「お願いだから木曜日、明日は新月、鬼宿日、清明節だ」
水曜のNY株式市場は小幅上昇。
米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長が「米中通商協議が進展している。
両国とも週内に合意に近づくことを望んでいる」とコメント。
中国依存度の高い半導体セクターが上昇。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は一時3%高と過去最高値を更新した。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が8.5%高でS&P500種で上昇率トップ。
インテルは2.1%高。
ボーイングは1.5%安でNYダウの上値を抑えた。
ISM非製造業総合指数は56.1。
2017年8月以来の低水準を更新。
ADP民間雇用者数は12.9万人増と市場予想の17万人増を下回って着地。
1年半ぶりの低い伸びとなった。
「行きつ戻りつする通商協議への期待とさえない経済指標の厳しい現実とのせめぎ合い」という解釈だ。
10年国債利回りは2.5%台。
欧州の一部経済指標が予想を上回ったことで独10年債利回りがプラス圏を回復。
ドル円は111円台半ばでの推移。
英サン紙はメイ英首相が来週の臨時EU首脳会議で中断条項付きで9カ月の離脱延期を要請へと報じている。
水曜の日経平均は寄り付き58円高、大引け207円高と反発。
英FTの「今日からワシントンで開催される米中閣僚級協議で両国の合意が近づいている」の報道を好感。
中国財新非製造業購買担当者景気指数(PMI)の前月比大幅上昇での着地も好材料視された。
JPが消費増税実現の可能性低下のレポートを出したのも効いたかも知れない。
今年の水曜は前場高値を後場に更新する傾向が顕著だ。
ほぼ上ヒゲのない日足陽線は美しい。
これで今年の水曜は8勝6敗。
東証1部の売買代金は2兆4166億円。
値上がり1480銘柄、値下がり588銘柄。
新高値137銘柄、新安値44銘柄。
騰落レシオは101.47に上昇。
25日線からは0.4%のプラスかい離。
200日線からは1.0%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.204%。
買い方▲10.131%。
ようやく逆転してきて気勢があがる局面。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲9.397%。
買い方▲18.121%。
Quick調査の3月29日時点の信用評価損率は▲13.36%と3週ぶりに悪化。
空売り比率は43.7%で20日連続40%超。
3月29日時点の裁定買い残は759億円増の1兆4429億円。5週連続増加。
同裁定売り残は231億円増の9572億円。2週ぶりの増加。
日経HVは19.5、日経VIは16.24。
プットコールレシオは1.73倍と1月10日以来のコール優位の水準となった。
日経平均のPERは12.56倍でEPSは1728円。
PER13倍で22464円、14倍で24192円、15倍で25920円だ。
PBRは1.14倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比40円高の21760円。
高値21830円、安値21480円。
大証夜間取引終値は日中比40円高の21760円。
10月2日高値と12月26日安値の半値戻し(21698円)をクリア。
24ヶ月線21650円もクリアした。
4月2日高値21744円を抜ければ次のターゲットは3月4日の21860円。
週足のボリンジャーのプラス2σが21979円。
日足のボリンジャーのプラス2σが21883円。
勝手雲は今日白くなるが明日黒くねじれる。
その先は12日に白くねじれており目まぐるしい。
気学では「前日が高い時にはこの日反落する」。
金曜は「変化注意日にして不時安を見ることあり」。
今年3度目の22000円トライの条件は整った。
課題は今年2勝9敗と唯一負け越している木曜日。
特に後場の失速への懸念は残る木曜日。
明日になれば「新月、鬼宿日、清明節」だ。
36ページに減ったままの日経朝刊で目についた記事。
