「また来た道」

 
「また来た道」
 
週明けのNY株式は大幅急落。
NYダウは10月24日以来となる600ドル超の下落幅となった。
NASDAQは300ポイント超の下落で3日続落。
原因と目されたのは3日続落のアップル。
同社に顔認証センサーを供給するルメンタム・ホールディングスが「大口顧客から出荷を大幅に減らすよう要請を受けた」として10~12月期の業績見通しを下方修正。
大口顧客はアップルと想定され「iPhoneXSなど新モデルの販売不振が警戒された」との解釈だ。
アップルは5%強の下落。
マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグル)など主要ハイテク銘柄も下落。
マレーシアの政府系ファンドによる巨額の資金流用に前CEOが関与した疑いからゴールドマンは7%超の下落。
アップルとゴールドマンの2銘柄でNYダウを185ドル押し下げた格好だ。
7~9月期が赤字となったGEも10%下落。
トランプ大統領は「できることならサウジとOPECに原油は減産してほしくない」とツイート。
ガソリン価格の上昇を防ぐため産油国の減産をけん制したことが売り材料となりWTI原油先物価格はバレル60ドル割れまで下落。
11日続落は過去最長になった。
「トランプ政権は知的財産権の盗難や輸出管理面での中国との貿易摩擦に対抗するために関税以外の方法も取る方向」という報道も嫌気された。
引け前に下落幅を拡大したとの見方もある。
ゴールドマンのレポートの指摘。
「同社が算出しているベア・マーケット・リスク・インディケーターが73%を記録。
60%を超えると株式市場は今後1年間の下落トレンドを示唆する」。
もっとも「長期的な弱気相場の始まりでは無く、急激な調整にとどまろう。
現在のインディケーターからは、歴史的にみて調整が起きたとしても最大15%にとどまる」という結論だ。
金は3日続落。
債券・為替はベテランズデーで休場。
 
週初の寄り付きは128円安。
イタリアによるEUへの予算案提出、アメリカのベテランズデーなどを控えて様子見モード。
日中値幅は大きかったが終値ベースはほぼ全週末比変わらずの展開。
東証1部の売買代金も2兆1529億円と低調だった。
年末の閑散相場まではまだ時間が早い。
安値は22046円だったが22000円が意識されての切り返し。
200円超の下落からプラス圏まで浮上。
しかしその先に上を追う動きはなかった。
値上がり887銘柄、値下がり1142銘柄では売り優勢という印象。
新高値20、新安値54も同様だ。
「先週末に一時バレル60ドル割れまで売り叩かれたWTI原油が戻れるかどうかが課題」と市場関係者。
騰落レシオは84.92に上昇。
NTレシオは13.32倍。
25日線(22235円)からは0.2%のプラスかい離。
200日線(22678円)からは0.4%のマイナスかい離。
5日線(22248円)は下回っている。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲8.210%(前日▲10.025%)。
買い方▲12.438%(前日▲11.747%)。
縮まってきた差が拡大した。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△5.14%(前日△ 2.80%)。
買い方▲20.96%(前日▲18.68%)。
売り方はまたプラス。買い方は土砂降りの水準。
空売り比率は44.7%で30日連続40%超。
日経平均採用銘柄のPERは12.57倍。EPSは1771円と過去最高(11月8日の1780円)水準継続。
それでも株は上がらないから不可解だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比475円安の21775円。
高値は22320円、安値は12725円。
ボリンジャ─のマイナス2σは21045円とまだ下にある。
気学では「不時高をみることあり。悪目買い」。
明日は「よく動き後場急変する。大引け高は売り、大引け安は買い」。
木曜は「一方に偏傾して動く日」。
週末は「変化を起こす注意日」だ。
 
 
(兜町カタリスト櫻井)

 

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