NYダウ103ドル安、米景気の減速懸念

14日のNYダウ工業株30種平均が3日ぶりに反落した。前日比103ドル88セント安の2万5439ドル39セントで終えた。
 
朝方発表の12月小売売上高が9年ぶりの大幅減少となったほか、週間新規失業保険申請件数が予想より増加し、売りが先行。その後は、米中交渉や政府機関の閉鎖回避を楽観視する見方から下げ幅を縮小した。トランプ大統領が与野党が合意した予算案に署名する一方で、非常事態宣言にも署名し、早ければ来年前半にもメキシコ国境の壁建設予算を獲得する方針が伝えられた。
 
ダウ平均は230ドルあまり下げる場面があった。小売売上高は前月比1.2%減となり、減少率は2009年9月以来の大きさだった。市場予想は0.1%増だった。変動の大きい自動車・同部品を除いても1.8%減だった。
 
米実質国内総生産(GDP)の約7割を占める消費の急減速を受け、10~12月期のGDP予想を引き下げるエコノミストが相次いだ。年末商戦は底堅かったと受け止められていたため、米景気の減速懸念が強まった。
 
国内景気に敏感な銀行株が軒並み下げ、相場の重荷となった。長期金利の低下も銀行株の逆風だった。機械など資本財株も総じて下げた。小売り株はディスカウントストアは底堅かったが、百貨店は小幅に下げた。ネット通販を手掛けるアマゾン・ドット・コムも1%安だった。
 
一方、ダウ平均は15ドル安まで下げ渋る場面があった。米国と中国が14日に閣僚級の貿易協議を始め、貿易交渉の進展を期待した買いが相場を支えた。ブルームバーグ通信は14日、トランプ米大統領が3月1日の貿易協議の期限を60日延長することを検討していると報じた。中国政府が米製品の一段の輸入拡大を提案するとの報道もあった。
 
セクター別では、メディアや不動産が上昇する一方で食品・飲料・タバコや保険が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に5日続伸した。同6.577ポイント高の7426.955と、昨年12月上旬以来の高値で終えた。前日夕に発表した四半期決算が市場予想を上回ったIT(情報技術)のシスコシステムズなどが上昇した。ネットフリックスや、ゲーム株も高い。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,439.39-103.88
S&P500種
2,745.73-7.30
ナスダック
7,426.955+6.577
NY金(ドル/トロイオンス)
1,313.90-1.20
NY原油(ドル/バレル)
54.47+0.57
円・ドル
110.48 – 110.49-0.58
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は4日ぶりに反落した。
3月物は前日比105円安の2万0990円で引け、14日の大取終値を200円下回った。
12月の米小売売上高の低迷で米景気の減速懸念が強まり、日本株も売られた。円相場の反発も売り材料になった。
市場関係者は14日に始まった閣僚級の米中貿易協議を注視している。
 
この日の3月物安値は2万0935円、高値は2万1230円。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7197.01(+6.17)
FTSE100種総合株価指数は小幅4日続伸となり、英FT100種平均株価指数(FTSE100)は前日終値比6.17ポイント高の7197.01で終了した。
外為相場のポンド大幅安が後押しした。米中貿易協議への進展期待も追い風となったが、英国の欧州連合(EU)離脱への警戒感から上値は重かった。
英企業の決算や中国の経済指標が良好だったことから、午前は上昇していた。ただ、午後に発表された2018年12月の米小売売上高の伸びが予想に反してマイナスとなったことをきっかけに売り圧力が強まり、一時は下げに転じる場面もあった。
構成銘柄の半数以上は下落した。
 
個別銘柄では、ソフトウエア会社マイクロフォーカスが12.3%の急騰。自社株買いの延長が投資家の買いを誘った。医薬品のアストラゼネカは2019年の売上高が増加するとの見通しを発表し、7%超上がった。航空・防衛大手BAEシステムズは1.7%高、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスも0.8%高、機械部品大手スパイラックス・サーコは1.4%高となるなど、製造業も買われた。
 
半面、石油株は売られた。飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングは8%超下落した。景気減速が消費支出を抑える可能性があるとの見方を示したことが売り材料となった。梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは、前日に大幅上昇した反動で下がった。衣料小売りのネクストの値下がりも目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11089.79(-77.43)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて77.43ポイント安の11089.79だった。
 
米中貿易協議に対する楽観的見方から、午前は上がって始まった。ただ、午後に発表された2018年12月の米小売売上高の伸びが予想に反してマイナスとなったことから、米景気の減速が懸念され下落に転じた。
 
個別では、ドイツ取引所は3%超の下落。前日午後遅くに発表した第4四半期の利益が市場予想を下回ったほか、今年通年の業績見通しについて警戒感を強めたことから売られた。医薬・農薬大手のバイエルと鉄鋼のティッセン・クルップの値下がりも目立った。
一方、オンライン決済サービスのワイヤーカードと電力のRWEは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5062.52(-11.75)

株ちゃんofficial xはこちら!
目次