NYダウ354ドル高、年末商戦が順調や原油高を好感

26日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前週末比354ドル29セント高の2万4640ドル24セントで終えた。
 
前週末23日のブラックフライデーからスタートした年末商戦が好調に推移しているとの期待感から、メーシーズなど大手小売り株が買われて相場をけん引した。
26日はインターネット通販の特売が一斉に始まる「サイバーマンデー」で、ネット通販最大手アマゾン・ドット・コム株は大幅高となった。米調査会社アドビ・アナリティクスによると、今年のサイバーマンデーの売上高は前年比17.6%増の78億ドルと活況が予想されている。
 
また、前週末に供給過剰懸念などを背景に7%超も急落したニューヨーク原油相場が26日は反発。株式市場では、エクソンモービルなどエネルギー株に買い戻しが入ったことも相場上昇を支えた。
 
このほかにも市場心理の好転につながる材料が相次いだ。伊政府が2019年度予算案の財政赤字額の削減を検討していると伝わり、月末に予定される米中首脳会議で両国が折り合う姿勢を示すとの期待も浮上した。
 
ただ、26日のダウの上昇は、先週の4営業日で1000ドル超も急落したことに対する自律反発にとどまるとされていた。市場では世界的な景気減速への懸念が高まる中、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続し、金融環境を引き締め過ぎることへの警戒が高まっている。「パウエルFRBが28日の講演で来年の利上げペースを緩める方針を示せば、株価は本格的な反転のきっかけをつかめるとの声が出ていた。
 
セクター別では食品・飲料・タバコを除いて全面高となり、特に自動車・自動車部品や小売の上昇が目立った。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、同142.869ポイント高の7081.853で終えた。クレディ・スイスのアナリストが投資判断を「買い」で始めた画像処理半導体のエヌビディアも大きく上昇した。
 
個別では、年末商戦への期待からゲーム小売のゲームストップ(GME)、アパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)、家電量販店のベストバイ(BBY)など小売各社が軒並み上昇した。自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は、大規模な人員削減や工場閉鎖計画を発表し上昇。薬剤給付管理会社のCVSヘルス(CVS)は、医療保険のエトナ(AET)の買収計画をNY当局が条件付きで承認し買われた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,640.24+354.29
S&P500種
2,673.45+40.89
ナスダック
7,081.853+142.869
NY金(ドル/トロイオンス)
1,222.40-0.80   
NY原油(ドル/バレル)
51.60+1.18
円・ドル
113.56 – 113.57+0.33
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
シカゴ日経平均先物は大幅反発した。
12月物は前週末比565円高の2万2045円で引け、26日の大取終値を215円上回った。米年末商戦の好調なスタートや原油相場の反発を手がかりに投資家心理が上向き、米株とともに買われた。
円安も支援材料になり、12月物は一時2万2090円まで上げた。
この日の12月物安値は2万1490円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22045 ( +215 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22055 ( +225 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7036.00(+83.14)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに大幅に反発した。前週末の終値に比べ83.14ポイント高の7036.0で引けた。
原油価格の反発でエネルギー関連株が買い戻されたほか、海外株高や英国の欧州連合(EU)離脱合意案の正式決定なども相場に追い風となった。
指数構成銘柄全体の約7割が上昇。エネルギー関連株のほか、通信、金融株など幅広い銘柄が買われた。一方で、年末商戦の不振が伝えられ、流通株は軟調だった。
 
個別銘柄では、アナリストが投資判断と株価目標をともに引き上げたエネルギー関連サービスのウッド・グループは7%超上昇した。携帯電話サービスのボーダフォン・グループも6%超上がった。通信のBTグループも1.5%高と堅調だった。欧州委員会がオランダの通信業界内の統合を承認する見通しとなった。これを受けて、その他の欧州諸国でも統合が進み競争の軽減が期待できるとして、欧州各国で通信関連株が買われた。保険株も高くなった。
 
半面、高級衣料バーバリーは1.4%安、衣類小売ネクストも0.8%安、流通大手テスコは0.7%安と売られた。投資会社のメルローズ・インダストリーズは、予定されていた一部門の売却を棚上げする可能性があるとの報道を受けて下落した。外食デリバリーサービスのジャスト・イートと郵便大手のロイヤル・メールの値下がりも目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11354.72(+162.03)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前週末と比べて162.03ポイント高の11354.72だった。
イタリア政府が2019年度予算案について財政赤字の目標を減らすことを検討していると伝わり、同国の財政懸念が後退し欧州各国の株式相場が上昇した。
 
個別銘柄では、素材メーカーのコベストロとドイツ銀行、オンライン決済サービスのワイヤーカードが大幅高となった。
一方で、アディダスとドイツ取引所は売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4994.98(+48.03)
フランスの株価指数CAC40の終値が前週末に比べて1%近く上昇した。

 

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