「偶然と必然」
3連休明けのNY株式市場は大幅に下落。
レーバーデー明けの相場は3年連続の下落となった。
サイコロが9勝6敗だった過熱感を放射した。
休暇中の米中貿易摩擦問題の報復合戦を改めて嫌気した格好。
ISM製造業景気指数が49.1と前月の51.2から低下。
市場予想の51.1を下回った。
2016年8月以来初めて景気拡大・縮小の節目となる50を割り込んだことが嫌気された。
「米中貿易摩擦が企業業況感の重荷。
新規受注や雇用が悪化し全体を圧迫した。
日本、ユーロ圏、英国、中国ではすでに製造業活動が縮小。
米国もこれに追随する格好となった」との解釈だ。
ただエコノミストが景気後退の水準とみなす43の水準はなお上回っている。
先行指標として注目される新規受注指数は47.2と前月の50.8から低下。
12年6月以来の低水準。輸出向け新規受注は4.8ポイント低下。
09年4月以来の水準に落ち込んだ。
雇用指数も47.4と51.7から低下し16年3月以来の低水準。
業種別では、家具関連、機械、化学製品などの9業種が拡大。
輸送機器、一次金属、電気機器・電化製品・部品など7業種が縮小。
米国一人勝ちの構図が崩れてきた格好だ。
中国で売上高の大半を稼ぎ出す半導体セクターが大幅安い。
SOX指数は1.8%安。
中国経済の減速を背景に8月のマカオのカジノ収入が減少したことが圧迫材料となりカジノ関連が軟調。
737MAX機の認証手続き完了にさらに数週間の時間が必要との見通しからボーイングが2.7%下落。
NYダウを押し下げた。
10年国債利回りは一時1.42%台まで低下。
ユーロ/ドルは一時2年4カ月ぶりの安値を付けたがその後は1.0966ドルとほぼ変わらず。
ECBが来週の理事会で0.20%利下げする確率は80%以上。
欧州株式市場は反落。
ドル円は0.2%安の106.29円。
SKEW指数は3日続伸で115.37。
恐怖と欲望指数は23→26に上昇。
「極端なビビリ」から「ビビリ」となった。
トランプ大統領は「中国との交渉は非常にうまくいっている。
大統領再選以降の妥結はずっと困難になるだろう。
中国のサプライチェーンは崩壊。
企業や雇用、資金が奪われることになる」と遠吠えチックにツイート。
火曜の日経平均は寄り付き39円安、終値4円高と小幅反発で日足陽線。
日中値幅は84円で前場は前日高値まで42円、安値まで42円という面白い値動きとなった。
「下落特異日」という指摘もあったが小幅なプラス。
大引け直前に一時マイナスに沈んだから「魔力」は生きていたのかも知れない。
東証1部の売買代金は11兆3874億円。
昨日よりは約500億円は増えたが今年2番目の超低水準。
業種別で値上がり首位が「証券」、第2位は「海運」。
薄商いや米中貿易戦争激化で世界貿易縮小が懸念されるというのとはアンバランスだった。
マザーズ指数とジャスダック平均は3日続伸。
東証1部の値上がり1485銘柄、値下がり561銘柄。
新高値32銘柄、新安値37銘柄。
騰落レシオは85.40。
「5日線(20578円)と25日線(20707円)に挟まれた状態。
2つの線が接近。
上でも下でもブレークした方向に大きく振れる可能性がある」という声もある。
NTレシオは13,65倍。
25日線からは0.4%、200日線からは2.9%のマイナスかい離。
サイコロは8勝4敗で85.40%。
松井証券信用評価損益率で売り方▲8.671%。
買い方▲12.487%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲2.056%。
買い方▲18.736%。
空売り比率は44.2%で118日連続40%超。
8月30日時点の信用買い残は601億円減の2兆2832億円。
同信用売残は369億円減の9001億円。
日経平均採用銘柄のPERは11.74倍でEPSは1756円と低下。
