「常識人と自由人」
水曜のNYダウは6日続伸。
史上最高値にあと260ドルに迫った。
NASDAQも4日ぶりの反発。
S&P500は3000ポイント台復活。
中国が対米報復関税の対象から一部の製品を免除すると発表したことを好感。
アップルが3.2%上昇。
S&P500とNASDAQの上昇をけん引した。
時価総額は1兆ドルを回復。
トランプ大統領は「FRBは政策金利をゼロ%、もしくはこれを下回る水準に引き下げる必要がある」とツイート。
利下げ圧力を掛けた格好だ。
もっとも「日銀とECBが行った実験で、マイナス金利政策には瑕疵があることが確認された。
米国はいかなる代償を払ってもこれを回避する必要がある」という良識的声も聞こえ始めた。
ECBが量的緩和策の導入を遅らせるという報道を背景にユーロ債は売り優勢。
米国債利回りも上昇した。
10年国債利回りは1.7%水準。
ドル円は107.80円近辺での推移。
8月の卸売物価指数(PPI)は総合ベースで前月比プラス0.1%。
市場予想の横ばいに反して上昇した。
「FRBが来週のFOMCで追加利下げを行うという見方に変わりはない」との見方。
恐怖と欲望指数は58に上昇。
水曜の日経平均は寄り付き74円高、大引け205円高と昨年12月以来の7日続伸。
21500円台を回復した。
日足は3日連続陽線。
「米国長期金利の落ち着き。
加えてトランプ大統領が対イラン強硬派のボルトン補佐官を解任。
両国の緊張緩和も期待され東京市場は終始買いが先行」との解釈だ。
TOPIXとJPX400も200日移動平均線を上抜いた。
TOPIXの25日線からのプラスかい離は5.01%。
東証1部の売買代金は2兆7371億円と増加。
バロメータであるみずほFGの売買高も2日続けて2億株直前と復活感となってきた(限界は5億株)。
値上がり1845銘柄、値下がり264銘柄。
新高値69銘柄、新安値9銘柄。
騰落レシオは117.47まで上昇。
市場では「グロース(成長)株からバリュー(割安)株への転換」という声も聞こえる。
しかし実際は貸株の返済がメインなのかも知れない。
NTレシオは13.64倍とTOPIX優勢の展開。
TOPIXが7月5日に付けたけた戻り高値(1592ポイント)を終値で終えられるかが課題となってきた。
日経平均で言えば7月25日高値21823円だ。
25日線(20711円)からは4.3%、200日線(21213円)からは1.8%のプラスかい離。
25日線からのプラスかい離は昨年10月以来の高水準まで拡大。
「走り過ぎ?」という冷静な見方もある。
サイコロは10勝2敗で83.3%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.341%。
買い方▲9.329%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲1.902%。
買い方▲16.858%。
Quick調査の9月6日時点の信用評価損率は▲15.15%。
空売り比率は44.5%で124日連続の40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は9.4%と高い。
前週は▲15.93%だったから2週ぶりに改善。
9月6日時点の裁定買い残は1165億円減の3721億円と4週ぶりの改善。
当限は1333億円減の2923億円。
翌限以降は168億円増の797億円。
同裁定売り残は1282億円増の2兆666億円と8週連続の増加。
当限は924億円増の1兆6522億円。
翌限以降は356億円増の4143億円。
売り残は過去最高を更新。
買い残は東日本大震災翌週のレベルまで低下。
日経HVは14.1、日経VIは16.24。
東証REIT指数は5日ぶりの反落。
日経平均採用銘柄のPERは12.32倍でEPSは1753円と低下。
同PBRは1.08倍でBPSは19997円(前日20181円)と減少。
ドル建て日経平均は200.33と7月24日以来の200ポイント台復活。
シカゴ225先物終値は大証日中比105円高の21665円。
高値21665円、安値21445円。
