4日のNYダウ工業株30種平均は前週末比206ドル67セント安の2万5819ドル65セントと反落で終えた。
米中が今月下旬にも貿易交渉で合意する見通しと伝わり、朝方は買いが先行した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は3日、米中両国が貿易協議で合意に至れば、互いの輸入品に昨年発動した制裁・報復関税の一部撤回を検討していると報道。
さらに最終合意を目指す首脳会談は今月27日前後に米国内で開催する方向で調整中と伝えた。
米中協議の早期合意への期待から、ダウは取引序盤に130ドル近く上昇した。
航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど中国関連とされる銘柄の上昇が目立った。
だが、年初から米中合意を織り込んで相場が上げていたため、次第に材料出尽くしとみた売りに押された。
また、3日午前中に発表された昨年12月の建設支出が前月比0.6%減と、市場予想(ロイター通信調べ)の0.2%増に反して大幅に悪化。米経済の先行き懸念から一転して売りが広がり、ダウは一気に上げ幅を縮小。マイナス圏に沈むと一時410ドル余りも下落した。
医療保険のユナイテッドヘルス・グループや、ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンスの下落もダウ平均の重荷だった。前週に民主党議員が提案した国民皆健康保険制度の法案や薬価引き下げの圧力を懸念する売りが続いた。
セクター別では、メディアや不動産が上昇する一方でヘルスケア機器・サービスや電気通信サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は前週末比17.786ポイント安の7577.567で終了した。バイオジェンなどバイオ製薬株が下げ、マイクロン・テクノロジーなど半導体株の一角も売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,819.65-206.67
S&P500種
2,792.81-10.88
ナスダック
7,577.567-17.786
NY金(ドル/トロイオンス)
1,287.50-11.70
NY原油(ドル/バレル)
56.45+0.65
円・ドル
111.73 – 111.74-0.17
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は買い先行の後、反落した。
3月物は前週末比70円安の2万1685円で引け、4日の大取終値を135円下回った。朝方は、米中貿易交渉の合意が近いとの期待から買い先行で始まった。
その後、合意は市場にある程度織り込み済みとの見方から、米株とともに利益確定の売りに押された。
この日の安値は2万1595円、高値は2万1865円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21685 ( -135 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21685 ( -135 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7134.39(+27.66)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末の終値に比べ27.66ポイント高の7134.39で引けた。
この日のFT指数は高寄り後、ジリ高。午後1時前に7166.19の高値を付けたあたりから売り優勢に転じ、上げ幅を削って引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
米中間の貿易協議が合意に近づいていると期待され、買いが優勢となった。銀行と石油株の値上がりが株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、アナリストが株価目標を引き上げたオンライン不動産のライトムーブは5%超上がった。総合ヘルスケアのNMCヘルスも3%超の上昇。バークレイズがキャッシュ状況に好意的な分析を示したことが好感された。害虫駆除のレントキル・イニシャルは2.6%高と大幅高だった。
半面、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループは5%近く下がった。時価総額の大きい携帯電話サービスのボーダフォン・グループの下げも目立った。金価格の下落を背景に、関連のフレスニージョは3.0%安と安くなった。航空機エンジンのロールス・ロイスも下落した。同社は3日に、トルコの新たな戦闘機製造で参加計画を縮小したと発表した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11592.66(-9.02)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに小反落した。終値は前週末と比べて9.02ポイント安の11592.66だった。米中間の貿易協議の合意も近いと期待され、日中は買いが優勢だったが、引け前に下げに転じた。
個別銘柄では、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは大幅安。米政府が透析コストの削減を計画しているとの報道が売り材料となった。複数のアナリストが株価目標を引き下げた工業用ガスのリンデも売られた。
一方で、医薬・農薬大手のバイエルと半導体のインフィニオンテクノロジーズの上昇が目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5286.57(+21.38)
