NYダウ反落 89ドル安 ハイテク株が下落 ナスダックも反落

15日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比89ドル44セント安の2万5250ドル55セントで終えた。
 
主力のハイテク株が軒並み下げ、相場の重荷になった。ただ140ドル強上げる場面もあり、相場は明確な方向感を欠いた。ダウ平均は米金利上昇などを嫌気して前週に1107ドル急落したが、週明け後も不安定な値動きだった。
 
ゴールドマン・サックスのアナリストは、投資家に宛てた文書で、中国の消費が急速に減退する兆しがあり、アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の今秋の売れ行きに影響を与える恐れがあると指摘。これを受け、中国事業の業績悪化への懸念からアップルに売りが膨らみ、1銘柄でダウを約32ドル押し下げた。
動画配信のネットフリックスやアマゾン・ドット・コムにもアナリストから慎重な指摘が相次ぎ、主力ハイテク株が総じて振るわなかった。
 
また、サウジアラビア政府による著名記者の殺害疑惑で、米国とサウジの関係が悪化するとの懸念も投資家心理を冷やしたようだ。サウジは政府系ファンドを通じて多額の資金を米ハイテク企業などに投じている。米国への対抗措置として投資資金の引き揚げに動くとの連想につながった。
 
15日のダウ平均は142ドル上昇する場面もあった。映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上げて相場を下支えした。メディア大手21世紀フォックスの事業買収に関連し、競争阻害を懸念する欧州連合(EU)に譲歩案を提示したと伝わった。ドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスなどディフェンシブ銘柄が買われたことも相場を支えた。
市場では、16日に動画配信大手ネットフリックスの7~9月期決算、17日に9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨と、「注目度の高いイベントを控え、きょうは様子見ムードが強かった」との指摘が聞かれた。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前週末比66.150ポイント安の7430.744で終えた。アップルなどのほか、アルファベット(グーグル)やエヌビディアの下げも目立った。
 
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や自動車・自動車部品が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器やソフトウェア・サービスが下落した。
 
個別では、小売大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)は破産法11条の適用を申請し、20%超の大幅下落となり事実上破綻した。携帯端末のアップル(AAPL)は、ゴールドマン・サックスが中国での需要減速を指摘し軟調推移。大手行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)は、決算で手数料収入減少やトレーディング収入が予想を下振れ売られた。
 
一方で、電気自動車のテスラ(TSLA)は、モルガン・スタンレーのアナリストが電気自動車は予想よりも早く市場に浸透するとの見方を示し買われた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,250.55-89.44
S&P500種
2,750.79-16.34
ナスダック
7,430.744-66.150
 
米10年債利回り(%)
3.1576 +0.017
米2年債利回り(%)
2.8571 +0.017
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,230.30              +8.30
NY原油(ドル/バレル)
71.67-0.11
円・ドル
111.73 – 111.74-0.06

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前週末比285円安の2万2265円で引け、15日の大取終値を75円上回った。
前夜の日本市場でムニューシン米財務長官の発言を受け、円高警戒感から売られた流れを引き継いだ。米株の上昇局面で買い直される場面があったが、引けにかけては米株が反落し、日本株も上値を抑えられた。
 
この日の12月物安値は2万2030円、高値は2万2590円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22265 ( +75 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22300 ( +110 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7029.22(+33.31)
FTSE100種総合株価指数は軟調な英通貨ポンド相場を背景に4営業日ぶりに反発した。前週末12日の終値に比べ33.31ポイント高の7029.22で引けた。
ただ、構成銘柄の半数以上は下落した。
 
序盤のFT指数は下落。一時3月28日以来の安値となる6961.28まで売られたが、その後は買い戻しが入って切り返し、終盤に上げ幅を拡大した。
 
個別では、金価格の上昇を受けて、産金大手ランドゴールド・リソーシズが5.2%高。フレスニージョも4%、それぞれ上がった。
グラクソ・スミスクラインなど医薬品株と、インペリアル・ブランズなどたばこ株が上昇した。原油高を背景に石油株も買われた。午後に銅価格が上昇に転じると、鉱業関連株も軒並み上昇に転じた。ブックメーカー(賭け屋)のパディパワー・ベットフェアは4.6%高と大幅高となった。
 
半面、金融株は売られた。英航空・防衛大手BAEシステムズは3.8%安、ネット専業スーパーのオカド・グループも2.9%安と大幅安。アナリストが株価目標を引き下げた投資会社のメルローズ・インダストリーズも下がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11614.16(+90.35)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反発した。
終値は前週末12日と比べて90.35ポイント高の11614.16だった。他の欧州株式相場とともに下がって始まったが、割安感から買い戻された。構成銘柄の8割以上は上昇した。
 
個別では、自動車のフォルクスワーゲンと医薬・農薬大手のバイエルが買われる一方で、航空のルフトハンザとタイヤのコンチネンタルは下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5095.07(-0.91)
 

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