「流動性」

「流動性」
 
シミュレーションというのはさまざま。
相場感覚を磨くには「50億円とか100億円のオーダーをさばく」というシミュレーションが役立つかも知れない。
個人投資家さんで億円単位のトレードをすることは滅多にないだろう。
しかし、市場を左右するような機関投資家のトレードは億円単位。
30億円のバスケットなど日々のトレードだ。
だったら、そういう人種がどういう視点で株価の形成を眺めるのかを知ることは悪くはない。
 
ただ・・・。
やってみると、これは結構な大仕事。
鉄やみずほならいざ知らず中小型株を50億円とは言わず10億円買うシミュレーションは結構疲れるものだ。
まず1日では終わらない。
そういうスキルを持ちつつトレードをしている連中と戦うには、このことを知っているかどうかは重要だ。
板を読みながら、板の向こうにいる敵を想像しながらの商いというかトレード。
「リクイディティ=流動性」を気にし始めると一歩前進という気がする。
100株1000株の世界とはまた違った風景が見えてくるに違いない。
 
市場はヒーローを追いかけがちな場所。
しかし重要なのは「ヒーローを追いかけること」ではない。
「次のヒーローを想像すること」。
そして「ヒーローのリバイバルのタイミングを図ること」だ。
かつて投資顧問の広告で「銘柄相談」あるいは「銘柄診断」というのがあった。
直前に動いていた銘柄の相談にのるというのである。
ココから推理できるのは「動いていた銘柄」について悩みを抱えている投資家さんが多かったということ。
誰も見向きしない銘柄では相談は来ないのだろう。
動いていてシコっていたからこそ相談があり投資顧問さんの商売に結びついたと考えられる。
 
つまり・・・。
今のヒーローを追いかけるのは結構危ないということ。
次のヒーローを想像するのは難しいことだがその方が精神衛生上は良いだろう。
あるいは「ヒーローが倒れたあとのリバイバルにタイミングを図ること」。
一度上がった銘柄は、多くの人の目に触れているし材料も理解されやすい。
だから復活の時を待つという姿勢もアリだろう。
「人の行く道の裏」というのは暗くて寂しいが「人の行く道のトナリ」なら気が楽だ。

(櫻井)

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