「許して欲しい」

「許して欲しい」
 
NY株式市場はS&Pとナスダックが反発。
売り込まれていたエネルギー・ハイテク・小売セクターの戻りが牽引役となった。
ただ引けかけてアップルが下落に転じたことからNYダウは小幅にマイナス。
引け際に150ドル程度値を消した格好だ。
感謝祭の休場を控え商いは低調。
3市場の売買高は約65億株と直近20日平均の85億株を大きく下回った。
前日の約90億株からは大きな減少。
アノマリーで参加者薄だったのだろうか。
「感謝祭前後(水曜日から金曜日)の米株アノマリーは株高。S&P500は過去35年で34回上昇していた」という声もある。
耐久財受注民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注が前月から横ばいで着地。
市場予想は0.2%増だった。
前年同月比は6.4%増。
9月は当初発表の0.1%減から0.5%減へ下方修正。
全体としての耐久財受注は前月比4.4%減と2017年7月以来の大幅な落ち込みとなった。
設備投資は第3四半期に伸び悩み。
「景気拡大は9年目で史上2番目に長い期間。
しかし持続可能でないかもしれない」との見方も出てきた。
「トランプ政権が1.5兆ドル規模の減税政策を導入したが設備投資は低迷。
アップルなどは減税による余剰資金を大規模な自社株買いに充てている」というのが背景ともされる。
新規失業保険申請件数は前週から3000件増の22.4万件と6月末以来約4カ月ぶりの高水準。
雇用の伸びがやや鈍化している格好だ。
「米経済は夏の終わりに差し掛かる数カ月前に、成長と繁栄のピークを迎えたかもしれない」というコメントもある。
CB景気先行指数は112.1と前月から0.1%上昇したが5月以来の小幅な上昇となった。
中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.4%増の522万戸と7カ月ぶりにプラスに転じたが住宅市場の弱含みは継続。
10年国債利回りは3.06%台。
ドル円は113円台前半での推移。
 
 
続落とはいえ底堅さが続いた水曜。
アノマリー通りの「株高の日」にはならなかったが日足は大陽線で9月下旬以来の3日連続陽線。
寄り付き直後に339円安まで売られたが27円安まで下げ渋っての75円安なら悪くはない。
NYダウの600ドル超の下落を跳ね返した格好だった。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)がかすかに反発していたのがサインでもあったかのようだ。
「この間の下げを引っ張ってきたエヌビディア、ネットフリックス、アルファベットなどは反発。
600ドル超の下落は残った借金に利息をつけて返したようなもの」という解釈もあった。
終値で21500円はキープ。
21500円は下回りたくない心理が台頭している印象だ。
「日経平均は今週172円の下落。
下げ分を取り戻せば5日線(21679円)も視野に入る」という見方だ。
価格帯別売買代金が21500円水準が多いという根拠のない神話も崩れる可能性は高い。
値上がり596銘柄、値下がり1431銘柄。
新高値9銘柄(前日18銘柄)、新安値308銘柄(前日207銘柄)。
新安値が300を超えれば目先は売り物一巡感だろう。
NT倍率は13.31倍。
25日線(21920円)からは1.9%、200日線(22301円)からは3.6%のマイナスかい離。
騰落レシオは81.83%まで低下。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲7.362%。
買い方▲14.725%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△8.08%。(前日△8.97%)。
伸びてこないということは利食いが進んできたということだろうか。
買い方▲22.54%(前日▲22.65%)。
こちらも悪化せず。
空売り比率は45.2%で37日連続の40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は5.7%だ。
Quick調査の11月16日時点の信用評価損率は13.14%。
11月16日時点の裁定買い残は296億円減の1兆1173億円。
3週ぶりの減少。
裁定売り残は926億円増の5439億円。
2週ぶりの増加だ。
日経HVは23.3、日経VIは21.21。
日経平均採用銘柄のPERは12.13倍と今年最低水準。
12倍割れはなんとか逃れた格好だ。
EPSは1773円。
シカゴ225先物終値は大証日中比130円高の21650円。
高値21750円、安値21170円だ。
前週末終値21680円、今週陽線基準21821円が欲しいところ。
勝手雲の下限21965円は遠い。
昨日もサポートになったボリンジャーのマイナス1σは21501円。
気学では「逆行日。大いに高ければ売り。安ければ買い良し」。
NYの感謝祭休場前後の株高アノマリー背景にNYは休日リスクを株上昇でヘッジした。
東京も3連休リスクを買いでヘッジしてもらいたいもの。
3連休を挟んだ今月初の続伸に期待だ。
因みに「11月の3連休明けは高い」。
そして「11月最終日を含む週は高い」というのがアノマリーだ。
そして昨日に続いて「株高の日」。
NYの引け味の悪さをどう解釈するかが課題の週末。
 
