「天下三不如意」
NY株式市場は大幅続落。
主要株価3指数は軒並み1日としては約6週間ぶりの大幅な下落となった。
S&P500とNYダウは約1カ月ぶりに100日移動平均線を下回った。
S&P500は足元では最高値から約5%下落した水準。
底流にあるのはISM非製造業景況感の悪化。
航空機への補助金を巡る米国とEUとの対立に関してWTO米国が75億ドル相当の欧州製品に輸入関税をかけることを承認。
通商懸念を深めた格好との解釈。
またADP全米雇用レポートで民間部門雇用者数は13.5万人増で着地。
市場予想の14万人増を下回ったことも悪材料視。
週末の雇用統計への警戒感につながった格好だ。
下落要因は「思惑→実態悪認識」と移行してきた。
VIX指数は20ポイント台まで上昇。
3市場の売買高は80億株まで増加した。
冴えない経済指標を受けて債券利回りは低下。
10年国債利回りは1.600%、2年国債利回りは1.484%。
FRBが10月のFOMCで政策金利を引き下げる確率は75.4%と9月30日時点の39.6%から上昇。
ドルは対円、対ユーロで下落。
ドル円は107円台前半。
恐怖と欲望指数は48→32に低下。
水曜の日経平均株価は寄り付き141円安、終値106円安。
反落の展開だったが日足は2日連続の陽線。
「米9月ISM製造業景気指数が約10年ぶりの弱い内容となった割には、しっかりとした動き」という見方だ。
東証1部の売買代金は2兆872億円。
値上がり1057銘柄、値下がり1007銘柄。
新高値68銘柄、新安値10銘柄。
騰落レシオは141.36と上昇。
NTレシオは13.64倍。
25日線からは1.6%、200日線からは2.6%のプラスかい離。
サイコロは7勝5敗で58.3%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.728%。
買い方9.385%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲0.974%。
買い方▲14.371%。
9月27日時点のQuick調査の信用評価損率は▲13.48%と4週連続改善。
9月27日時点の裁定売り残は124億円減の1兆7296億円。
3週連続の減少。
同裁定買い残は1952億円増の5782億円。
2週連続増加。
空売り比率は42.5%で137日連続40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は5.3%。
日経HVは10.9、日経VIは16.90。
日経平均採用銘柄のPERは12.39倍でEPSは1757円。
PBRは1.09倍でBPSは19980円。
シカゴ225先物終値は大証日中比365円安の21345円。
高値21780円、安値21280円。
25日線(21435円)を下回っての戻り。
75日線が21273円、200日線が21218円。
勝手雲の上限が21794円、下限が21214円。
一目均衡の雲は23日に白くねじれているがまだ先のこと。
結局21200円台が死命線ということになろうか。
気学では「案外高き日なり。逆に安き時は翌日高し」。
金曜は「初め高いと後安の日。逆の時は見送れ」。
日経朝刊マーケット面の見出しは「株、個人に投資余力」。
そして「先行き強気姿勢」。
刹那的にはしばしば逆指標となることが多いものだ。
やはり木曜日という印象。
NYダウは494ドル安の26078ドルと3日続落。
下落幅は一時600ドルに迫る場面もあった。
NASDAQは123ポイント安の7785ポイント。
S&P500は52ポイント安の2887ポイントと続落。
ダウ輸送株指数は235ポイント安の9884ポイント。
SOX指数は1.58%の下落。
VIX指数は20.46。
3市場の売買高は80億株と増加(直近20日平均は73億株)。
225先物CME円建ては大証日中比365円安の21345円。
ドル建ては大証比日中比345円安の21365円。
大証夜間取引終値は日中比340円安の21370円。
ドル円は107.17円。
10年国債利回りは1.600%。
2年国債利回りは1.484%。
「平家物語」巻一にある話。
白河法皇が「賀茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」と嘆いたという。
「賀茂河の水」は古来氾濫を繰り返す暴れ川として知られていた賀茂川がもたらす水害。
「双六の賽」は盤双六の二つのサイコロが出す「賽の目」のこと。
「山法師」は神輿を担いで都に雪崩れ込み強訴を繰り返した比叡山延暦寺の僧兵のこと。
法皇がこの三つだけはどうしても思うようにならないと愚痴をこぼしたという逸話だ。
これが「天下三不如意」。
現代ならさしずめ「株価」というのが加わるだろう。
「さあ」と思うと急落、「もはや」と思うとスルスルと上がり始める。
「もうはまだなり、まだはもうなり」だが、このリズムが実に人の予想の裏を行ってくれる。
上げは続かないし、下げも続かない。
しかし人の心はトレンド追随型だからどうしても意外感を伴った値動きとなる。
何事も意のままにできた白河法皇でさえ願いたのだから庶民はさらに嘆かざるを得ないのだろうか。
言い換えれば「人間万事塞翁が馬」も「禍福は糾える縄の如し」もある。
コチラの方がより深い。
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