1日午前の日経平均株価は反発し、午前の終値は前日比4円32銭高の2万1525円85銭だった。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受けて米追加利下げ観測が後退し、米株式相場が大きく下落した。株売りの流れは東京株式市場にも波及し、日経平均の下げ幅は200円を超える場面があった。
その後、外国為替市場で1ドル=109円台前半まで円安・ドル高が進行すると、海外投資家が株価指数先物に買いを入れて日経平均は上昇に転じた。
また、米国の長期金利が小幅な下げにとどまったことで、大手銀行株などが強い動きを見せ、TOPIXは朝から底堅い展開となった。日経平均も寄り付き直後こそ下げ幅が大きかったが、その後はドルの対円相場の上昇と足並みをそろえるようにじり高歩調をたどり、プラス圏に浮上した。トヨタやホンダが上げ幅を広げるなど自動車株への買いも相場全体の支えとなっている。
市場関係者は、「業績が事前予想に比べて良かった銘柄が押し目買いや買い戻しなどで朝からしっかりした動きになっており、「市場の地合いは悪くないようだ」という。
売買代金も大引け時点で2兆円を超えそうなペースで推移しており、「海外投資家の買いも入り始めているかもしれない」との声も聞かれた。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1463億円、売買高は6億5342万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は902、値下がりは1104、変わらずは138だった。
業種別株価指数(33業種)は、証券・商品先物取引業、銀行業、その他製品などが上昇した。下落は電気・ガス業、倉庫・運輸関連業、化学など。
個別では、4~6月期決算で業績が回復した野村が急伸した。任天堂が大幅高、村田製作所、武田薬品工業も強い。TDKやソフトバンクグループ(SBG)、トヨタ自動車、ヤマトが高い。
一方、川崎汽船など海運株が安い。資生堂が軟調、コーセーが大幅安。花王も値を下げた。も下落した。バンダイナムコホールディングスが売りに押され、ダイフク、アステラス、エーザイも下落した。日本触媒、東洋製罐グループホールディングスなども安い。
東証2部株価指数は前日比0.05ポイント高の6724.39ポイントと3日続伸した。
出来高は1億0053万株。値上がり銘柄数は150、値下がり銘柄数は212となった。
個別では省電舎ホールディングス、富士ソフトサービスビューロ、ウインテストが一時ストップ高と値を飛ばした。サンテック、プレミアムウォーターホールディングス、山喜、フライトホールディングス、日本精鉱など13銘柄は年初来高値を更新。櫻島埠頭、日本精機、東京コスモス電機、ウェルス・マネジメント、YE DIGITALが買われた。
一方、富士通フロンテック、イクヨ、黒田精工が年初来安値を更新。西菱電機、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、オーナンバ、加地テック、ウィルが売られた。