10月9日にIMFの世界経済見通しを下方修正した。
18年は0.2ポイント下方修正の3.7%となった。
日経平均は10月2日に24448円の高値を付けその日から11日まで6日連続日足陰線。
10月16日のザラ場安値20971円、29日の終値安値21149円まで一気に下落。
米金利上昇リスクや米中貿易摩擦、米中間選挙、イタリアの財政問題などが悪材料視された。
最近ではGAFA銘柄への警戒感も台頭した。
MSCI世界株価指数は5週連続で下落で2013年以降で最長。
株安を背景に10年国債利回りは一時3.057%まで下落(価格は上昇)。
安全資産志向が大きくなった。
しかし結局のところ、このIMFの世界経済見通しがトリガーだったのだろう。
振り返ってみれば影の主役は見えてくるものだ。
そして今朝はOECD(国連の経済協力開発機構)の来年の世界経済見通し。
IMFの経済見通しよりも機関投資家などが重用する代物だ。
日経朝刊の見出しは「世界景気減速、3.5%成長に」。
9月時点から」0.2ポイント引き下げた。
しかもIMFよりも0.3ポイント低い。
世界経済の2018年は3.7%成長、19年は3.5%、20年は3.5%。
米国は28年2.9%、19年2.7%、20年2.1%。
ユーロ圏は18年1.9%、19年1.8%、20年1.6%。
日本は18年0.9%、19年1.0%、20年0.7%。
中国は18年6.6%、19年6.3%、20年6.0%。
米国以外の減速が顕在化。
「先行きには陰りが見えている」という解釈だ。
その理由は貿易摩擦と先進国の金融引き締め、そして新興国の成長鈍化。
日本の成長見通し引き下げの背景は自然災害の影響が大きいが米中はそれこそ貿易の縮小だ。
少なくとも悪材料だが、「見えないフリ」ができるかどうかが年末相場の行方を左右しよう。
「許してくれない」という声は聞きたくないものだ。
 
NYダウは0.95ドル安の24464ドルと3日続落。
150ドル高水準の上昇を引け際に消した格好だ。
NASDAQは63ポイント高の6972ポイントと4日ぶりの反発。
S&P500は8ポイント高の2649ポイントと3日ぶりの反発。
ダウ輸送株指数は152ポイント高の10365ポイント。
SOX指数は0.42%上昇。
3市場の売買高は65億株。
CME円建ては大証比130円高の21650円。
ドル建ては大証比135ポイント高の21655ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比170円高の21690円。
ドル円は113.05円。
10年国債利回りは3.064%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
いちご(2337)・・・動兆
 
いちごに注目する。
同社は不動産の価値向上・運用と太陽光等のクリーンエネルギー事業が主力。
不動産価値向上で賃料収入は増。
町田の商業ビルなど売却益も拡大。
関東最大級の太陽光発電が通期貢献。
新宿の自社デザインホテルは好調。
「心築」というコンセプトは悪くない。
宮崎でいちごの栽培を開始したのも興味深い。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

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