リビア情勢の悪化で、地政学リスクが台頭。

[概況]

 9日の東京外国為替市場は、リスク回避の流れが強まり、米ドル円が安値111.230円まで下落した。リスク回避の背景にはリビアにおける内戦再開の危機が挙げられる。詳しく述べると、リビアではカダフィ政権が打倒された後、国連の後押しで形成されたシラージュ暫定首相の政権と、これに対立するリビア国民軍という二つの政治機構が並び立っていた。
 
ところが、この度リビア国民軍側が突如「首都トリポリ周辺の武装勢力を一掃し、混乱を鎮める」として暫定政権に軍事行動を開始。当然、暫定政権もこれに対し徹底抗戦する構えを示したため、市場は地政学的なリスクを高めたというわけだ。この後の外国為替市場は、引き続きリビア情勢には注意を払う必要がある。
 
もっとも、直近の報道で、国民軍の軍用機がトリポリで唯一機能している空港を爆撃するなど、日増しに戦闘の規模拡大の様子が伝わるところ見ると、早期に地政学的リスクが後退することは考えにくい。そのことから、米ドル円が節目である112.00円を上抜けるには、まだ時間がかかりそうだ。

[提供:カネツFX証券株式会社]

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