10日の日経平均は反発となった。前日の米国株式市場では、米中閣僚級協議への期待から主要3指数が揃って反発したものの、米中貿易問題を巡る次官級協議に関して、「2日間の議論では主要な問題点について進展がなかった」と日本時間朝方に伝わると、本日の日経平均は売り先行でのスタートになった。
その後、中国の劉鶴副首相が両国閣僚級協議のために11日までワシントンに滞在するとの報道や、米国側が中国との部分的合意に通貨協定を含めることを検討しているといったヘッドラインが伝わり、為替市場では1ドル=107円70銭台まで円安が進行した。これを受け、短期筋などによる指数先物に対する買い戻しの動きが強まり、上げに転じた
結局は下値75日移動平均線(2万1293円)、上値25日移動平均線(2万1650円)に挟まれた300円強の範囲で上下する方向性のない動き。
マザーズ指数とジャスダック平均は安値引けと、日経平均だけが強かったとも言える1日ではあった。
11日の東京株式市場は、様子見ムードが続きそうだ。
米中貿易協議の先行きが読みづらいことや、体育の日の祝日で3連休となることもあり、積極的な売買も限られるとみられる。市場では「米中貿易協議の報道で、やや荒っぽい動きとなったが、2万1300円近辺では13週線や26週線が推移しており、下値ゾーンとして意識されたようだ」との見方があった。
20年3月期第2四半期(19年4-9月)決算の発表が本格化するが「8月期決算を含め、下方修正する銘柄への株価の反応は限定的で、株価に織り込まれつつある」との声も聞かれた。
米中貿易協議の結果が東京株式市場に反映されるのは、3連休明け後の15日となる(事前に結果が判明するケースもゼロではない)。明日はオプションSQ算出日でもあるが、引き続き材料株主導の地合いとなりそうだ。
■テクニカル・ポイント(10日現在)
22079.09 新値三本足陽転値
22013.92 ボリンジャー:+1σ(25日)
21867.08 ボリンジャー:+1σ(26週)
21818.59 ボリンジャー:+1σ(13週)
21698.33 均衡表雲上限(週足)
21650.62 25日移動平均線
21607.39 均衡表転換線(日足)
21551.98 ★日経平均株価10日終値
21453.89 6日移動平均線
21404.86 均衡表基準線(日足)
21363.50 26週移動平均線
21295.33 13週移動平均線
21293.01 75日移動平均線
21287.33 ボリンジャー:-1σ(25日)
21236.84 均衡表基準線(週足)
21214.66 均衡表転換線(週足)
21207.64 200日移動平均線
21059.28 均衡表雲下限(週足)
20966.92 均衡表雲上限(日足)
ローソク足は陽線を引き、9月26日を直近ピークに下降してきた5日線が上向きに転じた、終値は5日線上に復帰した。
東証1部の騰落レシオ(25日)が125.94%(昨日135.11%)と買われ過ぎを示す130%超ゾーンを脱したこともあり、明日以降は短期的な調整圧力の軽減が期待できよう。しかし、25日線を上回る場面はなく上値の重さも再確認された。
一目均衡表では、下降する転換線が上値抵抗線となり、上値での根強い売り圧力を示した。ボリンジャーバンドでは、-1σ付近まで押された後に値上がりに転じたが、ザラ場高値は中心線下にとどまった。
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