大証夜間取引終値は日中比100円高の21600円。
一目均衡の雲は黒くねじれているが上限が20966円。
勝手雲は今日白くねじれて急上昇。
昨日時点のボリンジャーのプラス3σが21704円。
ココが課題だろうか。
気学では「押し目にある時は底入れ。急伸することあり」。
金曜は「人気に逆行して動く日」。
7月SQ値21742円に手が届けば更に上が見えてくる。
3月メジャーSQ値21348円、12月メジャーSQ値は21618円。
その先は9月メジャーSQ値23057円。
今年3月月中平均は21414円。
これを上抜けて9月に格好を整えてきた印象だ。
今年14勝19敗と負け越している木曜だが今週も強そうだ。
市場には2種類の人間がいる。
常識人と自由人だ。
常識人は過去の呪縛から離れることは少ない。
「25日線から5%のプラスかい離。ボリンジャーのプラス3σは限界だ。
サイコロの10勝2敗だって滅多にあることではない」。
株価は過去の延長線上にありそのトレンドから脱却することはないと信じている。
どういうわけかこういう弱気の限界説は知的に聞こえるから不思議なもの。
目先的にはともかくとして長い目で見ればあたっていることも多い。
滅多に結論を出さず、ハズレているようで当たっているような雰囲気を醸し出すこともある。
だから恨まれないが話はあまり面白くない。
一方、自由人は荒唐無稽だ。
「2年前は10月にかけて16連騰があった。
今年も可能性はある。
裁定売り残の2兆円は異常だ。
金利が上がっているからこそ株が上昇する」。
過去の因習にはとらわれないで現実を直視する。
誰も持ち出さないような材料で株価の上昇下落をはっきりと予言する。
他人に迎合しないから、当たった時は逆に妬まれる、外れると恨まれる。
どちらの路線が正しいのかの結論はない。
ただ、常識人よりも自由人の方が相場に対する覚悟が多いという気がしないでもない。
日経朝刊スクランブルは「買われる隠れ買収巧者」。
音響機器のヒビノ(2469)をべた褒めしている。
同社株に継続した買い物を入れているファンドのCEOのコメント。
「音響市場は大手の撤退が相次ぐ一方、
メインプレイヤーの非上場の中小企業は経営者の高齢化による事業継承に悩んでいる。
ヒビノはその中で買収で業容を拡大している」。
締めは「投資家にも銘柄発掘の解像度を高め森を見ないで木を見る発想が求められそうだ」。
教訓チックだが間違ってはいない。
明るいのは「鶏卵、4ヶ月ぶり高値」の見出し。
タマゴ価格と株価に因果関係はないが、不思議と株の上昇局面では鶏卵価格上がる。
タマゴが先か、株価が先かは不明だが、不思議な経験則だ。
NYダウは227ドル高の27137ドルと6日続伸。
史上最高値は27398ドル。
サイコロは10勝2敗。
NASDAQは85ポイント高の8169ポイントと4日ぶりの反発。
史上最高値は8339ポイント。
サイコロは6勝6敗。
S&P500は21ポイント高の3000ポイントと続伸。
史上最高値は3027ポイント。
サイコロは8勝4敗。
ダウ輸送株指数は89ポイント高の10761ポイント。
SOX指数は1.46%の上昇。
VIX指数は14.61。
3市場の売買高は75.9億株と減少(過去20日平均は68.5億株)。
225先物CME円建ては大証日中比105円高の21665円。
ドル建ては大証比105ポイント高の21665ポイント。
大証夜間取引終値は日中比100円高の21660円。
ドル円は107.81円。
10年国債利回りは1.745%。
2年国債利回りは1.676%。
◇━━━ カタリスト━━━◇
ETS(1789)・・・動兆
ETSHDに注目する。
同社は送電線、内線工事が主体だが、通信向けも育成。
東北電力向け送電線工事が順調。
東電関連にも期待感。
独自のクラウド型Wi-Fiサービスを展開するナビック社と業務提携。
5G用基地局関連の工事獲得に注力。
茨城県つくば市で国内大手ゼネコンが事業化を予定している営農型太陽光発電所。
ここで国内開発業者から特高変電所および開閉所建設工事を受注。
これを好感。
直近でストップ高2回。
本業の送電線工事の需要は高まろう。
(兜町カタリスト櫻井)
