NYダウ200ドル安、世界経済鈍化への懸念

7日のNYダウ工業株30種平均は前日比200ドル23セント安の2万5473ドル23セントと4日続落した。2月14日以来、3週ぶりの安値で終えた。
 
欧州中央銀行(ECB)は7日の定例理事会で年内の利上げを断念し、早くても2020年以降に先送りする方針を決定した。同時に19年のユーロ圏の成長率予測を前回(昨年12月)の1.7%から1.1%に大幅下方修正。欧州の景気不安から世界経済の減速懸念が再燃し、ダウは午前中に一時320ドル余り下落した。
ドイツ国債利回りなどが低下し、米長期金利もつれて下げるとJPモルガン・チェースなど金融株に売りが広がった。
 
世界景気の減速懸念が改めて意識されたことも市場心理を冷やした。景気敏感株である素材株などが売られた。米中が貿易問題で近く合意するとの期待を織り込んで買われてきたキャタピラーなどの中国関連銘柄にもいったん利益確定売りが出た。
 
S&P500種株価指数が心理的な節目とされる200日移動平均を下回ったことなどで持ち高調整の売りが加速した。
8日発表の2月の米雇用統計の内容を見極めたいとして、取引終了にかけてはやや下げ幅を縮小した。
 
セクター別では、電気通信サービスや公益事業が上昇する一方で小売や食品・生活必需品小売が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は同84.456ポイント安の7421.464と2月13日以来の安値で終えた。アマゾン・ドット・コムやネットフリックスを筆頭に主要ハイテク株に売りが広がった。
  
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,473.23-200.23
S&P500種
2,748.93-22.52
ナスダック
7,421.464-84.456
NY金(ドル/トロイオンス)
1,287.60+2.90   
NY原油(ドル/バレル)
56.44+0.22
円・ドル
111.57 – 111.58-0.21

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。
3月物は前日比270円安の2万1275円で終え、大阪取引所の終値を145円下回った。
欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の経済見通しを引き下げたため世界景気の先行き警戒感が広がり、米株とともに売られた。
3月物は一時2万1210円まで下げた。
この日の高値は2万1545円だった。8日発表の2月の米雇用統計を控え、積極的な取引は手控えられた。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21090 ( -140 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21125 ( -105 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7157.55(-38.45)
FTSE100種総合株価指数は5日ぶりに反落した。前日6日の終値に比べ38.45ポイント安の7157.55で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
欧州大陸の株価下落が波及し、午後にかけて下げ幅を拡大した。
 
個別銘柄では、総合ヘルスケアのNMCヘルスは11%安と、急落して引けた。通期決算の修正後利益が減益となり、失望売りが加速した。配当の権利落ちとなったパーシモンは7%の大幅安となった。同様にロシアの鉄鋼大手エブラズや鉱業のリオ・ティントも安くなり、鉱業株は全面安となった。ブックメーカー(賭け屋)のパディパワー・ベットフェアの下げも目立った。
 
半面、英送電大手ナショナル・グリッドは2.5%高。英ビジネス情報会社インフォーマと蒸気システム大手の英スパイラックス・サーコはそれぞれ2.3%高、決算内容が好感され投資会社のメルローズ・インダストリーズは2.1%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11517.80(-69.83)
ドイツ株式指数(DAX)は続落。終値は前日6日と比べて69.83ポイント安の11517.80だった。
この日の欧州中央銀行(ECB)理事会で銀行への新たな資金供給策の導入などを決めたことを受けて、世界の景気減速への懸念を意識した売りが優勢になった。
イタリア、ドイツの長期金利が低下し、欧州各国の株式市場で銀行株が大幅に下落した。
 
個別では、長期金利の低下で利ざやが縮小するとの観測からドイツ銀行が大幅安となり、指数の下げを主導した。素材メーカーのコベルト、鉄鋼のティッセン・クルップの下げも目立った。
一方、不動産のボノビアが上げた。好調な通期決算が買い材料になった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5267.92(-20.89)

 

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