[概況]
上昇は一時的だったのか。3日の欧米為替市場はリスク回避姿勢が優勢で、米ドル円が下落した。リスク回避の理由は、米国と欧州の貿易対立の懸念だ。具体的には、欧州航空機大手エアバスに対するEUの補助金が、米国内産業に打撃を与えていることへの報復策として、米通商代表部(USTR)がEUからの輸入品40億ドル分を、新たに追加関税の検討対象として発表したことである。
この報道は、一昨日伝わったのだが、昨夜の為替市場で蒸し返されてしまったようだ。米ドル円の値動きを追うと、下落が始まったのはNY時間がスタートした辺りからだった。節目108.00円で多少抵抗はあったが一時的で、安値107.685まで勢いを止めず下落した。終盤も買戻しは鈍く107.915円で取引を終了する。
さて、米ドル円は昨夜の下落で20日移動平均線や節目108.00円を下抜けてしまい、戻り基調が減速している印象だ。本日は、108.00円をひとまず回復できるかに注目したい。
[提供:カネツFX証券株式会社]
