13日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比70ドル11セント高の2万4597ドル38セントで終えた。
英国のメイ首相が党内の信任投票に勝利し、同国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡る先行き不透明感がやや払拭されたほか、週間新規失業保険申請件数が予想よりも減少し、米景気減速懸念が後退したことから買いが先行。
日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など景気動向に影響を受けにくいとされる銘柄が上げた。
また、中国政府が米国産大豆の輸入を再開したと伝わった。米国から輸入する自動車・部品の関税も大幅に引き下げると伝わっており、貿易交渉が進展しているとの期待が続いた。朝方は建機のキャタピラーなど中国の売上高比率が高い銘柄の一角に買いが優勢になった。ダウ平均の上げ幅は一時210ドルを超えた。
原油先物相場が上昇し、エクソンモービルやシェブロンなど石油株が買われ指数を支えた面もあった。テキサス州に新社屋を設けると発表したアップルも上昇した。
一方、世界景気の減速懸念などを背景にダウ平均は50ドルあまり下げる場面があった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が13日の定例理事会後の記者会見で、ユーロ圏の経済見通しについて「リスクは下振れ方向に傾きつつある」との見方を示した。英国の欧州連合(EU)離脱交渉の不透明感やフランスの政情不安などが欧州の景気に与える影響が改めて警戒され、投資家心理を冷やした。
中国外務省が13日に2人のカナダ人を拘束したことを確認した。カナダ政府による中国の華為技術(ファーウェイ)幹部逮捕への報復とみられている。米中関係の悪化につながる可能性が意識されたのも相場の重荷だった。
S&P500種株価指数は横ばい圏ながら、小幅に反落した。
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や公益事業が上昇する一方で耐久消費財・アパレルや自動車・自動車部品が下落した。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比27.978ポイント安の7070.334で終了した。アマゾン・ドット・コムなど主力株の一部が下げたほか、マイクロン・テクノロジーなど半導体株の一角が売られた。
個別では、複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、JPモルガン・チェースによる投資判断引き上げを受け上昇した。保険のアフラック(AFL)は、日本郵政の少数株取得を巡る出資交渉が報じられ堅調推移。
一方で、栄養ドリンクメーカーのモンスター・ビバレッジ(MNST)は、UBSの売り推奨を受けて下落。ネット小売のアマゾン(AMZN)は、食料品スーパーのホールフーズと食品配送のインスタカートの関係解消をすすめていることが報じられ売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,597.38+70.11
S&P500種
2,650.54-0.53
ナスダック
7,070.334-27.978
NY金(ドル/トロイオンス)
1,247.40-2.60
NY原油(ドル/バレル)
52.85+1.70
円・ドル
113.62 – 113.63+0.23
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。
12月物は前日比70円高の2万1715円で終え、大阪取引所の終値を135円下回った。米中通商交渉の進展期待が相場を支えた。
一方で世界景気の先行き警戒感が広がり、上値は重かった。欧州中央銀行(ECB)が13日の定例理事会でユーロ圏の経済見通しを引き下げたほか、ドラギ総裁の発言を受け欧州景気の減速懸念が強まった。
12月物の高値は2万1920円、安値は2万1645円だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21635 ( -145 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21685 ( -95 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6877.50(-2.69)
FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに小反落した。前日の終値に比べ2.69ポイント安の6877.50で引けた。構成銘柄の半数以上は下落した。
前日夜にメイ英首相が与党・保守党の不信任投票で信任を得たが、株式市場の反応は限定的だった。英国の欧州連合(EU)離脱の先行きにはなお慎重な見方が広がっている。
石油株とたばこ株の値下がりが株価指数を押し下げる一方で、鉱業株と医薬品株の値上がりが下値を支えた。
個別では、製紙のモンディと小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)は3.8%安と値下がりが大きくなった。ベンチャー・キャピタルの3iグループと、衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズはともに配当権利落ちで売られた。
半面、旅行のTUIは通期利益が予想を上回ったほか、2019年も良好な業績の伸びが期待できるとの見通しを示し、4%超上昇した。資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンも4.7%高と大幅高となった。旅行代理店大手トゥイは4.5%高、格安航空大手イージージェットも2.2%高と堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10924.70(-4.73)
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに小反落した。終値は前日と比べて4.73ポイント安の10924.70だった。
個別では、素材メーカーのコベストロの値下がりが目立った。医療機器のフレゼニウスは、アナリストによる株価目標の引き下げが響いて売られた。
一方で、11月のグループ販売台数が増加したと発表した自動車のBMWは買われた。電力のRWEとエーオンの値上がりも目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4896.92(-12.53)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて下落した。
