27日のNYダウ工業株30種平均は前日比260ドル37セント高の2万3138ドル82セントは続伸で終えた。
政府機関閉鎖や原油安を受けて、売りが先行した。
12月消費者信頼感指数が予想を下振れたほか、昨日はダウが過去最大の上げ幅となるなど、株価上昇を受けた利益確定の動きも広がった。
閑散取引が続くなか、トランプ政権が中国通信機器メーカーである華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)などの機器使用を企業に禁じる大統領令を検討していることが嫌気され、ダウは一時600ドルを超す下落となったものの、引けにかけて急速に下げ幅を縮小し上昇に転じた。
年末特有の薄商いで相場変動が大きくなりやすくなっている。ダウ・デュポンなど素材株、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など生活必需品株、マイクロソフトなどハイテク株が値を戻した。一時は5%前後の大幅安になっていたアップルやアマゾン・ドット・コムも急速に下げ渋った。
米株の変動性指数(VIX)は、30を超えた水準で推移する時間帯が多かった。20を超えると不安心理が高まったとされる。市場では「引けにかけて上昇に転じても投資家心理が改善したとは言い切れず、荒い値動きは当面続く」との指摘があった。
セクター別では小売を除いて全面高となり、特に素材や家庭用品・パーソナル用品の上昇が目立った。
ナスダック総合株価指数は続伸、前日比25.137ポイント高の6579.492で終えた。
個別では、商品相場の回復を受け資源のフリーポート・マクモラン(FCX)が上昇。大手行のJPモルガン・チェース(JPM)は、不適切なADR(米国預託証券)の取扱いを巡り、SEC(米証券取引委員会)と1.35億ドルの支払いで合意し堅調推移した。
一方で、原油相場の下落で、深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)が軟調推移。米中関係の悪化が懸念され、ネット小売のアマゾン(AMZN)、携帯端末のアップル(AAPL)など主要ハイテク株が売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,138.82+260.37
S&P500種
2,488.83+21.13
ナスダック
6,579.492+25.137
NY金(ドル/トロイオンス)
1,281.10+8.10
NY原油(ドル/バレル)
45.41-0.81
円・ドル
110.90 – 110.91-0.03
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸。3月物は前日比10円高の2万0035円で取引を終えた。大阪取引所の終値を15円上回った。
前日に急騰した米株式相場がこの日は軟調になったのを受け、日経平均先物もいったんは2万円を下回って下落した。米株が乱高下の後に大きく上昇すると、小幅ながら日本株も上げに転じた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20035 ( +15 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20075 ( +55 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6584.68(-101.31)
FTSE100種総合株価指数は大幅に続落した。前営業日24日の終値に比べ101.31ポイント安の6584.68と、18日に付けた年初来安値(終値べース)を更新し、2016年7月上旬以来の安値水準で引けた。幅広い銘柄が売られ、構成銘柄の約8割が下落した。
この日はリスク回避ムードが強かったほか、原油相場の下落も圧迫要因となった。
27日早朝に発表になった中国の経済指標が悪化したことに加え、トランプ米大統領が安全保障上の重大な脅威となる外国メーカーの通信機器の使用を禁じる大統領令を出す検討に入ったと伝わった。中国の通信機器大手が対象になるとの思惑から米国株が大幅安で始まると、英株も下げ幅を広げた。英通貨ポンド安による下支え効果は限定的だった。
個別銘柄では、ソフトウエア開発のマイクロフォーカスが5.2%安と大幅に下落した。英エネルギー大手SSEは4.4%安、通信のBTグループは4.1%安と安かった。
原油安を背景に石油株は全面安。電力・ガス供給ナショナル・グリッドは3.8%安などの公益株にも売りが広がった。鉱業株は中国の需要減速などが意識され、軒並み下落した。
半面、金相場の上昇を受けて関連のフレスニージョは3.9%高とランドゴールド・リソーシズは2.9%高と高くなった。ソフトウエア開発のセージ・グループと投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストの上げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10381.51(-252.31)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に反落した。終値は前営業日21日と比べて252.31ポイント安の10381.51だった。
20日に付けた年初来安値(終値ベース)を更新し、2016年11月以来の安値水準となった。
中国をはじめ世界の景気の先行きが警戒されるなか、午後に入り米株安を嫌気した売りも出て下げ幅を広げた。全面安で引けた。
個別では、医薬・化学大手のメルク、不動産のボノビア、ドイツ銀行などが大幅に下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4598.61(-27.78)
