NYダウ208ドル安、キャタピラー決算など嫌気

28日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比208ドル98セント(0.8%)安の2万4528ドル22セントで終えた。
 
主要企業の決算で半導体や建設機械メーカーが相次いで慎重な業績見通しを示し、中国経済減速への警戒感から幅広い銘柄に売りが先行した。前週末に1カ月半ぶりの高値を付けたため、利益確定売りも出やすかった。
今週の主要企業決算や連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑から、その後は緩やかに下げ幅を縮小する展開となった
 
建機のキャタピラーが朝方発表した2018年10~12月期決算は、全般的に堅調だった建機販売が寄与し、純損益が前年同期の赤字から黒字に転換。しかし、調整後の1株当たり損益が市場予想を下回ったほか、19年通期の業績見通しも低めに設定されたことから売りが膨らみ、1銘柄でダウを約85ドル押し下げた。
 
また、画像処理半導体(GPU)のエヌビディアは28日、18年11月~19年1月期の売上高見通しを下方修正した。流通在庫がだぶついている仮想通貨向けに加え、中国の景気悪化を主因にゲーム向けのGPUの需要も低迷した。株価は14%安と急落し、インテルなど半導体関連株に売りが波及した。
 
キャタピラーなどの発表を受けて中国景気への警戒感が強まり、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など中国への収益依存度の高い銘柄にも売りが広がった。商品先物市場で原油や天然ガスなど資源価格が大幅に下落した。収益悪化の懸念からエクソンモービルやシェブロンなどエネルギー株が売られたのも相場の重荷になった。
 
ダウ平均は前週末まで5週続けて上昇し、昨年7月末までの続伸記録に並んだ。相場をけん引していた「エネルギー」「消費財・サービス」「資本財・サービス」などの業種には目先の利益を確定する目的の売りが出やすかった面もある。
 
18年12月22日から始まった米連邦政府の一部閉鎖が25日に一時解除された。米議会が2月15日までのつなぎ予算を可決し、トランプ米大統領が署名して成立した。ただ、トランプ氏はメキシコとの「国境の壁」建設を目指して交渉を続ける構えで、好感した買いは目立たなかった。35日間と過去最長となった政府閉鎖の米経済への悪影響も意識された。
 
セクター別では不動産や食品・飲料・タバコが上昇する一方で、半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが軟調だった。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、79.180ポイント安の7085.685で終えた。エヌビディアの下方修正を受けて半導体関連株に売りが広がった。アルファベット(グーグル)やフェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど主力株が軒並み下落した。
 
個別では、半導体のアドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)やインテル(INTC)にも売りが広がった。ブラジルの鉄鉱石・鉱山のヴァーレ(VALE)は鉱山ダム決壊により多数の死傷者が発生していることが嫌気され急落した。
一方で原油価格の下落を受けてアメリカン航空(AAL)やジェットブルー(JBLU)など航空各社が堅調推移となった。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,528.22-208.98
S&P500種
2,643.85-20.91
ナスダック
7,085.685-79.180
NY金(ドル/トロイオンス)
1,298.10+18.30
NY原油(ドル/バレル)
52.07-1.62
円・ドル
109.34 – 109.35-0.06
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反落した。
3月物は前週末比220円安の2万0575円で引け、28日の大取終値を65円下回った。
米企業の決算を手がかりに中国景気の減速懸念が再燃し、米株とともに売られた。
円相場の反発も相場を下押した。
市場は今週開く米中貿易協議や、米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目している。
この日の3月物安値は2万0455円、高値は2万0825円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20575 ( -65 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20595 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 ■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6747.10(-62.12)
FTSE100種総合株価指数は5営業日続落となり、前週末の終値に比べ62.12ポイント安の6747.10で引けた。午後に一段安となった。構成銘柄の約7割が下落した。
 
中国景気の鈍化や、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる懸念から売られた。メイ首相の代替案と与野党の議員による複数の修正案を英議会で採決するのを29日に控え、離脱をめぐる不透明感が広がった。原油の大幅安を受けて石油株が売られ、株価指数の下落に大きく影響した。
 
個別銘柄では、石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが1.8%安、同BPも2.4%安と軟調。金融大手バークレイズ2.5%安、同ロイズ・バンキング・グループ2.7%安、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド2.0%安、HSBCホールディングス1.1%安など銀行株も売られた。総合ヘルスケアのNMCヘルスは、約4%安で下落率トップとなった。
 
半面、ネット専業スーパーのオカド・グループは2%高。取引開始後に一時は6%超上がる場面もあった。同社は小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)と食品配送サービスにおいて提携する方向で協議中と伝わった。鉱業のリオ・ティントは、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11210.31(-71.48)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前週末と比べて71.48ポイント安の11210.31だった。米中の貿易交渉や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を今週に控え、警戒感から売りが先行した。
 
個別銘柄では、素材メーカーのコベストロと医薬・農薬大手のバイエルの値下がりが大きくなった。値上がりしたのは、ドイツテレコムを含む4銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4888.58(-37.24)
 

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