NYダウ602ドル安、アップル大幅安でハイテク株に売り

 
12日のNYダウ工業株30種平均は大幅に続落した。前週末比602ドル12セント安の2万5387ドル18セントで終えた。
 
ベテランズ・デーの振替休日で債券市場が休場。サウジアラビアが12月からの原油減産を示唆したほか、OPEC(石油輸出機構)やその他主要産油国にも減産を呼び掛け、原油相場の上昇を受けたインフレ懸念から売りが先行した。
 
アップルなどハイテク株を中心に大幅下落となった。マレーシアの政府系ファンドの資金流用に関与したとしてゴールドマン・サックスが大幅に下げ、指数を押し下げた。
トランプ大統領が原油減産に反対の姿勢を示したこともあり、引けにかけて原油相場は下落に転じたものの、相場を押し上げるには至らなかった。
 
アップルに顔認証センサーを供給する米ルメンタム・ホールディングスが「大口顧客から出荷を大幅に減らすよう要請を受けた」として、2018年10~12月期の業績見通しを下方修正した。大口顧客はアップルを指すとみられ「iPhone(アイフォーン)XS」など新モデルの販売不振が警戒された。
 
アップルが5%強下げ、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)など主要ハイテク株にも売りが波及した。アマゾンは4%強下げた。
 
ゴールドマンは7%強下落した。マレーシアの政府系ファンドによる巨額の資金流用にロイド・ブランクファイン前最高経営責任者(CEO)が関与した疑いが取り沙汰され、業績への影響が懸念された。アップルとゴールドマンの2銘柄でダウ平均を180ドル強押し下げた。
 
取引終了直前に株式相場は下げ幅を一段と広げた。米政府が13日にも自動車関税について協議する見込みと伝わり、投資家が運用リスクを回避する目的の売りを出した。
 
セクター別では、電気通信サービスや不動産が上昇する一方で半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前週末比206.033ポイント安の7200.869と10月30日以来の安値で終了した。エヌビディアやインテルなど半導体株の下げが目立った。
 
個別では、シーラス・ロジック(CRUS) 、スカイワークス・ソリューションズ(SWKS)、コルボ(QRVO)など「iPhone」の部品サプライヤー各社も軒並み売られた。複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、債務水準引き下げを目的とした資産売却実施を示唆したほか、通期の売上高目標達成に悲観的な見通しを示し下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,387.18-602.12
S&P500種
2,726.22-54.79
ナスダック
7,200.869-206.033
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,208.60-16.50
NY原油(ドル/バレル)
58.85-1.34
円・ドル
113.83 – 113.84-0.33

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は3営業日続落した。
12月物は前週末比350円安の2万1775円で引けた。アップルやゴールドマン・サックス主導で米株が大幅続落し、日経平均先物にも売りが波及した。原油安も世界景気への警戒感につながった。
この日の12月物安値は2万1725円、高値は2万2320円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21775 ( -475 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21800 ( -450 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7053.08(-52.26)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前週末の終値に比べ52.26ポイント安の7053.08で引けた。FT指数は寄り付きで7186.31と10日ぶり高値を付けたが、その後はじりじりと売り戻されて値を消し、結局この日の安値で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
 
ポンド相場の下落を受けて、通貨安で恩恵を受ける多国籍企業の銘柄に買いが集まり株価指数は上がって始まった。ただ、欧州各国の株式相場の下げ幅が広がるとともに、英国も徐々に伸び悩み、その後下落に転じた。たばこ株が大幅安となり、株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、米食品医薬品局(FDA)がメンソールのたばこの販売を禁止する可能性があると報じられ、同種のたばこの売上比率が大きいブリティッシュ・アメリカン・タバコは10.6%の大幅安。インペリアル・ブランズも2%超下がった。銀行株も軟調だった。ネット専業スーパーのオカド・グループとギャンブル事業のGVCホールディングスもそれぞれ6%前後下がった。
 
半面、原油相場の上昇を受けて、石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルは買われた。医薬品株も堅調で、シャイアーは2.0%高の値上がりと目立った。同社買収をめぐり、武田薬品工業が12月に買収の賛否を問う臨時株主総会を開く予定で、2019年1月上旬には買収が完了する見通しとなった。情報・出版のインフォーマと配送のブンズルの上げも大きくなった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11325.44(-203.72)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末と比べて203.72ポイント安の11325.44だった。ハイテク株の大幅安が目立った。午前に下げに転じた後、徐々に下げ幅が広がった。
 
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズは8%近く下がった。通期業績は市場予想を上回ったものの、米同業のクアルコムなどの売上高見通しが低調だったことを受けて、需要低迷があらためて懸念された。IT(情報技術)のSAPも5%超下落した。同社は11日にインターネット上のアンケートソフトを手がける米社を80億ドルで買収すると発表したが、市場関係者は買収額が割高と判断し、売りが広がった。
一方、値上がりしたのは、不動産のボノビアを含む3銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5059.09(-47.66)
フランスの株価指数CAC40の終値が前週末に比べて1%近く下落した。

 

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