銘柄の中で上昇率が最大。同社は主力スマートフォンの最新モデル「iPhone(アイフォーン)11」の出足が好調との報道や、JPモルガンによる目標株価引き上げが好感され、買いが集まった。アップルへの部品供給企業にも買いが波及し、全11セクター中、ITセクターの上昇率が最大となった。
月末や期末で機関投資家が運用成績を良くみせる「お化粧買い」を入れたとの指摘もあり、ダウ平均の上げ幅は一時178ドルに達した。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や耐久消費財・アパレルが上昇する一方でエネルギーや銀行が下落した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前週末比59.711ポイント(0.8%)高の7999.338で終えた。アップルに加え、マイクロソフトも高い
NYダウ工業株30種(ドル)
26,916.83+96.58
S&P500種
2,976.74+14.95
ナスダック
7,999.338+59.711
NY金(ドル/トロイオンス)
1,472.90-33.50
NY原油(ドル/バレル)
54.24-1.67
円・ドル
108.05 – 108.06+0.20
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前週末比160円高の2万1865円で引け、30日の大取終値を105円上回った。
米中関係の悪化懸念が薄れ、投資家心理が上向いた。「米政権が米市場に上場する中国企業の上場廃止を検討している」との報道を米財務省報道官が否定した。円安も支援材料になった。
この日の12月物高値は2万1870円、安値は2万1655円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21865 ( +145 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21895 ( +175 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7408.21(-18.00)
FTSE100種総合株価指数は2営業日ぶりに反落した。前週末の終値に比べ18.0ポイント安の7408.21で引けた。上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗。
米中貿易協議の先行き不透明感が広がるなか、売りが優勢だった。資源株の下げが株価指数を押し下げた。
個別銘柄では、時価総額が大きい日用品のレキットベンキーザーの大幅安も指数の下げに影響した。レジャー・外食のウィットブレッドは4%近く下がった。アナリストが投資判断と株価目標をともに引き下げたことが響いた。金相場の下落を受けて、関連のフレスニージョは2.8%安と売られた。
一方、たばこ株は上昇した。前週に大きく売り込まれたインペリアル・ブランズはこの日買い戻され、3%高。医薬品のグラクソ・スミスクラインも上昇した。臨床試験で卵巣がんの治療に良好な結果がでたと発表したことが好感された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12428.08(+47.14)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前週末と比べて47.14ポイント高の12428.08だった。
JPモルガンがユーロ圏の株には割安感があるとして買い推奨に引き上げたことなどから、欧州各国株式相場に買いが広がった。
個別では、航空のルフトハンザとドイツポストの上昇が目立った。医療機器のフレゼニウスとオンライン決済サービスのワイヤーカードは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5677.79(+37.21)
