NYダウ反発し99ドル高 個人消費の堅調さ

15日のNYダウ工業株30種平均は前日比99ドル97セント(0.4%)高の2万5579ドル39セントで終えた。
 
前日に急落した反動で自律反発狙いの買いが入った。飲料や日用品など業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株の上げが目立った。前日は12年ぶりに10年債利回りが2年債の利回りを下回る「逆イールド」が発生し、景気後退の前兆とされるとあって投資家心理を冷やした。ダウ平均は前日に800ドル安と今年最大の下げ幅となったが、15日は急落の反動から押し目買いが優勢だった。
 
朝発表された7月の米小売売上高は前月比0.7%増と市場予想(ロイター通信調べ)の0.3%増を大幅に上回った。前日の相場は景気後退の予兆とされる「長短金利逆転(逆イールド)」現象の出現でダウの急落を招いたが、GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費の堅調さが確認されたことで、割安感の出た銘柄を買う動きが出た。
 
さらに15日に好決算と業績見通しの引き上げを発表した小売り大手ウォルマートが6%あまり上昇した。ベトナム航空に中型機「787」を納入したと発表した航空機のボーイングも買われ、2銘柄でダウ平均を95ドル程度押し上げた。
飲料のコカ・コーラや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株にも買いが向かった。
米中貿易摩擦や世界景気の減速への懸念から下げる場面もあるなど値動きは不安定だった。
 
ただ、相場の上値は重く、ダウ平均は下げる場面もあった。中国政府が15日、米の対中制裁関税「第4弾」に報復措置を取る方針を示し、米中対立への懸念が強まった。
 
米10年債利回りが午後に一時1.47%まで下げ、米30年物債利回りも1.91%と過去最低を付けた。世界経済の減速懸念を映した金利低下が止まらないことがリスク回避目的の売りにつながった。米株の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は21台と前日からは下げたが、不安心理が高まった状態とされる20を上回って終えた。
 
セクター別では、食品・生活必需品小売や不動産が上昇する一方で耐久消費財・アパレルやテクノロジー・ハード・機器が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、同7.322ポイント安の7766.617で終えた。前日夕に発表した決算が失望されたIT(情報技術)機器のシスコシステムズが9%安となった。半導体株も総じて安い。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,579.39+99.9
S&P500種
2,847.60+7.00
ナスダック
7,766.617-7.322
NY金(ドル/トロイオンス)
1,531.20+3.40
NY原油(ドル/バレル)
54.76+0.29
円・ドル
106.12 – 106.13-0.12
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比190円高の2万0310円で引け、15日の大取終値を70円下回った。
15日発表の7月の米小売売上高が市場予想を上回り、米小売り大手ウォルマートの決算も好調だった。米株が反発し、日経平均先物にも買いが及んだ。
 
ただ、米中貿易摩擦が上値を抑えた。中国政府が15日、トランプ米政権の関税発動には対抗措置を取るとの声明を出した。15日の米国債市場で長期債利回りの低下が続いたことも景気先行き懸念につながった。
 
この日の9月物高値は2万0500円、安値は2万0070円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
20310 ( -70 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
20320 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7067.01(-80.87)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ80.87ポイント安の7067.01と、終値ベースでは2月上旬以来、約6カ月ぶりの安値で引けた。
 
前日の米国株の急落を受け、株価は朝から軟調に推移した。一時は130ポイント近くまで下落する場面もあった。とりわけ配当の権利落ちとなった銘柄の値下げが大きく、相場の重荷になった。原油価格の下落も主力の石油株の売りにつながり、終値の下げ幅はドイツやフランスよりも大きかった。
指数構成銘柄全体の9割近くが下落した。特に資源株や金融株が下げを主導した。
 
個別銘柄では、配当落ちを材料に、指数に与える影響が大きいロシアの鉄鋼大手エブラズと鉱業のアングロ・アメリカンが大幅に下落し、指数の下げを主導した。ともに5%超安で引けた。同様に銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)や英保険大手のフェニックス・グループ・ホールディングスは5.6%安、資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーン4.7%安と下げも目立った。引けにかけてネット食品デリバリーのジャスト・イートが6.0%の大幅安で下落率トップだった。
 
半面、総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズなど、景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄の公益株は上昇した。たばこ株や酒類のディアジオ、食品・日用品のユニリーバなど多国籍企業にも買いが入った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
CAC40 5236.93(-14.37
ドイツ株式指数(DAX)は続落。終値は前日と比べて79.99ポイント安の11412.67と、前日に続き5カ月ぶりの安値水準だった。
世界景気の後退を懸念した売りが続き、午前には一時2%近く下落する局面があった。ただ午後に入り、米株式市場での株価上昇が欧州市場にも波及し、ドイツ株は下げ幅を縮小した。
 
個別では、航空のルフトハンザが大幅に下がったほか、タイヤのコンチネンタルや自動車関連株の売りが目立った。金利低下による利ざや悪化が意識されドイツ銀行も安かった。一方、日用品のバイヤースドルフやドイツテレコムが上昇した。
 

■フランス・パリ株価指数
DAX 11412.67(-79.99)

 

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