「創造」
決算発表の時期になると登場するのがQuickコンセンサスなどの市場関係者予想。
会社側予想がそれよりも低ければ株価は軟調予想。
高ければ株価は堅調予想。
刹那的なトレードにとってはそれで良いのかも知れない。
しかし・・・。
業務に携わることもない第三者の願望を取り込んだような市場予想と実際の会社側予想。
どちらが重いのかと考えて見れば、当然会社側予想だろう。
しかも市場関係者そのものが、この市場関係者予想を重視して呪縛にかかるケースも多い。
企業は市場関係者のために動いている訳ではなかろう。
社会のため、投資家のため、そして社員のため。
なのに、第三者の意見に右往左往させられるのが株価。
願望と現実のかい離を無視した絶対信奉の様相はどこか本末転倒のような気がする。
先週金曜は今年初の「西向くサクライ」。
熊本に向かったら金曜の日経平均は上昇。
先々週から行っていたのは「勝手雲は31日にしろくねじれ」。
加えれば「2月1日は株高のアノマリー」とも。
すべて根拠は希薄。
過去の経験則の延長線上でしかない。
でも、それなりにそういう動きをすることもある。
コレがいわゆる「理外の理」ということだろう。
「理外の理」とは「普通の道理や常識では説明のできない不思議な道理」。
あるいは「普通の道理では判断することの出来ない難しい道理」。
つまり「理外」は理屈だけでは説明のつかないこと。常識を超えた理。
「相場は必ずしも通常考えられる理屈通り計算通りには動かないこという意味」とされる。
昔の証券会社の株式部や市場部など「理外の理」の典型みたいなもの。
「調査部」とか「リサーチセンター」など相容れそうもない話題ばかりだった。
しかし・・・。
真面目な経済指標を使った相場予測よりもこの「理外の理」みたいな予測の方が好きな人は多い。
数字だけで予測を結論付けることができないのは相場でもある。
「理屈に当たり、相場にはずれる」という格言の通りだ。
別の格言では「理と非との中にこもれる理外の理、株の高下の源と知れ」。
自分の経験則による「理外の理」をたくさん持つことでできれば、相場は更に楽しく面白くなるだろう。
しかめっ面で数字をこね回すから相場は縁遠くなるものだ。
罫線だって紙芝居と思えば、ややこしくもない。
難しく語る話に本質はないものだ。
あるIR担当者の言葉は「人に優しくわかりやすいIR情報の発信に努める」。
もっとも・・・。
「儲かれば何でもいい」というのがおそらくは投資家側の本音ではあろうが・・・。
「天地創造説」というのがある。
日本ではあまり語られないがユダヤ教やキリスト教における神の宇宙創造説。
「創世記」1章に記されている。
神様は8つの仕事が6日間でされたというのが中身である。
以下がその7日間。
1日目 神は天と地を作った。暗闇の中に神は光をつくり、昼と夜ができた。
2日目 神は空を作った。
3日目 神は大地を作った。海が生まれ、地に植物が生えた。
4日目 神は太陽と月と星を作った。
5日目 神は魚と鳥を作った。
6日目 神は獣と家畜を作った。そして人間を作った。
7日目 神はお休みになった。
昼と夜、空と大地、太陽と月・星などポジとネガ。
そして明暗。
すべて対立物があるから成り立つものだ。
これを相場のリズムのように感じてしまうと叱られそうだが・・・。
売りがあるから買いがある。
買いがあるから売りがある。
株価は板の厚い方へ動く。
7日目の休息日は「休むも相場」と片付けても良いのだろうか。
もっと深いのかも知れない。
(櫻井)
