1日のNYダウ工業株30種平均が4日ぶりに反発し、前日比110ドル32セント高の2万6026ドル32セントで終えた。米中が貿易交渉で近く合意するとの期待感が広がり、投資家心理が上向いた。
1日の中国株式市場では上海総合指数が大幅上昇。株価指数算出会社の米MSCIが前日、新興国株指数に採用している中国本土株の組み入れ比率の引き上げを発表したことが支援材料となった。欧州株も軒並み上昇し、海外株高の流れを引き継ぐ形で、ダウは取引序盤に220ドル余り上昇した。
中国の2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が改善し、中国景気に対する過度の懸念が和らいだ。アジアや欧州など海外の主要な株式相場が上昇し、米国株もつれ高した。
また、ブルームバーグ通信が1日までに、米中首脳が早ければ3月半ばにも会談し、貿易協議で合意する可能性があるなどと報じた。中国関連銘柄への買いにつながった。米中摩擦が解消すれば、世界景気への逆風が弱まるとして金融株など景気敏感株も買われた。
ただ、相場は一時、小幅安となった。1日午前に発表された2月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想を下回った。2月の米消費者態度指数(確報値)や12月の米個人消費支出(PCE)も市場予想に届かず、米景気への楽観的な見方が後退した。
ダウ平均は週間では5ドル安と、小幅ながら10週ぶりに下落した。一方、S&P500種株価指数は2803.69と、約3カ月半ぶりに節目の2800を上回って終えた。
ナスダック総合株価指数は反発し、同62.821ポイント高の7595.353と昨年10月中旬以来の高値で終えた。アマゾン・ドット・コムとアルファベット(グーグル)が2%高となり、指数上昇をけん引した。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,026.32+110.32
S&P500種
2,803.69+19.20
ナスダック
7,595.353+62.821
NY金(ドル/トロイオンス)
1,299.20-16.90
NY原油(ドル/バレル)
55.75-1.47
円・ドル
111.96 – 111.97+1.21
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。
3月物は前日比265円高の2万1755円で引け、1日の大取終値を135円上回った。米中貿易交渉の合意期待から投資家心理が上向き、米株とともに日経平均先物は買われた。
1日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)の2月の製造業景況感指数が市場予想に景気減速を示したものの、市場の反応は限られた。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は4日ぶりに反発した。前日の2月28日の終値に比べ32.00ポイント高の7106.73で引けた。
外国為替相場でポンド安が進み、株式相場を下支えした。指数構成銘柄全体の約7割が上昇。幅広い銘柄が買われたが、銀行株の一角は軟調だった。
英広告大手のWPPグループが大幅上昇し、指数をけん引したほか、下落基調が続いていたこともあり買いが優勢だった。構成銘柄の約7割が上昇した。
個別銘柄では、広告大手WPPは引けに伸び悩んだが、5%近く上昇して引けた。一時は9%近く上げた。2018年の通期決算で売り上げの減少幅が市場の予想したほど悪くなかったことが、買い安心感につながった。ITVも連れ高した。ロンドン証券取引所(LSE)グループの上げも目立った。通期決算が増収、増益となったことを好感した買いが入った。
ファッションのバーバリー・グループやHSBCホールディングスなど中国関連銘柄も買われた。米ブルームバーグ通信が米中首脳は早ければ3月半ばの会談を検討していると報道したことが買い材料視された。
半面、出版のRELXが値下げ幅を拡大し、約7%安で引けた。航空機エンジンのロールス・ロイスも大幅安で引けた。前日に米航空機ボーイング社の新しい航空機に供給するエンジンの入札から抜けるとの発表を嫌気した売りが続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸。終値は前日2月28日と比べて86.04ポイント高の11601.68だった。
個別では、前日下落した航空のルフトハンザが買い戻された。米ブルームバーグ通信の報道を受けて米中の貿易交渉をめぐる進展期待から、中国関連銘柄とされる自動車株が上昇した。
一方、決算発表をした工業用ガスのリンデが安かった。オンライン決済サービスのワイヤーカードは利益確定の売りで小幅に下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5265.19 +24.67 (+0.47%)
