NYダウ43ドル安、半導体、金融株が安い

 
12日のNYダウ工業株30種平均は、前日比43ドル68セント安の2万6004ドル83セントと続落で終えた。
 
12日のNY原油先物相場は急落した。米エネルギー情報局(EIA)が同日発表した週報で、原油在庫が市場予想に反して大幅な積み増しとなり、供給過剰懸念が強まった。株式市場ではエクソンモービルやシェブロンなどエネルギー関連株に売りがでた。
また、半導体関連株など個別に売り材料が出た銘柄が下げ、ゴールドマン・サックスなど金融株の下落も相場の重荷となった。米利下げ観測が強まったため、相場全体の下値は限られた。
 
エバコアISIが半導体メモリーの需給改善が遅れると指摘し、半導体製造装置のラムリサーチやメモリー大手のマイクロン・テクノロジー、ウエスタンデジタルが大幅に下げた。ダウ平均構成銘柄のインテルも相場を下押しした。
 
前日にニューヨークで開かれた金融業界の会合で、シティグループやモルガン・スタンレーなどが4~6月期のトレーディング収入が低迷したと明らかにした。金融株が軒並み下げたことも相場の重荷だった。
 
米中の貿易摩擦が長期化するとの警戒感もくすぶったままだった。トランプ米大統領が11日、中国が最大5つの「重要な点」に合意しない限り中国との貿易協定の締結には関心がないとの考えを示した。航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど中国事業の比率の高い銘柄の一角が売られた。
 
一方、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げするとの観測が強まったのが相場の支えになった。米労働省が発表した5月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比1.8%と前月から0.2ポイント縮小し、1.9%程度の市場予想も下回った。物価上昇圧力の鈍化でFRBが利下げしやすくなるとの見方が広がった。
 
セクター別では、公益事業や医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で半導体・半導体製造装置やエネルギーが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は、29.846ポイント安の7792.720で終えた。半導体関連株に加え、プライバシーを巡る問題が深刻化するとの懸念からフェイスブックが大幅に下落した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,004.83-43.68
S&P500種
2,879.84-5.88
ナスダック
7,792.720-29.846
NY金(ドル/トロイオンス)
1,336.80+5.60   
NY原油(ドル/バレル)
51.05-0.09
円・ドル
108.47 – 108.48+0.16

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は8営業日ぶりに下げた。
6月物は前日比155円安の2万1035円で引け、12日の大取終値を85円下回った。
米中貿易摩擦の先行き警戒感が根強く、米株とともに売りが優勢になった。先週から上げが続いた反動で利益確定の売りも出やすかった。
12日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)はインフレ沈静を示したと受け止められ、早期の利下げ期待から買いが入る場面もあった。
 
この日の6月物安値は2万1025円、高値は2万1255円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21035 ( -85 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21045 ( -75 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7367.62(-30.83)
FTSE100種総合株価指数は8営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ30.83ポイント安の7367.62で引けた。7連騰の後で利益確定売りが出やすい地合いだったことも重なった。構成銘柄の約6割が下落した。
米中貿易摩擦に対する懸念から、欧州各国株式相場とともに、英国も売りが広がった。時価総額の大きい石油とたばこ株の値下がりが株価指数の下落に大きく影響した。
 
個別銘柄では、ブリティッシュ・アメリカン・タバコは、新製品について売り上げの伸びの見通しが市場予想を下回ったことが嫌気され、4%超下がった。原油相場の下落が響いて、石油株も売られた。BPは3%近く下落した。スタンダードチャータード銀行とHSBCホールディングスも軟調だった。香港での「逃亡犯条例」改正案に対するデモにより、両行が一部支店の営業を停止するなどの影響がでた。自動車売買ウェブサイトを運営するオート・トレーダー・グループも、アナリストが投資判断を引き下げたことが嫌気され下がった。
 
半面、米ペプシコの経営幹部を新最高経営責任者(CEO)として迎えると発表した日用品のレキットベンキーザーは午前に売られたが、その後買い戻され4%超の上昇。金価格の上昇を背景に、関連のフレスニージョは2.2%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12115.68(-40.13)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて40.13ポイント安の12115.68だった。
米中貿易摩擦が懸念され、欧州各国株式相場が下落した。
 
個別銘柄では、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアと医療機器のフレゼニウス、ハイデルベルクセメントの値下がりが目立った。消費財のヘンケルと日用品のバイヤースドルフは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5374.92(-33.53)

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