26日の米株式相場は5営業日ぶりに大幅に反発した。NYダウ工業株30種平均は24日終値に比べ1086ドル25セント高の2万2878ドル45セントで終えた。
上げ幅は2008年10月13日の936ドルを超え、過去最大となった。
前営業日まで大幅な下げが続いていたため、短期的な戻りを期待した買いが幅広い銘柄に集まった。上昇率は09年3月下旬以来ほぼ9年9カ月ぶりの高さだった。
ダウ平均は24日までの4営業日で1800ドル超下落。26日のダウは取引序盤にマイナス圏で推移する場面もあったが、買い戻しの動きが広がり、上げ幅を拡大していった。
投資家心理を和らげたのは、好調な米年末商戦を示す統計データ。米クレジットカード大手マスターカードが26日発表した調査によると、米国の今年の年末商戦の売上高は前年比5.1%増の8500億ドル(約94兆円)と増加率は過去6年で最大となった。
ダウ平均ではスポーツ用品のナイキが7%、ホームセンターのホーム・デポが6%、小売最大手のウォルマートが5%高と大幅に上昇した。
また、米原油先物相場が大幅高だったのも指数の押し上げにつながった。原油安による収益悪化懸念が和らぎシェブロンやエクソンモービルといった石油株に買いが集まった。
取引終了にかけて買いの勢いが増す展開だった。「コンピューターのアルゴリズム(自動計算)による機械的な買いも入った」といい、ダウ平均は構成する全30銘柄が最低でも2%あまり上昇した。
もっとも、ダウ平均は下げに転じる場面もあった。米政府機関の一部閉鎖など米政治の先行き不透明感や世界景気の減速懸念は根強く、朝高で始まった後に午前中に79ドル安となる場面があった。
市場からは「金融大手6社の首脳と緊急協議したムニューシン財務長官のちぐはぐな対応などトランプ政権の混乱ぶりという余計なニュースが株価の下落を増幅させた。それだけに26日は反発の幅が一段と大きくなった」と指摘されていた。
セクター別では全面高となり、特に小売やエネルギーの上昇が目立った。
ナスダック総合株価指数は361.435ポイント高の6554.355で終えた。上昇率は09年3月下旬以来の大きさだった。年末商戦が好調だったと発表したアマゾン・ドット・コムが9%あまり上昇した。フェイスブックやネットフリックス、マイクロソフトなどの主力株も軒並み急伸した。
個別では、決済ネットワークのマスターカード(MA)は、年末商戦の売上高の伸びが過去6年で最大となり大幅上昇。ネット小売のアマゾン(AMZN)は、年末商戦の注文数が過去最高となったほか、数千万人が有料会員サービス「プライム」に申し込んだことを発表し上昇した。百貨店のコールズ(KSS)、ディスカウントストアのダラー・ツリー(DLTR)、ホームセンターのホーム・デポ(HD)など、その他の小売関連銘柄にも買いが広がった。ストリーミング端末のロク(ROKU)は、一部アナリストが2019年度のトップ推奨銘柄に指定し大幅上昇となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
22,878.45+1,086.25
S&P500種
2,467.70+116.60
ナスダック
6,554.355+361.435
NY金(ドル/トロイオンス)
1,273.00+1.20
NY原油(ドル/バレル)
46.61+4.08
円・ドル
111.32 – 111.33+0.90
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は8営業日ぶりに急反発し、2万円台を回復した。
3月物は前営業日に比べ、775円高の2万0025円で終えた。大阪取引所の終値を635円上回った。米株式相場が急反発し、前日まで持ち高を売りに傾けていた投資家の買い戻しが膨らんだ。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20025 ( +635 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20070 ( +680 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 休場
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 休場
■フランス・パリ株価指数
CAC40 休場
