「アノマリー」
前場の日経平均は300円以上の下落。
それでも「配当の再投資が入っているから下値はそれなりにしっかり」とのコメント。
300円下げてもシッカリなら、シッカリでなければいくら下げているのだろう。
下げた日には細かいことが気になる。
昨日頂戴したメールにあった言葉。
「ある解説者のコメントは『バイオは恐い』。
そうか。それなら何がいいんだ。
何が安心なんだ
安心できる銘柄なんかないぞ」。
これもその通りだと思う。
今年は「節分天井彼岸底」ではなかった。
昨年は多少そのトレンド。
一昨年は違った。
アノマリーなんて所詮いい加減なものだし時の進化によって移ろうもの。
それでも都市伝説みたいに市場の心を惹きつけるものだ。
ということで4月のアノマリーは・・・。
2006年以降NYダウは13年連続上昇。
1990年以降の28年間、2008年以降の10年間では11月と12月と4月が「上げの特異月」。
4月の勝率は12月に次ぐ2位、バブル崩壊後では3位、リーマンショック後では同率2位です。
上げ相場でも下げ相場でも4月は強い月。
マザーズ指数も同様に4月は高い傾向がある。
4月は機関投資家の新規ポジションが開始。
海外投資家は買い越し傾向。
初旬と下旬に株価が上がる傾向。
中盤に一旦下げることが多い。
4月15日が米国の確定申告期限のため、損益通算の株売が多い。
しかし還付金の再投資がその後にやってくる。
TOPIX組み込みの大型セクター優勢。
「春の陽気に浮かれて、手放す時期を見失わないように」という声。
「鯉のぼりが見えたら売り」という格言。
医薬品、医療関連は「春や秋の学会シーズンに株価が上昇する」。
4月の円安。:GWで海外旅行者が増えるため、旅行先の通貨へ両替する動きが増える。
その先のGW10連休。
以下はそれぞれの日の勝率。
4月22日騰落確率54.72%
4月23日騰落確率56.36%
4月24日騰落確率52.73%
4月25日騰落確率53.57%
4月26日騰落確率58.18%。
4月27日休場
4月28日休場
4月29日 天皇誕生日の休場
4月30日 騰落確率51.06%
5月1日騰落確率74.55%
5月2日騰落確率 69.64%
5月3日休場
5月4日騰落確率76.67%
5月5日休場
5月6日騰落確率41.86%
5月7日騰落確率47.27%
5月8日騰落確率52.73%
5月9日騰落確率40.00%
5月10日騰落確率51.85%
因みに・・・。
日経平均のスタートは1950年9月の「東証修正平均株価」
1971年7月に「NSB225種修正平均」を開始。
1975年5月に「日経ダウ平均」算出開始。
1985年5月「日経平均株価」に名称変更。同時に1分ごとの算出開始。
2010年1月15秒ごとの算出開始。
2017年1月1秒ごとの算出開始。
「東証1株から取引可能」という見出し。
東証は株式を実質的に1株から取引できる制度の導入を検討している。
海外株を日本株のように扱う「日本預託証券(JDR)」の仕組みを活用するという。
フィンテックの台頭で小口投資サービスが増加。
「少額でも投資できる制度を整えて投資初心者の受け皿にする」というのが大義だ。
対象となる銘柄の選定を進め早ければ2020年の導入を目指すという。
建前上も理論上も間違ってはいないだろう。
実務的にも可能だ。
20年ほど前にネット証券の企画担だったときに「プチ株」なんてものも登場させたことがある。
しかし・・・。
「500円投資して1000円になったら嬉しいか」という質問に「YES」という若者は多いのだろうか。
例えは悪いが競馬の複勝馬券を100円買う人もいないではない。
それが180円になったら悲しくはないだろうが、嬉しいかというとどうなのだろう。
参加していることは楽しいに違いない。
でも「欲望のるつぼ」だということは打ち消さなくてはならないのだろう。
そもそも・・・。
「投資対象として『ふさわしい』実績のある企業」というのも理解しにくい。
良い銘柄とは「儲かる銘柄」というのを超越すると、学者の意見になってくる。
そう考えると「優良株」って何なのだろう。
コンプラが十分聞いてガバナンス体制が整っていて、女性役員が多く、ROEが2ケタ。
しかも英文のHPが完全に整備されていること。
それって面白いか?と言われると「さて」。
昭和の時代の証券マンにはなかなか学習しにくいところでもある。
時代が進むのは自明だが・・・。
やはり価値観も変化せざるを得ないのだろう。
売買の7割が外国人投資家というのが主因でもあろうか。
日本の個人マネーが株式市場を好まないのだから、致し方ないとも言えよう。
「一番多い参加者に一番の便利さを」は否定されることではなく。
だったら昔のように海外投資家からはジャンク扱いされ「投資不適格市場」。
だから国内マネーで市場は動くという時代があっても良いのだろうが・・・。
90歳近い証券会社時代の先輩氏の言葉がよみがえる。
「最近、新聞の訃報を見ると多くが年下。
生きていることが妖怪みたいなものだ」。
今年になってから昨日までの曜日別勝敗。
依然として月曜高木曜安の傾向は続いている。
月曜:9勝2敗
火曜:7勝6敗
水曜:7勝6敗
木曜:2勝8敗(唯一負け越し)
金曜:7勝5敗
こんな時は破滅博士のルービニ教授の最大ネガティブ論でも見ておけば良いかもしれない。
ルービに教授が登場すると株価は上昇するというのもアノマリー。
ある意味逆療法だ。
(1)米財政刺激策の効果は2020年までに終了。
フィスカル・ドラッグ(財政障害、財政的歯止め)が効き始める。
(2)財政刺激策のタイミングがおかしかったため、インフレによりFRBの利上げが進行。
ドルも上昇する。他の経済でもインフレが上昇し、金融政策正常化に傾く。
(3)トランプ政権が仕掛ける貿易摩擦がエスカレートし、成長鈍化とインフレ上昇をもたらす。
(4)政権の他の政策もスタグフレーション圧力を及ぼし、FRBに利上げを強いる。
(5)米国以外の経済も減速する可能性が高い。
(6)欧州経済も金融引き締めや貿易摩擦等により減速する。
(7)米国を始めとして世界の資産価格は高水準。
さらに新興国と一部先進国ではレバレッジが過大になっている。
(8)一度調整が始まると流動性不足と投げ売りが加速する。
(9)2020年の大統領選のため、トランプ大統領はイラン攻撃を強める。
これがオイル・ショックのようなスタグフレーション圧力となる。
(10)経済に問題が起こっても、金融・財政政策はすでに伸びきっており、対処の余地は大きくない。
結論は不吉な予言
「パーフェクト・ストーム」が来ても、債務過剰の財政に刺激策の余地は少ない。
金融の利下げの余地も、天井が低いので、次の危機は、リーマンよりも過酷で長引く」
(櫻井)
