NYダウ333ドル安と続落、FOMC発表を嫌気

7月31日のNYダウ工業株30種平均は前日比333ドル75セント安の2万6864ドル27セントと大幅続落で終えた。
米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で10年半ぶりに利下げを決めた。FRBはこの日終了した金融政策会合で、政策金利の0.25%引き下げを決定。利下げはリーマン・ショック後の2008年12月以来、約10年半ぶりとなる。
 
9月末に終える予定だった米国債などの保有資産を縮小する「量的引き締め」も2カ月前倒しして終えることも決めた。市場の想定の範囲内だったとの受けとめから、結果発表後には材料出尽くしとみた売りが出た。
 
一方で、パウエル議長が会合後の記者会見で、今回の利下げが貿易摩擦などに対する「リスク管理」であり、「長期的な利下げ局面の始まりではない」と発言。議長のタカ派発言を嫌気して売りが加速し、ダウの下げ幅は一時480ドル近くまで達した。議長がその後「利下げが1回とは言っていない」と強調したことで、ダウは下げ幅を縮小した。
 
会見中には「恐怖指数」と呼ばれる変動性指数(VIX)が一時16.55と、前日比で19%近く急上昇した。変動率を参照して自動的に資産配分を決めるリスクパリティ戦略をとるファンドなどの機械的な売りも巻き込んだとみられ、ダウ平均は480ドル近くまで下げ幅を広げる場面があった。
 
相場は買い先行で始まりダウ平均は83ドル高まで上げ幅を広げる場面があった。前日夕に発表した2019年4~6月期決算が3四半期ぶりに増収に転じ、7~9月期の売上高見通しが市場予想を上回ったアップルが買われ、指数を押し上げた。
 
セクター別では、自動車・自動車部品やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で半導体・半導体製造装置や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比98.195ポイント安の8175.419で終了した。フェイスブックやアルファベット、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックスなど主力株が軒並み下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,864.27-333.75
S&P500種
2,980.38-32.80
ナスダック
8,175.419-98.195
NY金(ドル/トロイオンス)
1,437.80-4.00   
NY原油(ドル/バレル)
57.95-0.63
円・ドル
108.72 – 108.73+0.17

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。
9月物は前日比115円安の2万1370円で終え、大阪取引所の終値を180円下回った。
31日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りに0.25%の利下げが決まり、材料出尽くし感から売りが出た。

FOMC後の記者会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が今回の利下げについて「サイクル上の調整」と述べ、年内の追加利下げ観測が後退し売られる場面もあった。
安値は2万1245円、高値は2万1565円。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21370 ( -180 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21375 ( -175 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7586.78(-59.99)
FTSE100種総合株価指数はさえない企業業績を嫌気して続落した。英通貨ポンドの売り一巡も圧迫要因となり、前日の終値に比べ59.99ポイント安の7586.78で引けた。
構成銘柄の8割近くが下落した。午前に下げ幅が広がり、午後も安値圏で推移した。
 
決算発表が相次ぐなか、業績が明暗を分けた。低調な業績を発表した企業銘柄が売られ、株価指数の重荷となった。なかでも金融株の値下がりが株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、保険のセント・ジェームズ・プレイスは5.7%安と銀行のロイズ・バンキング・グループは3.2%安、ともに上期の利益が市場予想を下回り、大幅安だった。英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の可能性が高まり、住宅建設株も売られた。テイラー・ウィンピーは上期の減益なども響いて、8%超下げた。複数のアナリストが株価目標を引き下げた鉱業のフレスニージョも8%安。医薬品株も軟調だった。
 
半面、衣料小売りのネクストは通期の業績見通しを上方修正したことが好感され、約8%値上がりした。害虫駆除のレントキル・イニシャルは5.5%と大幅高。上期の増収・増益が買い材料となった。上期に増収となった外食デリバリーサービスのジャスト・イートも買われた。航空・防衛のBAEシステムズも上期利益が増加したことを受けて上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12189.04(+41.80)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前日と比べて41.80ポイント高の12189.04だった。早朝に発表された6月のドイツ小売売上高指数の伸びが市場予想を上回ったことなどを受けて買われた。
 
個別では、アディダスは3%超上昇した。競合のプーマが通期の売上高と営業利益の見通しをともに引き上げたことが材料視された。ドイツ銀行も買われた。前日に大幅安となった医薬・農薬大手のバイエルはこの日買い戻された。
 
一方で、JPモルガンが投資判断を引き下げた電力のエーオンは下げた。工業用ガスのリンデと透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアも売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5518.90(+7.83)

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