「綱渡り」
NY株式市場は小幅反落。
大幅高の翌日の反動という格好だ。
FOMC議事要旨は「当局者が金利は今後も上昇することでおおむね一致した」との観測。
金利上昇懸念がやや強まった。
議事要旨の発表後、S&P500はプラス圏とマイナス圏の往来だったから解釈も割れたということだろう。
9月の住宅着工件数が年率換算で前月比5.3%減の120.1万戸と予想の122万戸を下回ったことも悪材料視された。
国債利回りは上昇トレンド。
ただ株価の反落で債券が買われたことで結局は狭いレンジでの動き。
10年国債利回りは3.20%台。
利上げ継続方向を受けてドルは上昇。
12月利上げの確率は78%。
英国EU離脱交渉でEU側の責任者を務める欧州委員会のバルニエ首席交渉官は「交渉妥結にはもっと時間が必要」とコメント。
ポンドは下落した。
財務省は半期に一度の外国為替報告書を発表。
ただ中国やその他の貿易パートナーを為替操作国に認定するのは見送り。
中国、インド、日本、ドイツ、韓国、スイスを監視対象に引き続き指定した。
ドル円は112円台後半での推移。
中間選挙後に税制改革第2弾が決まる可能性が指摘されてきた。
金利上昇と減税の綱引きという格好だ。
水曜の日経平均は続伸。
「株は安いぞ、水曜日」の認識は変化してきた印象。
もっとも23000円で頭を抑えられたところが物足りなさ。
「2日続伸での上昇幅は570円。
2000円近い下落幅に対して戻りは28.5%。
NYダウの戻り率39.5%よりも小さい」という見方だ。
もっとも小幅とはいえ日足の陽線は悪くない。
5日線や75日線を上回り、一目均衡表では雲の上に浮上。
週足では26週線を上回ってきた。
値上がり1950銘柄(前日1112銘柄)、値下がり119銘柄(前日910)と格好は付いてきた。
新高値12銘柄、新安値22銘柄。新安値は前日の303銘柄から急減した。
NT倍率は13.33倍。騰落レシオは109.42%まで上昇。
25日線からは2.3%のマイナスかい離。
200日線からは1.5%のプラスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.323%。買い方▲10.695%と買い方有利に転換。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲4.73%。買い方▲17.6%。
空売り比率は43.1%と12日連続の40%超。
Quick調査の10月12日現在の信用評価損率はマイナス10.60%と2週連続の悪化。
同裁定買い残は5166億円減の1兆8343億円。
SQ週だったとはいえ5000億円の減少は株安に拍車を掛けたことになる。
同裁定売り残は612億円増の3469億円。
日経VIは20.99に低下。
日経平均採用銘柄のPERは13.16倍でEPSは1735円。
シカゴ225先物終値は大証日中比20円安の22870円。
高値は22945円だった。
9月以降下に窓開け2回、上に窓開け3回、そして下に2回。
昨日が上に1回。
「アレコレ言わずまずは節目の23000円台回復が急務」というところ。
気学では「変化を起こす重要日」。
「グーグル、アプリ有料化」との記事。
これが欧米系企業のビジネスの本質という気がする。
最初は無料、あるいは規制緩和等で自由な展開。
しかし、それで弱いところが消えてきて高シェアになってくると変身してくる。
世の中にタダほど怖いものはないということだ。
EUは精神構造がアメリカと一緒だから、すでに脅威を感じて諸々の制裁を貸している。
しかしこの国にそんな発想はない。
位置情報もメールアドレスも裸のままで「データを見られている」なんで発想はない。
しかし、この無料ビジネスによるデータ収集は世界では脅威となっているのが現実。
1月に本格協議に入るという日米貿易交渉の中身は為替と農業。
市場開放、関税引き下げを求められれば応じてくるのだろう。
しかし、アップフロントでの安い農産物を許容すれば、いずれ、高い農産物や農薬などの副産物に移行するシナリオ。
本丸は車と見せかけて実は農業や医薬品がターゲット。
もしそうであるなら零細農家を守るということだけでなく消費者を守るという発想が必要だろう。
そういう意味でTPPをやめたトランプ大統領は米各業界にとって「手に負えない」存在。
一方でそれ以上の協定を締結してくれるならば、業界からは称賛の嵐。
そういう綱渡りをしているのがトランプ政権という見方も必要かも知れない。
NYダウは91ドル安の25706ドルと反落。
NASDAQは2ポイント安の7642ポイント。
S&P500は0.71ポイント安の2809ポイント。
ダウ輸送株指数は61ポイント安の10683ポイント。
SOX指数は0.44%の反落。
3市場の売買高は70.8億株。
CME円建ては大証比20円安の22870円。
ドル建ては大証比10ポイント高の22900ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比10円安の22880円。
ドル円は112.64円。
10年国債利回りは3.206%。
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アイリッジ(3917)・・・動兆
アイリッジに注目する。
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電子地域通貨が拡大基調。
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(兜町カタリスト櫻井)
