NYダウ551ドル安、業績不安や原油安

20日のNYダウ工業株30種平均は大きく続落し、前日比551ドル80セント安の2万4465ドル64セントと10月29日以来ほぼ3週ぶりの安値で終えた。年初来の騰落率で再びマイナスに転じた。
 
欧州株安の流れを引き継ぎ、この日のダウ平均は売りが先行。寄り付きから節目の2万5000ドルを割り込み、さらなる売りを誘った。
 
前日に新型スマートフォンの需要低迷が報じられたアップルが5%下落した。ゴールドマン・サックスによる投資判断の引き下げを受けてこの日も売り込まれたほか、業績の先行き懸念が広がっていた他のハイテク大手にも売りが波及した。
 
また、朝方発表された四半期決算で既存店売上高が市場予想ほど伸びなかったディスカウントストアのターゲットが急落。見通しが市場予想に届かなかった同業のTJXなど小売株が軒並み売られ、米景気の不透明感を誘った。
 
原油先物相場の下落を嫌気し、エクソンモービルなど石油株が大きく下落。利ざや縮小の思惑からゴールドマン・サックスなど金融株も下げた。ダウ平均は構成する全30銘柄が下げた。米中貿易摩擦の緩和期待が後退したことも売り圧力となり、ダウ平均は終盤に一時、下げ幅を648ドルまで拡大した。
 
投資家心理を測る指標とされる米株の変動性指数(VIX)は前日比12%上昇。不安心理が高まった状態とされる20を上回った。
 
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や運輸、エネルギーを中心に全面安となった。
 
ナスダック総合株価指数は同119.654ポイント安の6908.823と節目の7000を下回り、4月1日以来ほぼ7カ月半ぶりの安値で終えた。
 
個別では、携帯端末のアップル(AAPL)はゴールドマン・サックスが、iPhone XRの価格設定を誤ったとの見方から今月2回目となる目標株価の引き下げを行い続落した。ディスカウントストアのターゲットは冴えない8-10月決算を発表して大幅下落。ホームセンターのロウズ(LOW)は決算で既存店売上高が予想を下回ったことが嫌気され売られた。また、百貨店のコールズ(KSS)は通年の業績見通しが予想を下振れ軟調推移となった。
一方で食品のキャンベルスープ(CPB)は好決算を発表して上昇。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,465.64-551.80
S&P500種
2,641.89-48.84
ナスダック
6,908.823-119.654
NY金(ドル/トロイオンス)
1,225.30+2.30   
NY原油(ドル/バレル)
53.39-3.81
円・ドル
112.73 – 112.74+0.22

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は3営業日続落した。12月物は前日比370円安の2万1220円で引け、約3週間ぶりの安値をつけた。
20日の大取終値を320円下回った。世界景気の先行き警戒感が広がり、米株とともに売られた。20日の米株式市場ではアップルなどハイテク株が下げ止まらず、小売り大手やエネルギー関連株も下げた。
この日の12月物安値は2万1175円、高値は2万1685円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21220 ( -320 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21235 ( -305 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6947.92(-52.97)
FTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日19日の終値に比べ52.97ポイント安の6947.92で引けた。終値が7000を下回るのは10月下旬以来。
アジアや欧州、米国などの株安を受け、投資家のリスク回避姿勢が強まった。英国の欧州連合(EU)からの離脱に対する懸念も市場心理を圧迫している。
金融株と資源株を中心に構成銘柄の約7割が下落した。
 
銀行株をはじめ保険株や資産運用株が全面安となった。イタリア株式市場で銀行株が売られた流れが波及した。原油相場の急落を受けて石油株は全面安となった。金属相場も下落したことで鉱業株も軒並み下げた。
 
個別銘柄では、ロシアの鉄鋼大手エブラズは6%安となり、下げを主導した。アナリストが目標株価を引き下げたギャンブル事業のGVCホールディングスの下げも目立った。
原油安を背景に石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが1.7%安、同BPが0.7%安と弱含んだ。
 
半面、食品サービスのコンパス・グループが5.4%高と大幅に上昇した。好決算を発表し、アナリストが目標株価を引き上げたことで買われた。
欧州委員会が武田薬品工業による買収を承認したことで、製薬大手シャイアーも0.7%高と買われた。
景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄の医薬品株と公益株が上げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11066.41(-178.13)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に5日続落した。終値は前日19日と比べて178.13ポイント安の11066.41と、2016年12月上旬以来の安値水準となった。イタリアの財政不安などを背景に欧州株全体に売りが広がるなか、午後に入り米株が大幅安となり下落幅を広げた。
 
ドイツ株は素材メーカーのコベストロが急落した。同社は通年の利益見通しを引き下げたことが売り材料視され、15%超安で引けた。ドイツ銀行も下げ、日中に一時過去最安値を付けた。一方で日用品のバイヤースドルフなどが数銘柄が上げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4924.89(-60.56)
フランスの株価指数CAC40は、年初来安値(終値ベース)で引けた。仏ルノー株は下げ幅をやや縮め1%強安だった。

 

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