8日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反発し、前日比2ドル24セント高の2万5967ドル33セントで終えた。
米中両政府は9日から2日間、ワシントンで閣僚級貿易協議を開催する見通し。株価は序盤、プラス圏とマイナス圏を行き来した後、中盤以降は買いが優勢となった。
前日に売りが目立ったボーイングなど、中国売上高比率が高い銘柄が買われた。
8日夕に決算発表を控えた映画・娯楽のウォルト・ディズニーには好業績を期待した先回りの買いが入り、ダウ平均を押し上げた。原油先物相場の上昇を受け、石油のエクソンモービルも買われた。
ダウ平均は一時153ドル高まで上昇した。前日までの2日間で540ドル近く下落した後で押し目買いも入りやすかった。
ただ、協議を巡る不透明感はくすぶったままで、引けにかけて伸び悩んだ。
米通商代表部(USTR)は8日、中国製品に対する制裁関税を10日に現在の10%から25%に引き上げると官報で正式に通知した。中国も対抗措置を取る方針を表明した。交渉の行方は予断を許さず、取引終了にかけて持ち高を手じまう売りに押された。
セクター別では、公益事業以外の10セクターが上昇。ヘルスケアや不動産などのディフェンシブ銘柄が比較的買われた一方、貿易摩擦の影響を大きく受ける製造業やハイテク株の伸びは限定的だった。
ナスダック総合株価指数は3日続落し、20.437ポイント安の7943.319と4月9日以来の安値で終えた。アルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コムなど主力株が下落し、指数の重荷となった。投資家向け会合で慎重な業績見通しを示したと伝わったインテルが売られたのも重荷だった。
S&P500種株価指数も3日続落して終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,967.33+2.24
S&P500種
2,879.42-4.63
ナスダック
7,943.319-20.437
NY金(ドル/トロイオンス)
1,281.40-4.20
NY原油(ドル/バレル)
62.02-0.10
円・ドル
110.05 – 110.06-0.08
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3日続落した。
6月物は前日比125円安の2万1525円で引けた。9日にワシントンで開く米中貿易協議への警戒感が強く、円が買われて日本株の重荷になった。
米中貿易協議の合意期待から日経平均先物は米株とともに買いが優勢になる場面もあったが、買いは続かなかった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21525 ( -55 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21545 ( -35 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7271.00(+10.53)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ10.53ポイント高の7271.0で引けた。
午前中は米中貿易摩擦の激化懸念を背景とした世界的な株安の流れを引き継ぎ、マイナス圏で推移。しかし、午後に入って米国株の寄り付きの底堅さを眺めて切り返した。
指数構成銘柄全体の約半分が上昇した。石油株などが買われた一方、旅行関連株は売られた。
個別では、石油のロイヤル・ダッチ・シェルの上げが大きくなった。A株(1.6%高)、B株(1.7%高)ともに堅調だった。医薬品のアストラゼネカの上昇も目立った。同社と第一三共は開発中の乳がんの治療薬について、臨床試験で良好な結果が出たと発表した。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスと、情報・出版のインフォーマはともに大幅高となった。
半面、たばこ株は売られた。インペリアル・ブランズは6%超下がった。上期の売上高が市場予想の水準にとどまったことなどが材料視された。メディアのITVは、政治と経済の先行き不透明感から広告需要が低迷し第1四半期の売上高が減少したことから、約6%下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12179.93(+87.19)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前日と比べて87.19ポイント高の12179.93だった。一時は下がる場面もあったが、午後に上昇に転じ、徐々に上げ幅が広がった。
個別では、オンライン決済サービスのワイヤーカードは2019年の利益見通しを引き上げたことを受けて、5%近く上昇した。重電のシーメンスは4%超上がった。8日に発表した1~3月期の利益が市場予想を上回ったことが好感された。
一方、航空のルフトハンザは4%超の下落。アナリストが株価目標を引き下げたことなどが響いた。アナリストが投資判断を引き下げた半導体のインフィニオンテクノロジーズも下がった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5417.59(+21.84)
