「運否天賦」
マーケット追随型市場関係者を悩ませてくれる展開。
「今泣いたカラスがもう笑った」みたいな状態だ。
今泣いたカラスがもう笑うとは・・・。
欲しいものを買ってもらえなくて泣きわめいていた子どもが、それが手に入ったとたん泣きやんで笑顔を見せているといった生態。
ずるがしこそうなカラスに例えた慣用表現だ。
しかし、面白い解釈もある。
「そんなふうに子供を甘やかしているから泣きわめく子供が出来上がるのである」。
東京株式市場もそうなのかも知れない。
相場は「運否天賦」と考えることも重要だろう。
市場関係のメールから深い言葉。
↓
「そもそも何事にも理由があると思うこと自体が間違ってる」
証券マスコミは理由、理屈、理論で相場など物事を解説しようとするのが仕事。
確かに「何事にも理由があると思うこと自体が間違ってる」と思うことも多い。
昨日、相場が下がったので「景気回復期待が後退して下げた」と書いた。
今日、相場が上がったので「景気回復期待から上げた」と書く(笑)。
まあ、そこまで節操がないと言うか、極端でなくても、1週間前、1か月前と
今とファンダメンタルズに大きな変化がなくても、相場は上がるときも下がるときもある。
仕事だから考え得る理由をつけた原稿は書きますが、
現実の相場を理解するには、やはりテクニカルを軸に見た方が分かりやすい。
テクニカルは理由、理論、理屈、理想、願望、欲望ではなく、ありのままの現実ですから。
日経朝刊の「不動産買収、日本で加速」の記事。
世界的なカネ余りを受けて投資余力が高まった世界の不動産ファンド。
日本の不動産会社やREITの買収の波が押し寄せているという。
昨年の世界の不動産業界の買収額は5304億ドル。
前年比47%増で過去最高だった。
今年1~8月には前年比14%減だが、それでも最高水準。
単に5304億ドルというが円では60兆円近いからたいした金額だ。
昨年米のブラックストーンがそれぞれ1000億規模で買ったのは豪州とシンガポールの上場REIT。
理由は日本の不動産に投資し優良物件を保有していたからだという。
NTTのNTT都市開発へのTOBも買収防衛策という開設もある。
日本の不動産へ押し寄せる大きな波には逆らえないというのが現実だろう。
いくら警鐘がなってももはや聞く耳を持たないというのも業界特有の事情だ。
もっともバブルに懲りて、過度に警戒していると、外資に持っていかれてしまう可能性もある。
(櫻井)。
