22日のNYダウ工業株30種平均は前週末比17ドル70セント高の2万7171ドル90セントと反発で終えた。
今週は主要企業の決算発表が佳境を迎え、業績期待の買いが優勢だった。アナリストの目標株価や投資判断の引き上げなどを受けてアップルや半導体関連株が上昇し、ハイテク株全体に買いが波及した。
今週は24日にフェイスブック、25日にアマゾン・ドット・コム、グーグルの持ち株会社アルファベットと、IT大手の4~6月期決算の発表が相次ぐ。前週までに四半期決算の発表を終えた企業の8割近くで利益が市場予想を上回っており、市場では業績上振れの期待が高まっている。
モルガン・スタンレーが目標株価を引き上げたアップルが2%強上昇した。ゴールドマン・サックスはが投資判断を「買い」に引き上げた半導体のマイクロン・テクノロジーや、半導体製造装置のアプライドマテリアルズも大幅高となった。
これらがハイテク株全体の買いに広がり、フェイスブックやインテルなどの上昇が目立った。
また、ロイター通信は22日、トランプ米大統領がインテルやブロードコムなど半導体大手の首脳らとホワイトハウスで同日面会し、中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する制裁などをめぐり会談すると報道。制裁緩和によるファーウェイとの取引再開への期待から半導体株も買われ、相場全体を支えた。
ただ、上値は重かった。ホルムズ海峡でイランが英タンカーを拿捕(だほ)し、イランと米英の緊張が強まっている。中東情勢への懸念が投資家心理の重荷となった。主要株価指数が過去最高値圏で推移しており、利益確定売りも出やすかった。
2度の墜落事故を起こした主力機「737MAX」の運航再開にめどが立たない航空機のボーイングが安い。ベビーパウダーを巡る訴訟が業績を圧迫するリスクが高まっているとの見方からジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も下げた。両銘柄がダウ平均を押し下げた面もあった。
セクター別では、半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で電気通信サービスや食品・生活必需品小売が下落した。
ナスダック総合株価指数も反発し、同57.648ポイント高の8204.137で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,171.90+17.70
S&P500種
2,985.03+8.42
ナスダック
8,204.137+57.648
NY金(ドル/トロイオンス)
1,426.90+0.20
NY原油(ドル/バレル)
56.22+0.46
円・ドル
107.88 – 107.89+0.02
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前週末比125円高の2万1390円で引け、22日の大取終値を30円上回った。円安進行や米株の反発が買いを支えた。
ただ、イラン情勢の緊迫が上値を抑え、日中の値動き幅は限られた。
この日の9月物高値は2万1415円、安値は2万1270円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21390 ( +30 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21390 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7514.93(+6.23)
FTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前週末の終値に比べ6.23ポイント高の7514.93で引けた。構成銘柄の半数以上は上昇した。
中東情勢の緊迫化を受け原油相場が上昇するなか石油株が買われ、株価指数を押し上げた。ただ、たばこ株の値下がりが上値を抑え、午後には株価指数の上げ幅が縮まった。
個別銘柄では、アナリストが買い推奨した旅行代理店大手トゥイが4.6%高。住宅建設大手パーシモンは2.8%高、英オンライン食品デリバリー大手ジャストイートは2.3%高。前週末に売られた包装のDSスミスはこの日買い戻され、2.7%高と大幅高となった。
英オンライン食品販売オカド・グループは2.1%高、ロシア鉄鋼大手エブラズは2.0%高だった。
半面、外食・ホテル大手ウィットブレッドは4.4%安、投資家へのさらなる資本の還元は計画していないと発表したことが嫌気された。英民放大手ITVは2.9%安、アナリストによる株価目標引き下げなどが材料視され、売られた。
英ガス・電力大手セントリカは2.2%安、減配を予定しているとの一部報道を受けて下がった。アイルランドの複合企業DCCと英小売大手モリソンズは各1.8%安とふるわなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12289.40(+29.33)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前週末と比べて29.33ポイント高の12289.40だった。午後に上げ幅が広がった後、伸び悩んだ。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズが上昇した。米中貿易協議をめぐり、米国の交渉担当者らが来週にも中国を訪問するとの一部報道を受けて、欧州の半導体関連株が買われた。アナリストが株価目標を引き上げたオンライン決済サービスのワイヤーカードも買われた。
一方で、ミュンヘン再保険は、アナリストによる投資判断と株価目標の引き下げが響いて、売られた。ドイツ取引所も下がった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5567.02(+14.68)
