10日前引けの日経平均株価は続伸した。前週末比226円67銭高の2万1111円38銭で取引を終了した。取引時間中に5月29日以来、約2週間ぶりに2万1000円台に乗せた。
前週末の米国株市場で、FRBの利下げが観測されたことからNYダウが260ドル強上昇し、5日続伸と上げ足を強めている。
これを受けて主力株中心に買いが優勢となり、電機や化学セクターなどが買われ全体相場を牽引した。米国の対メキシコ関税見送りで自動車株も高かった。
中国・上海株や香港株などアジア株市場が総じて高いこともあり投資家心理を改善させている。
ただ、上値も重かった。
9日閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では世界経済の下振れに対し、「さらなる行動をとる用意がある」と共同声明に明記した。
このことからマイナス金利のさらなる低下を警戒され、銀行株が冴えない値動きとなった。
秋の消費増税の実施も固まり、小売株にも戻り待ちの売りがみられた。
市場からは「米利下げ観測が高まるなか為替相場が落ち着き、米国の対メキシコ関税見送りがプラス作用した。ただ、円高への警戒感はあり、先物の買い戻しが一巡すれば、その上を買う投資家はいないのではないか。水準的には商いをこなしたレベルであり、戻り売りが出てくる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は15.86ポイント高の1548.25だった。JPX日経インデックス400も上昇した。
東証1部の売買代金は概算で8347億円、売買高は5億1967万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1652銘柄、値下がり382銘柄、変わらず105銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では、繊維製品、石油・石炭製品、電気機器の上昇が目立った。下落は銀行業の1業種のみ。
個別では、ソフトバンクグループが売買代金トップで高く、任天堂も大商いで上昇した。ファストリ、ソニーなども高い。日本通信は物色人気加速で値上がり率トップとなった。マツダやトヨタ自動車が買われたほか、日立は年初来高値を更新した。電気興業が上昇し、ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングスも人気となった。
半面、KDDIが冴えず、NTTドコモ、ソフトバンクもやや売り優勢。エイチ・アイ・エスが売られた。シュッピン、アイモバイルも安い。千葉銀や三菱UFJが軟調だった。HISは大幅安となった。
東証2部株価指数は反落した。前週末比47.73ポイント安の6549.72ポイントだった。
出来高2869万株。値上がり銘柄数は282、値下がり銘柄数は111となった。
個別では、クレアホールディングス、ブルボン、ボーソー油脂、旭松食品、児玉化学工業など7銘柄が年初来安値を更新した。イトーヨーギョー、ストリーム、ファーマフーズ、ミロク、イムラ封筒が売られた。
一方、アイルが一時ストップ高となった。スリープログループ、サトウ食品工業、キーウェアソリューションズ、ベルテクスコーポレーションなど5銘柄は年初来高値を更新した。アマテイ、アクロディア、インタートレード、ナルミヤ・インターナショナル、イクヨが買われた。