PBRは1.03倍でBPSは20024円。
シカゴ225先物終値は大証日中比70円安の20590円。
高値20670円、安値20400円。
ただ大証先物夜間取引は20620円。
NY安追随というよりは前日来の小動き展開という見方だ。
ボリンジャーのマイナス1σが20348円、25日線が20707円、プラス1σが21067円。
5日線(20578円)が3日連続でのサポート。
勝手雲の下限が20545円で上限が20951円。
勝手雲の中が3日連続。
一目均衡の雲の下限は21056円。
気学では「初め強いと後安の日。戻り売り方針で駆け引きせよ」。
木曜は「下寄り買い。上寄り売りの日」。
金曜は「安日柄なれど前日来安き時は底入れする」。
昨日は過去28勝28敗で勝率50%。
今日は過去18勝37敗で勝率32,73%。
アノマリーでは「下げの日」だが、ふっとばして欲しいところ。
今月は13日の金曜のメジャーSQ当日が過去36勝19敗で勝率65.45%。
アノマリーというのは偶然の産物なのか必然なのか。
結構深い課題である。
たぶん偶然なのだろう。
ヒジュラの新年アノマリーは10年ぶりに崩れそうな気配。
ハクビシンを見かけたとてそれは個人的な事象で、全体に波及する術もない。
でも、すがりたくなるから不思議なものだ。
株価も同様。
偶然の産物なのか必然なのか。
結局付いた値段が株価であり必然とみなされてしまう。
しかし、誤発注でついた株価も正当な株価。
心理の集積が株価である以上、こちらは必然の可能性大。
難しい問題だ。
大和のレポートは「9月配当落ち予想」。
日経平均で161円、TOPIXで15.5ポイントとの試算。
TOPIXhでは2001年以降の過去最高水準だ。
配当の再投資は日経平均型で1200億円弱、TOPIX型で5400億円。
この結果NT倍率が低下する可能性があるという。
ちなみに・・・。
高配当銘柄のアウトパフォームは2017年は10営業日前から。
2018年は6営業日前から始まったという。
結論は権利付き最終1週間前からが山場。
NYダウは285ドル安の26118ドルと4日ぶりの反落。
NASDAQは88ポイント安の7874ポイントと続落。
S&P500は20ポイント安の2906ポイント。
ダウ輸送株指数は135ポイント安の9991ポイントと10000ポイント割れ。
SOX指数は1.77%の下落。
VIX指数は19.59。
3市場の売買高は67.2億株と増加。(過去20日平均は69.9億株)。
225先物CME円建ては大証日中比70円安の20590円。
ドル建ては大証比65ポイント安の20595ポイント。
大証夜間取引終値は日中比40円安の20620円。
ドル円は106.29円。
10年国債利回りは1.462%。
2年国債利回りは1.454%。
逆イールドは7日ぶりに一応解消。
◇━━━ カタリスト━━━◇
京写(6837)・・・動兆
京写に注目する。
同社は「プリント配線板事業」「実装搬送治具事業」「実装事業」が中核。
片面プリント配線板は世界首位。
現代社会に不可欠な電子機器の主要部品である「プリント配線板」のリーディングカンパニーだ。
コア・コンピタンスである印刷技術を中心とした技術開発力を活かして全社一丸となったグローバルニッチトップメーカーを目指している。
片面板の生産能力は月45万平米で世界最大。
これは月に東京ドーム建築面積約10個分、年間115個分の面積に相当する量だ。
自動車、家電、事務機、映像、アミューズメント、産業機器など製品用途は広い。
今年1月にベトナムに製造子会社を設立。
電子部品の急速な小型化に対応した「0603実装部品対応基板」。
素材が薄くスマホやデジカメで利用が期待される銅インクフィルム基板。
ウェアラブル製品で利用可能なストレッチャブル基板。
これらに期待感がある。
業績は下期回復で復調。
今3月期は増収増益の見通し。
(兜町カタリスト櫻井)
