[概況]
22日の東京外国為替市場は、米ドル円の上値が重かった。
詳しく値動きを見ると、序盤は先週末から続く米国の大幅な利下げ観測の後退を背景に買いが優勢で、高値108.080円まで上昇する。
しかし、中盤以降は上値が重くなり、108円台を維持できなかった。
欧州時間に入った現在は107.800円台を推移している。
米ドル円の上値が重くなった理由は、中国がEUと日本、韓国、インドネシアからの鉄鋼製品輸入に、反ダンピング関税を課すことを表明したからか。
反ダンピング関税とは、輸入商品の不当廉売(市場の健全な競争を阻害するほど不当に安い価格で商品を販売すること)から国内産業を保護するための関税である。
つまり、為替市場は貿易紛争の火種になりかねない中国の決定に、リスク回避姿勢を強めたというわけだ。
さて、この後は目立った材料もなく、米ドル円は動意に欠ける展開だろう。
米ドル円が抵抗となっている108.00円を明確に上抜けるには、米中貿易問題の進展や米利下げ観測の後退といった、新たな材料を待つしかなさそうだ。
[提供:カネツFX証券株式会社]
