続伸150ドル高 トランプ発言で米中協議に期待感

 
10日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比150ドル66セント高の2万6496ドル67セントで終えた。
 
トランプ米大統領は午前、中国の劉鶴副首相と11日に会談するとツイッターに投稿。前日終値付近で寄り付いたダウはこれを好感して上昇し、上げ幅は一時約257ドル高となった。市場では、米中両政府がこの日から2日間ワシントンで開く閣僚級貿易協議の結果に注目が集まる。様子見姿勢が広がる中で、株価はその後上げ幅を縮めた。
 
中国売上高比率の高い化学のダウや建機のキャタピラーの上昇が目立った。リスク回避時に買われやすい債券が売られて米長期金利が上昇し、ゴールドマン・サックスなど銀行株も買われた。
 
 
買い一巡後は上値が重くなった。米CNBCは「ホワイトハウス報道官が米中の貿易協議に関する日程は流動的だと述べた」と伝えた。協議の先行きを見極めたい投資家は多く、上値を追う買いは入りにくかった。
 
米国は今月15日に対中制裁関税を拡大する予定で、市場では「期日が迫る中、関税引き上げの延期が協議の最も現実的な結果ではないか」との指摘が聞かれた。
 
セクター別では、銀行や自動車・自動車部品が上昇する一方で公益事業や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比47.039ポイント高の7950.782で終えた。アップルやマイクロソフトといった主力株が上げた
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,496.67+150.66
S&P500種
2,938.13+18.73
ナスダック
7,950.782+47.039
NY金(ドル/トロイオンス)
1,500.90-11.90
NY原油(ドル/バレル)
53.86+1.27
円・ドル
107.86 – 107.87+0.46

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前日比105円高の2万1675円で引け、10日の大取終値を155円上回った。
10日からワシントンで始まった米中貿易協議の進展期待が広がり投資家心理が上向いた。トランプ氏が10日、「ホワイトハウスで明日(11日)中国副首相と面会する」とツイッターで発表し、米中が何らかの合意に達するのではないかとの期待が強まった。
 
この日の12月物高値は2万1740円、安値は2万1300円
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21675 ( +155 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21700 ( +180 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7186.36(+19.86)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ19.86ポイント高の7186.36で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
 
小動きで始まった後、10日から始まった米中貿易協議で交渉が進展すると期待され、買いが広がった。銅相場の上昇を背景に鉱業株が買われ、株価指数を押し上げた。
 
個別銘柄では、産銅大手アントファガスタが4.5%高。鉱業大手アングロ・アメリカンは4.0%高。英金融大手ロイズ・バンキング・グループと英通信大手BTはそれぞれ3.9%高。軟調な四半期業績を発表した製紙のモンディは午前に売られたが、午後には買い戻された。
 
一方、金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンは2.7%安と大幅安となった。アナリストが今後の業績の伸びについて懸念を示したことが売り材料となった。金価格の下落を受けて、関連のフレスニージョも2.3%安と売られた。配当権利落ちでガス供給・販売のセントリカも下がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12164.20(+69.94)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて69.94ポイント高の12164.20だった。午前の欧州各国株式相場はまちまちだった。米中貿易協議で交渉が進展するとの期待から米国株が上昇して始まると、欧州株も買い圧力が強まった。
 
個別では、工業用ガスのリンデとドイツ銀行の上昇が目立った。一方で、電力のRWEと日用品のバイヤースドルフは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5569.05(+69.91)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1%以上も上昇した。

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