24日の米株式相場は4日続落した。NYダウ工業株30種平均は前週末比653ドル17セント安の2万1792ドル20セントとこの日の安値で終え、2017年9月7日以来ほぼ1年3カ月ぶりの安値を付けた。
午後1時までの短縮取引だったほか、休暇シーズンで市場参加者が少なく、悪材料に大きく反応した。政府機関閉鎖の長期化懸念に加え、トランプ大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の解任を議論しているとの前週末の報道も相場の重しとなった。この日、トランプ氏がツイッターで「米経済が抱える唯一の問題がFRBだ」と投稿したことも売りに拍車を掛けた。投資家のリスク回避姿勢が強まり、消費関連など幅広い銘柄に売りが膨らんだ。
米連邦予算が週末に失効し政府機関の一部閉鎖が始まった。メキシコ国境の壁建設を巡って、トランプ米大統領や議会与野党が折り合えなかった。米経済への直接の悪影響は限られるとみられているが、米政治停滞のリスクが意識され投資家心理を冷やした。
また、ムニューシン米財務長官が週末に米金融大手6行の首脳と電話会談したことが明らかになった。米財務省は「金融市場の機能面にいかなる支障もない」との声明を発表したが、これがむしろ年末にかけて市場が混乱するとの警戒感を促した。相場は取引終了にかけて下げ幅を広げ、ダウ平均以外の主な株価指数もこの日の安値圏で終えた。
セクター別では全面安となり、特に公益事業や家庭用品・パーソナル用品の下落が目立った。
ナスダック総合株価指数は同140.075ポイント安の6192.920と17年7月中旬以来の安値で終えた。
個別では、政府機関の閉鎖を受けて金融市場の混乱が意識され、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、JPモルガン(JPM)、シティグループ(C)など金融関連株の下落が目立った。
原油相場の下落で、石油のマラソン・オイル(MRO)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移した。電気自動車のテスラ(TSLA)は、マスクCEOが納入遅延により連邦税控除が受けられない顧客については、同社が差額を負担すると表明したほか、中国での「モデル3」の値下げが明らかとなり下落した。
25日(火)はクリスマスの祝日となるため、米国株式相場は休場となる。
NYダウ工業株30種(ドル)
21,792.20-653.17
S&P500種
2,351.10-65.52
ナスダック
6,192.920-140.075
NY金(ドル/トロイオンス)
1,258.10-9.80
NY原油(ドル/バレル)
42.68-2.91
円・ドル
110.45 – 110.46-0.81
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は7日続落し、2万円の心理的な節目を割り込んだまま推移した。
3月物は前週末比545円安の1万9250円で終え、21日の大阪取引所の終値を800円下回った。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念が広がり、米現物株相場が大幅に下落したのにつれた売りが膨らんだ。
安値は1万9225円、高値は1万9900円だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
19250 ( -800 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
19290 ( -760 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6685.99(-35.18)
FTSE100種総合株価指数は反落した。前週末の終値に比べ35.18ポイント安の6685.99で引けた。
この日は週末とクリスマスの連休に挟まれ、総じて閑散。FT指数は6600台後半の狭いレンジを中心に推移した。取引は昼すぎに終了した。
構成銘柄の約7割が下落した。
トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長解任の意向を示しているとの一部報道や米政府機関の一部が閉鎖されたことが響いた。銀行株の値下がりが株価指数を押し下げた。
個別では、たばこ株も下落した。総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ・グループは5%近く下がった。ベンチャー・キャピタルの3iグループとロンドン証券取引所(LSE)グループは3.9%安と値下がりも大きくなった。
会計ソフト大手セージは3.6%安、ロシア鉄鋼大手エブラズは3.3%安、旅行大手カーニバルは3.2%安だった。
半面、この日からFTSE100の構成銘柄に加わった蒸気システムのスパイラックス・サーコ・エンジニアリングは2.9%高と上げが目立った。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスは2.6%高と大幅高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
クリスマス休暇で休場
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4626.39(-67.99)
