NYダウ122ドル安と続落、利下げ期待後退を嫌気

2日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比122ドル35セント安の2万6307ドル79セントで終えた。

2日のNY原油先物相場は、米国産標準油種WTIが前日比1.79ドル(2.81%)安の1バレル=61.81ドルに大幅続落。1日公表された米エネルギー情報局(EIA)の週報で、原油在庫が2017年9月以来の高水準に達したことから、供給過剰懸念が高まって売りが続いた。米株式市場ではエクソンモービルなどエネルギー関連に売りが広がった。

また、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を受け、米利下げ観測が後退した。株式市場への資金流入が細るとの見方からハイテク株など幅広い銘柄に売りが出た。

パウエルFRB議長は記者会見で足元の低インフレは「一時的」と指摘し、利下げ観測を否定した。金融緩和期待が相場上昇を支えていたため「ひとまず持ち高調整の売りが出た」という。ダウ平均は一時250ドル近く下落した。

債券市場では米長期金利が上昇し、年初から大幅に上げてきたハイテク銘柄に割高感が意識された。マイクロソフトやアップル、アマゾン・ドット・コムなど主力株が総じて下落した。

米中貿易交渉の不透明感が売りを誘ったとの指摘もあった。米中政府は1日に北京での閣僚級協議を終え、8日からはワシントンで交渉を再開する。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが1日夕、「米国の要求する包括的な合意に至らない可能性がある」と報じ、警戒感が出たという。

セクター別では、半導体・半導体製造装置や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方でエネルギーや自動車・自動車部品が下落した。

ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比12.868ポイント安の8036.772で終了した。主力銘柄の下げが指数を押し下げた。

NYダウ工業株30種(ドル)
26,307.79 -122.35 
S&P500種
2,917.52-6.21
ナスダック
8,036.772-12.868
NY金(ドル/トロイオンス)
1,272.00 -12.20
NY原油(ドル/バレル)
61.79-0.02 
円・ドル
111.42 – 111.43-0.08

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅反発した。
6月物は前日比75円高の2万2275円で引け、26日の大取終値を25円上回った。
朝高で始まった後、米株につれ安し伸び悩んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の1日の発言を受け利下げ観測が薄れ、相場の上値を抑えた。
この日の6月物高値は2万2365円、安値は2万2155円。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22275 ( +25 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22295 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日の終値に比べ33.95ポイント安の7351.31で引けた。
FT指数は安寄り後に序盤で切り返したが、その後ジリ安に転じ、この日の安値圏で引けた。一時7339.45と、4月2日以来1カ月ぶり安値を付けた。構成銘柄の約7割が下落した。
個別銘柄では、ロシアの鉄鋼大手エブラズは3%安と目立った。ブックメーカー(賭け屋)のパディパワー・ベットフェアは5%超下がった。同社は通期の利益見通しを自社予想の水準に据え置いた。出版のRELXは、配当権利落ちで売られた。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスは前日に引き続き大幅安となった。

半面、時価総額の大きい石油のロイヤル・ダッチ・シェルは、第1四半期の利益が市場予想を上回ったことが好感され買われ、株価指数の下値を支えた。医療機器のスミス・アンド・ネフューは通期売上高の伸びがこれまでの予想の上限に達する見込みだと発表し、大幅高となった。飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングは第1四半期の売上高が増加したと発表し、上昇した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて1.34ポイント(0.01%)高の12345.42だった。1日はメーデーの祝日で休場だった。

個別銘柄では、医薬・農薬大手のバイエルは3%超上がった。米環境保護当局が除草剤の主成分であるグリホサートは発がん性物質ではないと改めて示した。バイエルは傘下の米モンサントが同成分を使った除草剤をめぐる訴訟問題を抱えている。自動車のフォルクスワーゲンも大幅高となった。第1四半期の利益は減少したが、市場予想とほぼ同水準だった。
一方で、ミュンヘン再保険は4%超の下落と目立った。

 

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