一つは「キャッシュレス、米で反発拡大の見出し」。
クレジットカードを持たない低所得者層を排除しかねないという懸念が台頭しているという。
アメリカでは年間所得25000ドル未満の低所得世帯での現金支払い比率は47%。
12万5000ドル以上の高所得世帯の2倍近い数字だという。
銀行口座を持たない世帯は6.5%。
デビッドカードでさえ銀行口座が必要だから確かに困る人はいる。
プリペイドカードならば銀行はいらないが、前もって入金できる余裕があるかどうかは微妙。
東京でもスイカに1000円づつ入金する姿をよく見かけるものだ。
「キャッシュレスは経済の最下層の人々を除外する」の声だ。
「災害時などに現金が使えないと困る」という声はわかる。
キャッシュレスは効率化に必須という見方もわかる。
この新旧の対立はいずれ日本にも訪れ、野党などが騒ぎ始めるに違いない。
「やはり」と思ったのは「ビットコイン売買95%偽装」の記事。
取引が活発と見せかけるために自社アカウントでの売買の反復が横行しているのではないかとの疑問。
米ビッドワイズの日時取引量は約60億ドル。
しかしこのうち顧客の委託分は2.73億ドル。
95%の水増しだったという。
FXの世界でもトルコリラのスワップポイントが業者によって大きくことなる事例が昨日報じられていた。
昨年の店頭FX取引額は4003兆円。
過去最大は2015年の5570兆円だったが、売り買いのスプレッドだけでも相当なものだろう。
結局「誰が儲かるのか」という質問に対する答えは「相場の上限変動にかかわらすか鳴らすある業者の中抜き」。
意外と結構正しいかも知れない。
FX業者に対する金融庁の新規制は来年1月から。
「十分な自己資本を確保させる厳格な健全性評価」という方向だ。
その報道のすぐ横に「ビッドコインが急上昇」の見出しはないだろうとも思うが・・・。
明るいのは日銀が発表した10~12月期の「需給ギャップ」。
18年10~12月期はプラス2.23%。
9四半期連続で需給超過になった。
1992年4~6月期のプラス2.39%に迫る高水準。
26年半ぶりとなる大幅な需給超過だ。
背景は雇用環境の改善や機械設備の稼働率向上。
需給ギャップ改善は物価の押し上げ要因となる。
IMFが発表した4月の世界経済見通し(WEO)。
「米中通商戦争が激化すれば、両国から製造業部門の雇用が流出。
雇用が失われる恐れがある。
ただ両国の総合的な貿易収支は変化しない」という骨子。
「米中通商戦争が激化すれば、中国では電子産業を含む製造業部門、米国では農業部門が大きな打撃を受ける。
米国の農業・輸送機器部門で1%の雇用が失われると予想。
中国では家具、宝飾品などを含むが電子機器を除く製造業部門で5%の雇用が喪失する」。
米国の輸入全体に占める中国からの電子機器・機械類の割合は、関税措置を受け22.1%から11.5%に低下。
同時に、他の国からの輸入の割合が上昇する。
東アジア諸国が15.6%から17.7%、メキシコが12.6%から14.6%、
カナダが10.8%から12.3%にそれぞれ上昇するとの試算だ」。
だから何?という気がしないでもない。
NYダウは39ドル高の26218ドルと反発。
NASDAQは46ポイント高の7895ポイントと5日続伸。
S&P500は6ポイント高の2873ポイントと5日続伸。
ダウ輸送株指数は16ポイント高の10642ポイント。
SOX指数は2.27%の大幅高。
VIX指数は13.77と5日ぶりの小幅反発。
3市場の売買高は72.4億株。
225先物CME円建ては大証日中比40円高の21760円。
ドル建ては大証比60ポイント高の21780ポイント。
大証夜間取引終値は日中比40円高の21760円。
ドル円は111.45円。
10年国債利回りは2.527%。
◇━━━ カタリスト━━━◇
日東工業(6651)・・・動兆
日東工業に注目する。
同社は電設資材のキャビネット、配電盤大手。
情報通信関連分野に注力。
昨年末、北川工業(売上112億円、営業利益10億円)をTOBし4月に完全子会社化。
パナソニックグループのエコソリューションズ社と配電盤事業等において協業することで合意。
新幹線窓外銘柄。
(兜町カタリスト櫻井)
