3日前引けの日経平均株価は反発、前日比14円29銭高の2万0634円48銭で取引を終了した。
貿易問題を巡る米中協議の開催に不透明感が増したとの見方から、株価指数先物を中心に売りが先行した。
一部報道で9月に予定されている米中貿易協議の日程調整が難航していると伝わったほか、中国が米国の追加関税措置を世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表。米中協議の進展に慎重な見方から日経平均は下げる場面があった。
一方で、外国為替市場での円高進行が一服したことなどを背景に自動車や鉄鋼といった景気敏感株の一部が買われ、相場全体を支えた。
バルチック海運指数の上昇を受け海運株が上昇した一方、原油先物価格の下落から鉱業株が値下がりするなど、特定業種に限れば動きは見られたが、東京株式市場全体には方向感は出ていない。
東証1部の売買代金は、前日に記録した今年最低水準を記録した前日のペースをさらに下回って推移し、低調な売買が続いている。
市場からは「米中協議に対する具体的な話がなく、動きようがない。ただ、悪材料は大方織り込み、下値も見た。材料待ちの格好だが、きっかけさえあれば上に飛び出す可能性もある」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は、6.21ポイント高の1511.42だった。JPX日経インデックス400も反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で6086億円と前日の同時点(6678億円)を下回るなど商いは引き続き低調となっている。売買高は3億7990万株だった。値上がり銘柄数は1468、値下がり549、変わらず124だった。
業種別株価指数(33業種)は、海運業、鉄鋼、証券・商品先物取引業、パルプ・紙、非鉄金属などが上昇した。下落は鉱業など。
個別では、任天堂、ソニー、トヨタ自動車、太陽誘電、SUMCO、信越化、ダイキン、花王が高い。アトラ、チェンジ、enishなど買われた。
半面、ファーストリテイリング、KDDI、ZOZO、ファナック、アドバンテスト、東エレクが安い。ホットランドが急落、レオパレス21も売られた。サニックス、ワイヤレスゲートも下落した。
東証2部株価指数は3日ぶり反落した。前日比14.25ポイント安の6365.64ポイントだった。
出来高4645万株。値上がり銘柄数は187、値下がり銘柄数は162となった。
個別では、日本リーテック、ボーソー油脂、魚喜、テクノマセマティカル、ジオスターなど10銘柄が年初来安値を更新した。アクロディア、ユーピーアール、花月園観光、田岡化学工業、川上塗料が売られた。
一方、インタートレードがストップ高となった。那須電機鉄工、ウインテストなど3銘柄は年初来高値を更新した。理経、FUJIKOH、ファーマフーズ、大興電子通信、エヌリンクスが買われた。
