NYダウ3日続落し10ドル安、米中首脳会談控え様子見

27日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続落した。前日比10ドル24セント安の2万6526ドル58セントで終えた。
 
20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に合わせて29日に予定される米中首脳会談の開催が近づく中、その結果を見極めたいとの投資家が多く、積極的な商いは手控えられた。
香港紙は27日、消息筋の話として、米中両政府が貿易戦争の「一時休戦」で暫定合意したと報道。トランプ大統領は、習近平国家主席が首脳会談に応じた見返りとして、中国からの全輸入品に追加関税を課す「制裁第4弾」の発動延期を決めたと伝わり、米株式市場では米中対立の緩和期待から朝方のダウは小高く始まった。ダウ平均は70ドルあまり上げる場面もあった。その後はじりじり伸び悩み、引け間際に下げに転じた。
 
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは27日、「中国は華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置や、制裁関税の解除を主張している」と報じた。米中が要求を通そうとして溝が埋まらない可能性もある。「会談の結果を見極めるまでは取引を見送りたい」、買いの勢いは限られた。
 
航空機大手ボーイングが大幅に下落し、1銘柄でダウ平均を70ドルあまり押し下げた。2度の墜落事故を起こした主力機「737MAX」に新たな不具合が見つかり、運航停止の期間が長引くとの懸念が強まった。
 
週末の米中首脳会談を控え様子ムードが強く、相場の方向感が定まらなかった。墜落事故を起こした主力機に新たな不具合が見つかった航空機のボーイングが大幅に下げ、ダウ平均の重荷となった。
 
セクター別では、自動車・自動車部品や商業・専門サービスが上昇する一方でエネルギーやテクノロジー・ハード・機器が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比57.788ポイント高の7967.759で終了した。フェイスブックやアマゾン・ドット・コムなど主力株の一角が上昇した。前日に大きく上げたマイクロン・テクノロジーやエヌビディアなど半導体株への買いも続いた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,526.58-10.24
S&P500種
2,924.92+11.14
ナスダック
7,967.759+57.788
NY金(ドル/トロイオンス)
1,412.00-3.40   
NY原油(ドル/バレル)
59.28-0.15
円・ドル
107.80 – 107.81-0.24

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続伸した。
9月物は前日比110円高の2万1210円で引け、27日の大取終値を50円下回った。
29日の米中首脳会談を控え、米中貿易協議の進展期待が強まり日経平均先物は買いが優勢になった。
香港紙が27日、米中貿易戦争の停戦合意を報じた。
ただ、同会談の行方を見極めたいと取引に慎重な向きが多く、動意薄の展開になった。
 
この日の9月物高値は2万1300円、安値は2万1075円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21210 ( -50 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21220 ( -40 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7402.33(-14.06)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ14.06ポイント安の7402.33で引けた。ただ、構成銘柄の半数以上は上昇した。石油株の値下がりが株価指数を押し下げた。20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)を前に、米中貿易摩擦の行方を見極めようと、様子見ムードが続いていた。
 
個別銘柄では、資源商社のグレンコアは4%超下がった。オンライン不動産のライトムーブも大幅安。UBSが投資判断を引き下げたことなどが響いた。配当権利落ちで、ブリティッシュ・アメリカン・タバコと不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドの値下がりも目立った。
 
半面、金融株は買われた。新たな最高経営責任者(CEO)を指名した小売りのキングフィッシャーは4%超上昇した。英オンライン食品販売オカド・グループは2.6%高、旅行代理店大手トゥイは2.4%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12271.03(+25.71)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて25.71ポイント(0.21%)高の12271.03だった。
20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)を前に、米中貿易協議の行方が懸念され、欧州各国市場とも神経質な展開となった。
米中両国が貿易戦争の暫定的な停戦で合意したと伝わり、協議が進展するとの期待から、欧州各国株式相場は上昇して始まった。ただ、中国が米国に対し華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置などを主張しているとの米紙の報道をきっかけに、各国そろって急速に売り圧力が強まり、下落に転じる場面もあった。
 
個別では、バイエルが8%超上がった。同社が26日に農薬の裁判対策強化のため、特別監査委員会を設置し、新たに弁護士を雇ったと発表したことなどが好感された。鉄鋼のティッセン・クルップは前日に引き続き、買いが広がった。
一方で、アディダスと工業用ガスのリンデは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5493.61(-7.11)
フランスの株価指数CAC40は小幅安で引けた。
 

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