9日前場の日経平均株価は続落した。前日比39円46銭安の2万1722円19銭で前場の取引を終了した。東証株価指数(TOPIX)は8.91ポイント安の1611.23だった。
前日の米国株市場でNYダウが反落したことや、取引時間中に外国為替市場で1ドル=111円30銭近辺まで円高が進んだことから、国内機関投資家や個人投資家の利益確定売りが優勢となった。上海など中国の株式相場が軟調に推移したことも相場の重荷となり、上値の重さが目立つ展開だった。
その後は下げ渋ったが、戻りは限定され、前引けにかけて小安い水準で推移した。
NY原油先物相場の上昇を手がかりに石油関連株に買いが入った。8日に主な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が連日で高値を更新し、アドテストや東エレクといった半導体関連株の一部が買われて相場の支えとなった。
紙幣刷新に関連する銘柄や資源・石油関連株、大手電機や半導体関連株などが買われ、個別株に目を向けると値を飛ばす銘柄も目立った。
市場からは「手掛かり材料難で、日経平均は水準的に売られやすい。ただ、直近パフォーマンスの良かった銘柄を売り、これから期待される銘柄を買っている動きもみられる。基本的には、米中景気の回復期待を背景に上向きトレンドが続いている」との声が聞かれた。
前引けの東証1部の売買代金は概算で9196億円、売買高は5億4074万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1702と、全体の約8割を占めた。値上がりは355、変わらずは76だった。
業種別では33業種中4業種が値上がり。1位は石油・石炭で、以下、鉱業、電気機器、パルプ・紙が続いた。値下がり上位には電気・ガス、不動産、小売が並んだ。
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)やテルモ、日産化が安い。キーエンスが軟調、ZOZOも冴えない。SMCも下落した。ユニファミマやセブン&アイ・ホールディングスも売りに押された。リソー教育が値下がり率トップに売られ、ダブル・スコープ、レノバも大きく値を下げた。
半面、ソニーが売買代金トップで大幅高、任天堂も堅調。ファナック、信越化学工業も買い優勢。紙幣刷新を手掛かりに関連株の上げも目立った、日本金銭機械、オーイズミ、グローリーなどが一時ストップ高に買われる人気となった
東証2部株価指数は続落した。前日比6.31ポイント安の6959.60ポイントだった。
出来高3462万株。値上がり銘柄数は154、値下がり銘柄数は230となった。
個別では、アイケイ、フジックス、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、マルヨシセンター、竹田印刷など6銘柄が年初来安値を更新した。FRACTALE、プレミアムウォーターホールディングス、カワセコンピュータサプライ、昭和飛行機工業、パシフィックネットが売られた。
一方、中央ビルト工業、エスプール、北海道コカ・コーラボトリング、カワニシホールディングス、カワサキなど15銘柄が年初来高値を更新した。ショクブン、マミヤ・オーピー、TBグループ、ぷらっとホーム、オリエンタルチエン工業が買われた。
