NYダウ351ドル安、FOMC結果の利上げを嫌気

19日のNYダウ工業株30種平均は前日比351ドル98セント安の2万3323ドル66セントと2017年11月15日以来、約1年1カ月ぶりの安値で終えた。
 
FRBが金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で、2019年の利上げの想定回数を引き下げるとの期待から、買いが先行して始まった。このところの大幅下落傾向を受けた値頃感も手伝い、一時上げ幅は380ドルを超えた。
 
上院で2月8日までのつなぎ予算の審議が開始する見込みと伝わった。21日までに可決されれば、政府機関閉鎖が回避できる。欧州連合(EU)の欧州委員会がイタリアが再提出した2019年の予算案を承認したと伝わり、イタリア財政を巡る不透明感が和らいだことなども一時は市場心理改善につながった。
 
FRBが午後2時に発表した声明では、19年の利上げ想定回数を3回から2回に引き下げることなどが盛り込まれた。景気先行き懸念が強まる中、市場が期待していたほどFRBが来年以降の利上げに消極的ではないことが明らかになり、株価は急速に上げ幅を縮小。
ダウ平均は510ドルあまり下げる場面があった。アップルや半導体のインテル、航空機のボーイングなど景気敏感とみなされる銘柄の下げが目立った。
 
セクター別では、半導体・同製造装置や運輸を中心に全面安となった。
 
ナスダック総合株価指数は、同147.084ポイント安の6636.827と17年10月下旬以来の安値で終えた。アップルを筆頭にアマゾン・ドット・コムなど主力株に売りが広がった。多数の企業と個人情報を共有していたと伝わったフェイスブックは7%の大幅安で終えた。
 
個別では、SNSのフェイスブック(FB)はNYタイムズ紙が新たなプライバシー問題の疑惑を報じたほか、ワシントンDC司法長官が提訴したことから下落。運輸・宅配便のフェデックス(FDX)は、2019年の業績見通しを引き下げ大幅下落となった。半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)も業績下方修正を発表して売られた。
一方で製薬のイーライ・リリー(LLY)は、強気の業績見通しと増配を発表して堅調推移。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,323.66-351.98
S&P500種
2,506.96-39.20
ナスダック
6,636.827-147.084
NY金(ドル/トロイオンス)
1,256.40+2.80   
NY原油(ドル/バレル)
47.96+1.72
円・ドル
112.43 – 112.44+0.03
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
シカゴ日経平均先物は4日続落した。
3月物は前日比340円安の2万630円で終え、大阪取引所の終値を290円下回った。19日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果後に米株式が売られ、日経平均先物にも売りが膨らんだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がFOMC後の記者会見で市場が期待したほど利上げに慎重な姿勢を示さなかったとの見方から売りが出た。
 
3月物の安値は2万0505円、高値は2万1135円だった。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20630 ( -290 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20665 ( -255 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6765.94(+64.35)
FTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前日18日の終値に比べ64.35ポイント高の6765.94で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。
 
イタリアの2019年予算案の修正をめぐり、イタリアと欧州連合(EU)が合意したことで、買い安心感が広がった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ路線の早期打ち止め観測が強まったことも支援材料となった。
 
医薬品のグラクソ・スミスクライン(GSK)の急伸が株価指数をけん引し、反発して始まった。下落基調が続いていたこともあり、値ごろ感に着目した買いが入ったことも奏功した。
 
個別では、GSKは3%超高となり、指数の上げを主導した。午前は7%高で推移していた。同日朝方に米ファイザーと一般用医薬品(大衆薬)事業を統合することで合意し、統合後、数年以内に医療用医薬品・ワクチンと大衆薬の2社体制を築く計画を発表した。企業再編による売り上げ効果を期待した買いが膨らんだ。同業のシャイアーも連れ高した。
鉄鋼大手エブラズは、3.7%高、資源大手リオ・ティントは2.5%高、BHPビリトンは、2.1%高、グレンコアは、2.2%高など、資源株の一角が買われた。
 
半面、小売りのキングフィッシャーは2.7%安と売られ消費関連株の一角が下落した。郵便大手のロイヤル・メールは、米物流のフェデックスの下落を嫌気した売りで下げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10766.21(+25.32)
ドイツ株式指数(DAX)は5営業日ぶりに反発した。終値は前日18日と比べて25.32ポイント高の10766.21だった。下落基調が続いたことから持ち高を調整する買いが入ったほか、イタリア株の大幅な上昇が波及した。
 
個別では、前日大幅安で引けた医療機器のフレゼニウスが買い戻され、指数の上げを主導した。電力株も堅調だった。一方でドイツポストが大幅に下落した。米物流のフェデックスの株価下落を嫌気した売りが出た。素材メーカーのコベストロは利益確定の売りで下げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4777.45(+23.37)
 

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